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第2ボタン  作者: BJC
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置き手紙

『優にパパとママの昔の話をしてあげよう』




『うん!お話聞いてあげるね(笑)』




と言ってから僕はまだ幼い優には話すのが早すぎる気がした…。しかし優の反応も気になったので話す事にした。




優には分かりやすく手短に話してやったが、詳しくはこんな感じである。




僕の高校の卒業式に事は起きた。(というよりは妻が起こしたのだが…)


その日は春の日差しがとても心地よくもし授業があったなら確実に睡眠学習をしている様な良い天気だった。天気のせいもあったかも知れないが僕は卒業式という大事な日に寝坊をしてしまった。卒業式に出席する母までも揃って9時まで寝ていたのだ。




僕はとにかく急いで学校へと向かった。外はいつもの時間なら同じ学校の生徒が一杯歩いている通りだったがこの時間は普通の人すら一人も見当たらなかった。その事が僕を余計に焦らせた。幸い家から学校まで15分位の距離だったので10時からの式にはなんとか間に合いそうだった。




やっと校門に着き正面を見ると誰かは分からなかったが、たった今校内に入っていく一人の女子生徒を目にした。僕は何だがホッとし校内へとゆっくり歩いていった。




下駄箱まで着き靴を履き替えようとした時に僕は靴の中に何か入っているのに気付いた。見てみると手紙だった。他の皆は教室にいるはずなのでその場で読んでみる事にした。




『裕司くんにお話があります。卒業式が終わったら体育館裏で待ってますね♪』




手紙には名前は書かれておらずにこう書かれてあった。僕の手は震えて手紙を落としそうになった。なぜなら女の子からこういう手紙を貰うのは初めてでビックリして動揺したからである。


僕は決してモテるタイプではなく女の子とも恥ずかしがって自分から話掛けるという事が全くなかった。僕は高校3年にまでなっても女の子に関心がなかった……。まぁこれは嘘になるが…少なくとも関心がないフリをしていたのだ。




『そんな僕に一体誰が…?なぜ…?』


僕はこう思った。


『いや待てよ…。案外普通の話かもしれない…。っていうかもしかしたら誰かの悪戯かも知れないじゃん!』




僕は去年のバレンタインデーの日に友達に悪戯で手紙付きのチョコで騙さた事が一回だけあったのだ。そんな事があり僕は直ぐ様友達の悪戯かも知れない…という結論に辿り付いたのだった。


けどもし本物だとしたら手紙出してくれた子が可哀想だと思ったのでとりあえず教室に入った時の友達の反応を探ってみることに決め手紙を内ポケットにしまい教室へと向かった。

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