Sacrifice of Rebellion
この物語はフィクションです。登場する人物・国家・都市・組織・事件等は全て架空のもので、名称が一致していても実在のものとは一切関係ありません。
何の変哲もない、いつも通りの日曜日の朝。
平日は朝早く仕事に行ってしまうお父さんも今日は休みだ。
今日は、お父さんに市場での買い物に連れて行ってもらうことになっている。
そんなことを考えながら、ぼくは三人分の朝ごはんの片付けをするお母さんを見ていた。
すると、何やら外が騒がしくなってきた。
「たく、またあいつらが暴れてるのか」
椅子に座って煙草を吸っていたお父さんが溜息交じりに言う。
最近、特に休みの日はほぼ毎日こういうことが起きている。
広場にたくさんの人が集まって、旗を掲げたり叫んだりしている。
それはもはや日常の一部であり、今さら気にするようなことでもない。
「でも、今日はいつもより騒がしいんじゃない? 時間だって早いし」
けれども、僕とは反対にお母さんは不安そうだった。
「じゃ、ちょっと様子を見てくるよ」
お父さんは煙草を消すと重そうに腰をあげて玄関に向かった。
「気をつけてよ」
「ああ。すぐ戻るよ」
そう言ってお父さんは家を出ていた。
しかし、お父さんはなかなか帰ってこなかった。
外の喧騒も、時間と共に激しくなる。
そして夕方、お父さんの代わりに緑色の服を着た男が家にやってきた。
ガタッ、という音が聞こえ、俺は身体を痙攣させて目を覚ました。
俺が今いるのはアルマーユにある安い宿のベッドの上だ。即座に部屋を見回したが異常はなかったので、きっと外で何かあったのだろう。少なくとも、俺の身の周りで何かが起きたというわけではなさそうだ。
そうやって若干の安堵を得た俺は、自分がぐっしょりと汗をかいていたことに気がついた。明らかに、暑さだけによるものではない。
「くそっ」
悪態をつきながら今日の日付を思い起こすと、あれからちょうど十三年だった。時の流れが速いことに辟易すると同時に、変化のない世の中に呆れかえる。
俺は立ち上がると、上着を手にとって出発の準備に取り掛かった。
***
「これを二つ貰おうか」
店先に並べられたリンゴを指で示して店主に言った。
店といってもそんな立派なものではない。木と布で拵えられた屋根の下に、商品を並べた木の机が置いてあるだけだ。飾り気のない建物に挟まれた幅二十メートルほどのこの通りには、似たような店が他にもいくつかあり、時おり吹く風が地面の砂埃を巻き上げる中、路上に並べられた机と椅子で身体を休めている人もいる。
「二つで十カーツだ」
「はいよ」
俺はズボンのポケットから硬貨を取りだすと、机の向こうから差し出された店主の手に代金を渡した。
「あんた、外の町から来たのか?」
綺麗なリンゴを選んで手持ちの籠に入れていると店主が話しかけてきた。
「分かるのか、そんなこと?」
「雰囲気さ。ここの人間と少し違う」
「なるほど、大したな観察眼だな。鎌掛けたんじゃなかったらスパイになれるぞ」
俺は感心を示したが、店主は興味なさそうだった。
「そりゃどうも。どこの出身だ?」
「カバーン」
「カバーン? そんなところからこんな田舎まで何しに来たんだ?」
彼の疑問はもっともだ。カバーンはこの国の首都で、こことは直線距離で二百キロは離れている。主要な交通機関が車であるこの国では、所要時間や燃料代のことを考えれば気軽に移動するような距離ではない。
「仕事だよ。物を買ったり売ったり、そんなことをしながら国中を走りまわってる。内戦続きのお陰で、都会での生活も楽じゃないんだ」
「金が無いのは何処でも一緒か。若いのに大変だな」
「もう二十五だ。言われるほど若くないさ」
実際、田舎の方じゃ十二歳で親の仕事を手伝ったりして働いている子供もいる。それに比べれば、ちゃんと大学教育まで受けた俺は随分と恵まれている。
「そりゃ失礼」
「あと、そこの煙草もくれ」
左の人差し指で机の端を指しながら、右手をポケットに突っ込む。
その時、左後ろから少女の甲高い悲鳴が聞こえた。
振り返ると、音源と思しき場所で中年の大きな男が暴れる幼い少女を押え付けていた。
「あの男、近くの売春宿の奴だ」
店主が小声で教えてくれた。
「なるほど」
売春宿の男が少女を誘拐する理由なんてそう多くはない。そして、こんな事態に関心を寄せている人はほとんど居ない。気に留めるほどのことではないということだ。
俺は籠を机の空いているところに置くと店に背を向けた。
考えるより先に、自然と身体が動いていたのだ。
「おい、何する気だ?」
「すぐに戻る」
