春の日に
彼女からメールの返事が返ってきて以来、僕は彼女とたまにメールする様になり、次第に意識するようになっていった。
が…大学に上がってから2年間、彼女とは何にもなかった。
そんな彼女から久しぶりにメールがきた。
『お花見しに行かない…?』
辺りには桜が咲き誇る春休みも終わりの頃。僕は彼女に呼び出されるがままに、待ち合わせ場所に向かった。
『来るの早いねー!』
僕も早く着くように行ったのだが、向かった先に彼女は既に待っていた。彼女は2年間で、随分と大人びたように見えた。ただ、僕が変わってないだけだったのかも知れないが…。
『早く行きたいって体が言うこと利かなくて…ね?』
彼女は照れくさそうに言った。この時の彼女の顔を見た僕は、どこかホッとした。
「変わってないんだなぁ…」っと。
『いこっか♪』
僕は彼女を連れ、花見会場へと向かった。春風が、サクラの香りを仄かに感じさせる気持ちのよい会場。そこには、昼間から騒いでる社会人でいっぱいだった。
着いた先は、可愛らしいシートの前。どうやら、彼女が場所をとっといてくれたらしい。(本来なら男の僕がやるべきだった事だ…)僕らはそこで寝転び、桜を見上げ……春を感じた。
なんて穏やかな気持ちにさせてくれるのだろう……。こんな気持ちは久しぶりだった。それが、春か彼女のせいだったかは分からないけど…。
じばらくして、僕は彼女に話掛けた。
『気持ちいいねー…。今日は誘ってくれてありがとね!なんか嬉しかったよ。』
・・・・・・
『ん…?』
振り返ると、彼女は眠っているようだった。僕は思わず彼女の寝顔を見入ってしまった。
しばらく見ていると、彼女は寝言を言いだした。それはとても小さな声で、今にも消えてしまいそうだった…
『あたし……ゆ…じ君好きだっ…の…。付き…ってくれ…せんか…?』
ちょっと名前の部分が聞こえなかったが、僕の名前だろうか…。そう考えると、目の前で告白された事になる。とても照れくさかったが…彼女が眠っているから…と、僕も小さくこう答えた。
『ありがとう。僕も…好きだよ』
すると間もなく…
『え…マジで!?』
と返された。僕はかなり焦ってこう言い返した。
『ホントだよ…!?』
が……冷静に考えてみると言葉遣い、声質ともに彼女のそれとは違っている事に気付いた。彼女は僕の傍らで顔をうずめて寝ている。どうやら、隣の女性が言ったらしい…。昔から変わっていないのは、どうやら僕も一緒らしい…。
しかし、これを機にもう1つ気付いた事があった。彼女への自分の気持ちに……




