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魔王の目は甘酸っぱい 魔王の独り言

作者: 月花 珊瑚
掲載日:2026/09/22

 魔王は今日も一人で考える……と自分の存在意義を考える俺はおかしいと言われる


「俺は、もしかしてもういらないんじゃないか……もうしばらく人間や勇者は来ていない」

そもそも、勇者どもが割に合わないと仕事を放棄しているらしい


そしてそれに怒った王が勇者を殺そうとしたが逆に殺してしまったらしいと風のうわさで聞いた

さながらその顔は魔王のような形相だったらしい


まぁとにかく、魔王がもう必要なくなったのは言うまでもない


だって、魔王はとにかく早くこの退屈な毎日から抜け出したいがそのために戦争を起こすのは

配下の者たちにも家族がいるからだ……そんな可哀そうなことはできないだろう

町娘でもいいから話し相手に聞いてくれないだろうか……

とにかく退屈で死にそうだ

いやもう人間であったのは遠い昔の話だが……それでもひどく懐かしく感じるときがある


あぁ、退屈だ


「おぎゃあ、おぎゃあ」とこの退屈な毎日にはありえない声がしている

ついに幻聴が聞こえるようになったのだろうか

白い布にくるまれている赤ん坊がちゃんといるムニムニとしている

赤ん坊の温かさがぬのを通して感じる

そこに確かにいる……そんな温かさだった


どうしたものか、これを配下に見せたら「確実に柔らかくておいしい肉ですよ」と言われ食べられそうに

なるのは明らかだ

そもそもこんなところに置いていくなんて……そんな魔王より恐ろしいことを考えるなんて

とりあえず、持ち帰ってきたがこれをどうしたらいいのだろうか


そもそも俺が魔王になったのも、断れずになっただけでどうせ死ぬだろうと捨て駒に使われ

名ばかりの魔王だったから、今の状態に思惑が外れて、困っていることだろう

とにかく勇者に見つかったらどうなることか

「バッブゥ」と言っている赤ん坊の髪を恐る恐る撫でる


「これからどうしたらいいんだ」とにかく魔法をかけ角をはやすことにした

これでしばらくはばれないだろう


そしてきれいな姿に成長した娘を、極悪非道な勇者から果たして守りきれるのか


とまぁ、何もしない退屈な毎日よりも刺激的な世界が待っていた


断れない魔王は今日も、自問自答している 「あぁ、俺はどうしたら」と今日も考える


美しく育った娘にあなたの目は甘酸っぱい色をしていると言われるのはまだまだ先のことだった


「この娘が欲しい」という勇者に「娘はやらんぞ」と魔王らしくいう

こんな年増の男にはやらん……絶対に





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