そう言い残すと、俺は道を横切って二人のもとに歩み寄った。俺が着くまでの間に男は少女を蹴り飛ばして黙らせ、担ぎあげて立ち去ろうとしていたが、俺は構わず男に声をかけた。
「おい、その子を離せ」
「あ?」
男は見た目通りの低い声を上げて俺を見てきた。
「何だ? 小僧はどっか行ってろ」
「聞こえなかったのか? その子を離せって言ったんだ」
「……俺の邪魔をするのか?」
男は俺を睨みつけ、空いている左手を腰に回した。
俺はその手から目を離さないようにしつつ、あえて挑発的に言葉をぶつけた。
「その子を下してさっさと帰れ」
「黙れ」
男が左手に持った拳銃を突き出してきた。しかしその動きを予測していた俺は男が構えるよりも早く左肩を前にして男との間合いを詰める。そして男の左手をがっちりと掴むとありったけの力で右手を男の左前腕に振り下した。
呻き声を上げる男を地面に叩きつけると同時に緩んだ左手から拳銃を奪い取り、その拳銃を右手で握り直すと、仰向けの男に向けて躊躇なく引き金を引いた。
銃声が響き、時が止まったかのように人々の喧騒が消えた。砂を巻き込んだ風が、大きな音をたてて通りを抜けていく。
銃弾は、男には当たらなかった。男の左頬のすぐ横に弾痕が出来ているが、弾丸は男を傷付けていない。もちろん、狙いを外したわけではなく意図的に射線を左に逸らしたのだ。この男の命を気遣う必要性は感じないが、死人を出して騒ぎを大きくするデメリットはあってもメリットはないからだ。
よく見ると、男の頬に弾が掠めた痕であろう赤いラインが浮かんでいる。どうやら、俺の射撃は完璧ではなかったようだ。
「今度は殺す。嫌ならさっさと消えろ」
俺は拳銃をズボンの腰に挟むと、左手を押さえて痛がっている男の横で倒れている少女を抱きかかえ、通りの向かいまで連れて行った。
……こんなことして、いったい何になるっていうんだ。こんなこと、全くの無意味だ。
心の中で自分自身に毒づく。
俺達の住む国、カドリアは長きにわたっていわゆる独裁政権が敷かれていて、十三年前から《打倒独裁》を掲げる反政府軍と政府軍の間で内戦状態にある。明確な線引きをするのであれば初期のものは内戦とは呼ばれないが、一般的には事の発端となった事件を起点として以後の事態を内戦としている。
そのせいで首都から離れた田舎の治安は悪化し、今では様々な犯罪が蔓延っている。麻薬取引、人身売買、児童買春、何でもありだ。国内の犯罪者や組織だけではなく、海外からもその恩恵を預かりに来ている連中がいる。
貧困層も増えた。戦闘で交通機関が破壊されて物資の輸送が出来なくなり、国内経済が麻痺して国全体が昔に比べて貧しくなった。これも犯罪増加を手伝っている。その犯罪のお陰で生きながらえている国民もいるのだ。
例えば、俺が今抱えているこの子。このまま道に放り捨てれば、行くアテも無く街をさまよった挙句、数日で死んでしまうだろう。ひょっとしたら誰かが助けてくれるかもしれないが、この町に今さらそんなことをする物好きがいるはずもない。それに、死ぬよりもさっきみたいに犯罪に巻き込まれる方が早いかもしれない。
とにかく、何処かに売られるなり売春宿で働くなりすれば、最低限今日明日の内に死ぬことはないというのが現実だ。だから俺がやったことは無意味どころか、この子が死ぬのを早めただけかもしれない。助けたところで、この子の面倒を見る余裕など今の俺には無いのだから。
「大丈夫か?」
店の前まで戻って少女を下した俺は、その場にしゃがみ込んで訊ねた。
「うん」
地面に座り込んだまま答える少女の声は弱弱しかった。かなり衰弱している様子だが、たいした衛生の知識を持ち合わせていない俺には少女を休ませることくらいしか出来ない。
少女の外見はだいたい十歳くらい、成長が遅れているとしてもせいぜい十二歳くらいだろうか。
「ほら、腹減ってんならこれでも食え」
机の上の籠から買ったばかりのリンゴを取りだして少女の手に持たせる。
他に出来ることといったらこれくらいだ。
初めは不審そうにリンゴを見つめていた少女だったが、空腹に負けたのかすぐに齧りついた。
「あんた強いんだな。びっくりしたよ」
一段落したのを見計らったように店主が煙草の箱を差し出してきた。
「どうも」
代金と引き換えにそれを受け取って蓋を開ける。中に六本の列が二つ、計十二本の煙草が入っていることを確認すると、その内の一本を取りだして口にくわえ、年季の入ったライターで火を点ける。
「どうすんだその子?」
「さあね」
路上に向けて煙を吐き出す。
何か考えがあってあの男を撃退したわけではない。あえて理由をつけるなら、安っぽい良心に突き動かされたというのが妥当なところだろう。職業柄、無計画な行動は慎まなければならないというのに。
「親はどうした? 一人か?」
