[道祖神第十五部.調査]不愉快なんよお前。
相変わらずボロっちい施設。
こんなもんやろうか。支障はない。
まだ捜査どころか騒ぎにもなってないやろ。
僕はいつも通りのことをすればええだけや。アリバイならある。
視認されたら成立するんよ。
コッコッコッ…。
警備員さん、お疲れさまです。
「おぉ、ゼンジさんか。今日も遅くまでケンちゃんの探し物を?」
ですです。
「見つかった?」
いえ、それがまだでして……もしかすると、葬式までに間に合わないかも…。明日…なんですよ。
「それは残念だね…何かあ、手伝えることがあれば言ってな。」
ええ、ありがとうございます……本当に…。あっすみません、トイレお借りできますか…?
「あっうん。トイレならそこの突き当たりだよ。」
分かりました。ありがとうございます!
カッカッカッ…。
そう言った僕は便所に走り込んで空いた小窓から顔を出す。
ガチャッガチャッ、ゴトッ…。
これでええか。てか臭いキツすぎやわ。掃除されてなさすぎやろ。僕は作業を進める。もう1週間くらいは立つなぁ。ってことは明日が葬式で良かったんよな。3日もこんなボロ棟に通ってムダな時間費やしすぎたわ。セキュリティまで本当にボロッボロやな。令和の時代にアナログすぎやろ。防犯カメラは工作と障害物で楽に死角を取れる。そもそも数が少ない。大事なもんの前にあるみたいやけどアホすぎやろ。そんなんドロボーにここだけ見張ってますんでどーぞ裏から通ってくださいと言ってるも同然やん。配置も雑なら警備員も杜撰か。
ガサガサッ…バッ…ゴソゴソゴソ…。
着替えるだけで変わるもんやな。
スリッパから履き替えた作業靴の安っぽいシートが足裏に吸い付く。湿気で足音が死ぬんは唯一の利点よな。
ズッ…。ズッ……。
…ジメジメしたコンクリートの感触。足元に転がる吸い殻や、誰が捨てたかもわからないペットボトル。キモ、飲みかけやん…。あぁ…本当に、管理がなってない。
トッ、トッ、ト…。
腕時計を確認する。この時間でこの感じ、警備員やな。
うざいなぁ…さっさと消えてくれんかな。いつもボリボリ頭掻きむしりやがって。
不愉快なんよお前。
スーッ、トットッ…。
行こうか。
ズッ…ズッ…。
なんでこんな…、あれもこれもアイツのせいや…。
アイツ、説教みたいな…何なん。
まるで先生や。
…箱の中身、知っとったな。
ツーー。ズッ…ズッ…。