再び身を屈めて、リンゴを齧っている少女に訊く。
この質問に実質的な意味はない。少女があのような目にあっていたことを考えれば、親かそれに準ずる保護者がいないというのは考えるまでも無い。もしいたとしても、少女のような幼い子供を、警察や軍の力が及んでいる都会ならまだしも、こんな危ない場所で一人にしている時点でいないのと同じだ。それに、大きめの汚い半袖シャツ一枚という格好が、少女がここ数日まともな生活をしていないということを物語っている。浮浪児なのかもしれない。
「お母さんもお父さんも、殺された」
少女は感情が籠っていないような声で言った。普通であれば、両親が死んだ、しかも殺されたというのは悲しむべき事だが、今の彼女は極度の疲労により、そんな感情は押しつぶされているのだろう。もしくは、すでに過去を断ち切っているのか。
「そうか」
俺は左手を、少女のぼさぼさな髪の毛に覆われた頭に置いた。
子供の頭を撫でるというのは、俺にとっては初めての経験だ。
どうせ見捨てることになるのだから、少女のことなんてほっといてさっさと立ち去るべきなのだ。しかしそうする気になれなかった俺は安物の煙草を味わいながら、少女がリンゴを食べる様子を眺めていた。そして少女は芯を残して食べ終わると、俺に話しかけてきた。
「ねえ、ここって何処?」
それなりに体力が戻ったのか、最初に比べてはっきりとした喋りだった。
近くに標識があるが、少女は字が読めないのだろう。俺はそこに記されている通りの名前を少女に教えた。
「んと、そうじゃなくて……」
しかし、それは少女が求めていたものとは違ったようだ。
「この町はマルマーユだよ」
俺より先に少女の意図を察した店主が告げた。
「そっか……」
それを聞き、少女はしゅんとした。
俺は、この町の人間としての少女の様子に違和感を覚えた。そしてその違和感が具体的な形となる前に、
「ジェメスってどうやったら行ける?」
という少女の発言に俺は驚かされた。
ジェメスが、俺がこれから向かおうとしていた地域だというのもあるが、それは偶然として処理できる。問題は、ここから遠く離れたジェメスに、この幼い少女が行こうとしているということだ。
「どうしてジェメスに行きたいんだ?」
「お母さんが行けって言ったの。そこに知り合いがいるから助けてもらえって」
自分が死んだ後の子供の面倒を知り合いに頼むというのは間違ってはいない。だが、それにしては無茶が過ぎている。
「何処から来たんだ?」
「バーク」
少女が口にした地名に、俺は耳を疑った。せいぜいこの町の何処かだと思っていたが、その予想は大きく外れたのだ。店主も驚きを声に表している。
バークは、この町からは決して近くはない。子供の足で無事にここまで辿り着くなんてことはほぼ不可能と言っていい。少女の言っていることが本当であれば、彼女が今まで無事でいたことは奇跡だ。
いや、少女の太股には乾いた血の跡がついていることから推測するに、完全に無事とは言えないようだ。
「ここまで、一人で歩いてきたのか?」
「うん」
確認すると少女は頷いた。にわかには信じ難いが、ここで彼女が嘘をつくメリットも無い。それに、まだ噂の段階でしかないが、ジェメスとバークには接点がある。
「しかしバークってあれだろ。この前、自由カドリア戦線が政府軍にやられたとこ」
と店主が言った。この情報は、もちろん俺も知っている。
政府軍に対する反政府軍、それが自由カドリア戦線だ。かつては自由カドリア集会という名称の政治団体だったが、武力衝突が続くうちに変わったのだ。今は国内のいたるところに拠点を設けて政府軍に対抗している。
ここで俺は、ある可能性を確かめるために少女に訊いた。
「ひょっとして、お前の両親ってFFKのメンバーだったのか?」
すると少女は目を丸くした。
「……どうして?」
「親が殺されたって言ったろ? だから、この前の戦闘で政府軍に殺されたんじゃないかって思ってな。当たりか?」
少女は、少しためらう様子を見せてから首を上下に動かした。
「ってことは、ジェメスにいる知り合いってのは、大方FFKの仲間ってところか。あそこにはFFKの拠点があるって噂もあるしな。もしそうなら連れてってやるよ。俺もジェメスのFFKに用があるからな」
「……ほんと?」
少女の声には期待が宿っていた。
「ああ。って言ってもついでだからな。悪いがそっから先は保障できない」
***
車の助手席に少女を乗せて、俺も運転席に座る。
俺の車は少し大きめの乗用車で、普段から移動だけでなく取引に使う荷物を運ぶのに使っている。今もトランクと後部座席には荷物が載せられている。後部座席の方はどちらかと言えば俺の私物がメインであるが。
「そう言えばお前、なんて名前だ?」
「ルル。ルル・ブレナー」
「そうか。俺はマイクだ」
そうやって名前を教え合ってから、俺は車を発進させた。
ルルが着ているシャツとズボンは、あの通りで適当に見繕ったものだ。着ていたシャツがあまりにもボロボロだったので安いものを買ったのだ。
別にここまで面倒を見てやる必要はないのだが、ついやってしまう。一人一人を助けたってキリが無いし、根本的な解決にはならないというのに。
今こうやってルルを乗せているのだって、そうすることによって得られる利点が目的なのか、それともただの人助けなのか、そのどちらに比重が傾いているのか自分でも分からない。
いや、そもそもルルを無事に送り届けたところで、それが彼女の助けになることはない。誰よりも、俺がそのことを知っている。メリット以外の理由があるとすれば、それは単に目の前の良心を満たしたいだけの自己満足だ。
「なあ、ルルって何時からFFKにいたんだ?」
町を出てからしばらくして、俺はルルに訊いた。
「生まれたときからだけど、でも何で?」
「いや別に」
俺は、ルルの親に憤りを感じていた。
彼らが反政府勢力として戦争に参加してどうなろうと、究極的にはそれは本人達の責任だ。けれども、ルルは違う。親がFFKだったという理由だけで、ルルは戦争に巻き込まれたのだ。その上、最後には死んでルルをほっぽり出している。戦争をするなら、彼らは子供なんて作るべきではなかったのだ。無責任というより、子供のことを何一つ考えていない。自由だの民主主義だの正義だの叫んでいるくせにこの有様だ。彼らの主張を頭に浮かべるだけで虫唾が走る。
俺は気を紛らわせるために、煙草に火を点けた。
当り前だが、そんなことを思っていてもこの場では口にしない。こんなのはルルのような子供に聞かせるような話ではない。
「すぅ」
という息遣いが聞こえ、俺は右に目をやった。
すると助手席で、ルルが寝息を立ててぐっすり眠っていた。
バークからマルマーユまでの道のりは、少女にとってはまさに生きるか死ぬかのサバイバルだったはずだ。そこらに生えている草木から食料を得て、木の根元で雨に打たれながら眠り、そして男に襲われる。そんな悲惨なんて表現では生温いような生活から抜け出して、ほっとして気が抜けたのだろう。
子供とは、本来こうあるべきだ。
ルルの安心しきった寝顔を見て、俺は改めてそう思った。
***
「十三時七分か」
マルマーユを発ってから三日後の昼、木々に挟まれた舗装されていない道で車を走らせながら、携帯電話で時刻を確認する。
FFKの拠点がジェメスの何処にあるのかを、ルルは知らなかった。なので、ジェメスに入ってから場所を細かく絞り込むのに結構な時間がかかってしまったのだ。もしルルが一人だったならば、間違いなくFFKの拠点に辿り着く前に野垂れ死んでいただろう。もっとも、正確な場所が分かっていたところで、到達できなかった可能性の方が圧倒的に高いが。
俺は行った先々で情報収集に情報収集を重ね、遂に有力な手掛かりを手に入れたのだ。
進行方向に、建物の群れが見えた。
「あれだな」
前を向いたまま、ルルに聞こえるように言い、拳銃が右手の届く範囲にあることを手探りで確認する。
あれがFFKの拠点だとするならば、それはすなわち、ここら一帯が武装組織の勢力圏内ということになる。最悪、警告なしで何処からか撃たれるということも十分にあり得るので、今まで以上に警戒を強める必要がある。
そして村の手前で、小銃を持った二人の男に車を止められた。OD色の戦闘服に弾帯という出で立ちで、どう見ても政府の検問ではない。
武器を持っているが、これだけでFFKの兵士だと決めつけることは出来ない。今やこの国には大量の武器が出回っている。治安が悪いので、一般市民が自衛のために銃を持っていても不思議ではないし、村が警備のために傭兵を雇っているということも考えられる。
「両手を見えるところに出せ。ここに何の用だ?」
一人が車の正面から銃を突きつけ、もう一人が左の窓から質問を浴びせてくる。
「ここにFFKが居ると聞いてな。用があって来た」
抵抗しても得はないので俺は両手をハンドルの上に掛け、視界の隅に銃口をこちらに向けている男を見ながら用意しておいた答えを言った。身体の力を出来るだけ抜き、相手に不信感を与えないように応対する。
「FFK? そんな連中、ここにはいない」
「本当か?」
「聞こえなかったのか? ここにFFKはいない。だいたい、FFKに一体何の用があるんだ?」
「商売に来たんだ?」
「……商売?」
威嚇するようだった口調が和らぎ、代わりに探りを入れるような口ぶりになった。
「ああ、そうだ。物を売りに来た」
「こんな子供を連れてか?」
男が俺の後ろ、すなわちルルを指差す。
「この子の親はFFKだ。政府軍に殺されたらしいが、死ぬ前にジェメスの仲間を頼れって言ったらしい」
すると二人は顔を見合わせてアイコンタクトを取った。そして車前の男が、もう一人に何かを促すように顎をしゃくった。
「何を売りに来たんだ?」
横の男が俺に視線を戻して訊いてくる。
「答える必要はない。俺はあんた達と取引しに来たんじゃないんだ」
「俺達がFFKだとしてもか?」
俺があしらうような言い方をすると、男は尻尾を見せてきた。
「ここにFFKはいないんじゃなかったのか?」
「あれは嘘だ。そう簡単に俺達の存在を知られるわけにはいかないからな」
「なるほど。持ってきたブツは医薬品だ。必要だろ?」
「確認する。荷物はトランクか?」
言いながら、男は車の後ろに回る。
「おい待て。それなら俺が――」
「お前はそこにいろ」
窓から顔だけ出して男を呼び止めたが、返って来たのは有無を言わせぬ命令だった。
「……そうかい」
俺は舌打ちしながら正面に向き直り、向けられている銃口をちらりと見た。
向こうが優位に立っている以上、こちらの要求が通らないのはある程度は仕方が無い。
トランクを物色される音を聞きながら右に目をやると、ルルは不安そうな表情で俺を見ていた。俺が交渉事をしているときは口出ししないように言っておいたので黙ったままでいるが、その心情は隠せていない。銃を突きつけられているのだから当り前ではあるが。
「そう心配するな。すぐに終わる」
顔を近づけてそう言い聞かせると、ルルはこくりと頷いた。
やがてトランクを閉める音が響き、男が戻ってきた。
「オーケー、荷物に問題はないようだな」
「くすねてないだろうな?」
「するかよ。ちょっと待ってろ」
男は左のポケットから携帯電話をとりだして操作すると、それを耳に当てた。
「ヴォルスです。…………いえ、我々と取引したいという男が来てます。…………いえ、女の子を一人連れてます。…………医薬品です、薬や包帯、確認しましたが問題ありません。…………はい……はい…………分かりました」
俺を村に入れていいか、上官に確認をとったのだろう。ヴォルスが通話を終えてから何分かすると、二人組の兵士がやって来た。
「ついて来い。案内してやる」
その二人に先導され、俺は車ごと村の中に入った。
***
一見すると、何処にでもあるようなごく普通の村だった。木で組まれた家と畑だけの景色は、まるで文明から取り残されているかのようだ。車両の類は建物の中に隠されているのだろうか、武装した反政府勢力が潜んでいるとはとても思えない。むしろ、銃を持っている二人が異端であるかのようだ。
だが、村人達から俺に発せられる、射抜くような目線を確かに感じる。明らかに、彼らは俺のことを警戒している。そして、銃口は今も俺に向けられたままだ。
連れて行かれた先は、村の中心部辺りにあると思われる大きめな二階建ての建物だった。
エンジンを切ってから車を降り、ルルと一緒に待っていた男からその場でボディチェックを受けて腰の拳銃を取り上げられる。そしてルルのことを男達に任せ、俺は兵士の後に続いて建物に入った。
中で俺を待ち構えていたのは、私服を着た三人の男だった。
「ワッドさん、連れてきました」
「ご苦労だったな。下がっていいぞ」
一番奥にいる三十から四十歳くらいの男が言うと、俺を此処まで案内してきた兵士は一礼して建物から出て行った。
「おれはイドリサ・ワッド、ここの指揮官だ」
「マイク・オーウェンだ。よろしく頼む」
俺達は歩み寄って握手を交わした。
「こちらこそな。それで話を始める前に訊いときたいんだが、どうやってここの場所を知った?」
「それは言えないな」
「どうしてだ?」
「こっちにも、信用とかいろいろあるんでな。そんなことより、さっさと話を始めないか」
「…………まあいいだろう。俺達に医薬品を売りに来たと聞いているが?」
ワッドは露骨に不満そうな態度を示したが、情報源についてそれ以上訊いてくることはなかった。
「ああ、外国から流れてきた高級品だ。他に医療品もいくつかある。見るか?」
「見せてくれ」
「荷物は車の中だ」
求めに応じるため、俺はワッドと共に車まで戻った。
建物の前に残っていたのは俺を此処まで連れてきた二人の兵士だけだった。腹立たしいことに、俺から銃を奪った男はそのまま居なくなってしまったのだ。ルルも親の知り合いを探しに行ったのか、もう姿は見えない。
車の後ろまで移動して俺がトランクを開けると、ワッドは品定めするように荷物の一つ一つを手に取っていった。
「ラベルが英語ってことは、イギリス辺りからの輸入品か?」
「俺はそう聞いてる」
ワッドの手元を注視しながら、検分が終わるまでその脇でじっと待つ。
「確かに、間違いないな」
結構な時間をかけて全ての品物を確認したワッドは、顔を上げて言った。
「気に入ったか?」
「それは値段に依るな。全部でいくらだ?」
「いや、俺が欲しいのは金じゃない」
「じゃあ何が欲しいんだ?」
「麻薬だ。あんた達、資金源として栽培してるんだろ?」
FFKが麻薬を栽培してそれを売って活動資金を稼いでいるというは、その手の事業に関わっている人間には結構知られている話だ。正義を謳っている連中が犯罪に手を染めているとは実に滑稽だ。
「…………麻薬か。どれくらい欲しい?」
「そうだな……」
俺は右手を顎に当てて考える素ぶりを見せてから、あらかじめ決めていた量を告げた。
「多いな」
俺の提示した量にワッドは難色を示した。
「そうは思わないな。俺がもってきたのは、あんたらが使ってる安物よりも効き目のあるやつばっかりだ。それくらいの価値はある。部下を死なせたくはないだろ?」
「分かった、それで良い。ただ、麻薬は今ここには無いんでね、届くまで待ってもらうし、ガソリン代はそっち持ちだ」
「問題ない。交渉成立だ」
商談は滞りなく終わった。
そして別れる直前、俺はワッドに頼みごとをした。
「あんたの部下が俺から取り上げた銃を返してくれ」
と。
***
翌日の昼過ぎ、暇を持て余していた俺は煙草を吸おうと車のボンネットに腰をかけた。しかし運が悪いことにライターのオイルが切れたのか、いくらフリント・ホイールを擦っても火は点かなかった。そんなわけで、完全にモチベーションを削がれた俺が火の点いていない煙草を咥えながらアホみたいにぼーっとしていると、マッチ箱を持った手が視界を遮る様に右から現れた。
「ほら、使えよ」
誰かと思って見れば、ワッドだった。
「いや、要らない」
俺はその手を押し退けた。
「ライターが切れてたんじゃないのか?」
「そうだけど、そこまでして吸いたいわけじゃない。後で補充するからいいさ」
そう言って、煙草を口から外して箱に戻す。
「そんな古そうなもの、なんで使い続けてるんだ?」
「あんたには関係のないことだ。それより、俺に何か用か?」
「別に。何をしているのかと思ってな」
ワッドは車のドアに凭れると、煙草を咥えてマッチで火を点けた。煙を吸い込み、そして吐き出す。
「指揮官ってのは暇なのか?」
「そんなことはないさ、やることはいくらでもある。政府を倒す方法を考えたりな」
「麻薬栽培もその一環ってわけか?」
「革命には金が必要だ。お前だって、俺達から手に入れた麻薬を売って金にするんだろ?」
俺は答える代りに鼻を鳴らした。
必要悪という言葉があるが、大義の為だろうと何だろうとそれが悪であることには変わりない。被害を受ける側からすれば、どんなバックグラウンドがあるなんて関係ないのだ。
そういえば、とワッドが切り出した。
「ルルって言ったか、一緒に連れてきたっていう女の子はどうした?」
「さあね。もう俺の知ることじゃない」
きっぱり言うと、ワッドは意外そうに訊いてきた。
「気にならないのか?」
「たまたま乗り合わせただけだ。心配するような仲じゃない」
そう言ったものの、本当は気になって仕方がなかった。けれども、だからこそ、考えないようにしているのだ。あれから一度も会っていないのだって、そうなる様に俺が逃げ回っていたからだ。
「ルルみたいに身寄りのない子供は、今まで何人も見てきた。戦争続きのお陰だな」
「そうだな。早く終わらせたいもんだ」
俺の皮肉に気付いたのかそうでないのか、ワッドはそんなふうに返してきた。
「話は変わるが、あんた、モンドラーネに会ったことあるか?」
「司令官のことか?」
「そうだ」
ジョアン・モンドラーネ、かつて自由カドリア集会の代表を務めた活動家で、今はFFKの司令官をやっている。反政府活動の象徴みたいな男で、要するにカドリア政府にとっての最大の敵だ。しかし、現在その居所は不明となっている。
「集会時代になら何度か話した事はある。戦争が本格化してからはないけどな」
「ってことは、あんたはFFKの初期メンバーってことか」
「そういうことになるな。集会には、十代の頃から出入りしてた」
「それ――」
それは随分と熱心だな、と言おうとしたが、遠くから聞こえた銃声が俺の言葉を中断させた。
反射的に身を屈めて車に張り付き、腰の拳銃を掴んで周囲を警戒する。
銃声は一発だけではなく、何度も何度も響き渡った。
すぐに男が慌てた様子で走ってきてワッドに状況を報告した。それによれば、政府軍の襲撃を受けているということらしい。ワッドは迎撃するように指示を出すと、俺が最初に連れていかれた建物に駆け込んでいった。おそらく、そこが司令部なのだろう。
俺も安全を確認してから車の陰から出ると、ワッドの後を追って建物に入った。
「あいつら、いきなり撃ってきやがった。パトロールじゃない、俺達を狙って来たんだ」
「此処がバレたって言うのか? どうして?」
中では、男達が言い合いながら武器の準備をしていた。
「お前が政府に教えたのか」
突然、その内の一人が俺の胸に拳銃の先端を押しつけてきた。
「どうしてそうなる?」
壁際まで追い詰められた俺は銃のスライドを右手で掴んだ。
「お前が来た次の日にこれだ。そう考えるのが普通だろ」
「いいか落ちつけ。俺でさえ此処に辿りつけたんだ。政府の連中が見つけられないわけないだろ。俺はただの商売人だ、政府とは関係ない」
右手を曲げて、拳銃の射線を俺から強引に逸らす。
「やめろラルフ。証拠があるわけでもないし、マイクの言う通りだ。それに、今はそんなことで揉めてる場合じゃないだろ」
「…………くっ」
ワッドに窘められ、男は悔しそうに引き下がった。それと入れ替わりに、
「ほらマイク」
ワッドがFFK御用達の小銃を俺に渡してきた。
「俺も戦えってか?」
「それはお前の自由だ。けど、此処にいるんならお前も撃たれるぞ」
「……そうだな」
こういった武器はあまり持ちたくなかったが、いい反論も思いつかなかったので、俺は拳銃を腰に戻して小銃を受け取った。
こんなやり取りをしている間にも、銃声や怒声、叫び声は確実に近付いてきていた。音の方向からして、政府軍は多方面からFFKの退路を断ちながら攻撃しているのだろう。俺が想定していた以上の制圧スピードだ。
「ここで迎え撃つ。構えろ」
ワッドの号令で、彼の部下たちは銃口を扉に向けて敵の侵入に備えた。一方で俺は、一番奥に立っているワッドのさらに一歩後ろまで下がって腰を低くして、その瞬間に備える。
扉の向こうに人の集まる気配がした。
そして、扉が勢いよく開かれる。と同時に、俺は銃を捨ててワッドを床に押し倒した。
こういう場合、銃を持っていればほぼ確実に撃たれる。持っていなくても、立っていれば敵と認識されて撃たれる可能性が高い。撃たれたくなければ、地面に伏せて彼らにとって脅威でないことを示さなければならない。もっとも、向こうが「立っている奴は敵だ。伏せている奴はよく訓練された敵だ」とばかりに弾をばら撒いてくればその限りではないが、それはもう彼らを信じるしかない。
頭上で銃弾が飛び交い、FFKの兵士達が倒れてく。
俺がワッドを巻き込んだのは、彼を死なせるわけにはいかなかったからだ。しかし当の本人は身体と言葉で抗議してくるので、俺はワッドが馬鹿な真似をしないように押さえつけながら、部屋が政府軍に制圧されたのをざっくりと確認して、
「撃つな、味方だ。コード・C3A・AR」
と声を張り上げた。すると、ワッドの抵抗が止んだ。
「射撃中止、味方だ」
先頭の兵士が後続に伝えた。
FFKとは違いカドリア軍の兵士達は、緑を基調とした迷彩服にヘルメットとボディアーマー、そして軍で制式採用されている小銃という武装で統一されている。
「レイツ中尉で?」
班長と思われる軍曹が銃を下して訊いてきた。
「そうだ。こいつがここの指揮官だ、殺すなよ」
ワッドの背中に膝を一発決めてから立ちあがって部屋を見回すと、まだ息のあるFFKの兵士がいた。それに気付いた軍曹が銃を構え直したが、俺はそれを制して、拳銃でそいつの頭を打ち抜いた。
「怪我はされてませんか?」
「ああ、大丈夫だ。それより軍曹、ちょっと個人的なことで頼みたいことがあるんだが」
「なんです?」
「この村に、ルルっていうこれくらいの女の子が村にいるはずなんだが」
掌を下にした左手をルルの頭の高さにまで持ち上げて、彼女の身長を再現する。
「その子がどうなったか調べてくれないか」
「分かりました」
軍曹はすぐに、俺が言ったのと同じ内容の指示を部下の一人に出した。
「くそっ、お前、政府の犬だったのか」
カドリア兵によって両手を後ろで縛られたワッドが吠えてきた。
「そういうこった。後で知ってることを全部話すんだな」
「覚えてろ。いつかお前らに正義の裁きが……」
ガツン、という殴打音が目の前でした。気がつくと、俺はワッドの胸倉を掴んで壁に叩きつけていた。
「あんたらが正義だと?」
「そうだ。お前らのような権力――」
ワッドのこめかみを拳銃のグリップの底で殴りつけて黙らせる。
後ろで兵士達が何か言ったが、耳を貸す気など全く起きない。
「ふざけるな。FFKのせいでこの国がどうなったと思ってる」
怒鳴りつけ、もう一度殴る。
「治安は悪化して、地方は犯罪の温床だ。貧困だって広がってる。全部、あんたらが起こした戦争が原因だ。暴動を止めようとした人間を殺して、好き勝手暴れ回って、国民の生活を壊して、これがあんたらの正義か? あんたらはな、自由の戦士を演じてる自分に酔ってるだけなんだよ」
何度も何度も殴り続ける。歯止めなどきかなかった。
「何処だ? モンドラーネは何処にいる?」
顔にキスしてしまいそうなくらいの距離で叫ぶ。しかし返事はなかったので、ワッドの顔面をさらに殴った。
「答えろ、奴は何処にいる?」
殴る。
「言え」
腕を振り上げると、今度は手首を誰かに掴まれた。
「何だ」
邪魔された俺は、そいつを殴り飛ばさんとばかりに荒々しく振りかえる。
「落ちつけ中尉」
その覇気のこもった声によって、俺は現実に引き戻された。冷静さを取り戻して俺を止めてきた男を見ると、その男は大尉の階級章をつけていた。
「よく見ろ、もう死んでる」
言われて顔の向きを反対側に戻すと、ワッドは顔を傷だらけにしてぐったりとしていた。
俺が殺したのは明白だ。
途端、強烈な自己嫌悪に襲われた。もちろん、ワッドを殺したことにではない。情報を吐かせるはずだったのに、感情に任せて殺してしまい、なおかつ言われるまでワッドが死んでいることに気付かなかったからだ。
死体となったワッドを突き飛ばすと、俺はその反動で尻餅をついた。
「全く、何してんだ。貴重な情報源を殺すなんて」
「すいません、つい」
機械的に謝罪する。
「今度からは気をつけろよ。それで、お前が探してたルルって子なんだが、どうやら死んだみたいだ」
そんな大尉からの知らせは、聞こえていたが頭には届かなかった。
***
西日が差し込む車の中、父の形見であるライターを使って煙草に火を点ける。
父がFFK、いや、自由カドリア集会の暴徒に殺されてから十三年が過ぎた。あの日、陸軍の男達が父の死を知らせに来た時のことを、動かなくなった父を見た時のことを、その時感じた言いようのない喪失感を、今でも鮮明に覚えている。あまりにも唐突で理不尽な現実に、俺はただ流されるだけだった。
あの日は父以外にも、警察側と集会側の双方に死者が何人か出たらしい。集会はメンバーが警官に殺されたことを取り上げて、暴力に屈しないだのなんだの叫びながら政府を批判していたが、彼らだって俺の父を殺したのだ。けれども、彼らはそんなことは無かったかのように振舞いながら行動をどんどん過激化させ、国を荒らしていった。民主主義というお題目のもとで、大義名分の為ならどんなことも許されるとばかりに。
確かに、彼らの言う通り、この国では国民の声が政府に届くことはほとんどない。けれども内戦が始まる前は、売春宿が少女を平然と誘拐するような国ではなかった。
俺にとってFFKは、ただの破壊者でしかなかった。
父と同じ陸軍人になることに迷いはなかった。むしろそれ以外の選択肢は存在すらせず、列車がレールの上を走る様に、軍人としての道を歩んできた。
もし父が強盗だのなんだのに殺されて、俺の父親として死んでいたならば俺は軍隊には入らなかっただろう。けれどもあの日の父は、間違いなく軍人として死んでいった。暴徒から民衆を守ろうとして、命を落としたのだ。
結局、俺はあの日から父の死を引きずったままなのだ。今もなお使い続けているライターがいい証拠だ。身体が無駄に大きくなっただけで、中身はちっとも変っていない。
限界まで吸った煙草を窓の外に投げ捨てた。
この煙草も、父の真似みたいなものだ。父はいまだに、俺のいろいろなところに住みついている。成仏してくれそうな気配はちっともない。
何時の間にか、夕日は沈みきって辺りはすっかり暗くなっていた。
と、助手席のシートの上で携帯電話が鳴った。
面倒くさいと思いながらも、無視するわけにはいかないので手にとってディスプレイを確認すると、表示されている発信元の電話番号は国防省のものだった。
新しい命令か何かだろう。そして俺は、それに従うだけだ。
きっとこれから先も、俺は過去から抜け出せないまま、淡々と命令に従って生きて行くのだろう。
だけど、それも悪くない。
俺は通話ボタンを押して、電話を耳に当てた。
戦争ものです。といっても戦争らしいことはほとんどしていませんが。
今回は、一人称視点で主人公の素性を隠しながら物語を進める、ということに挑戦してみました。途中で伏線もいくつか撒いておいたのですがいかがだったでしょうか?
内容的には読んでいただいた通りですが、だからどうこうと政治主張するつもりはありません。あくまで、人間というのは物事を一方面からしか見られないんじゃないかな、という思いで書きました。
今後の参考にしたいので、よければ感想を書いてください。




