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[道祖神第十一部.石]なんや、これもただの石やん

あの事件…か。

あっ、そうやん。アイツ、勘違いして死んだんや。こんなん笑うしかないやろ。ケンとスズにはホントのこと言ってないはずや…。

えと…なんやっけ。

確か、僕が自治会長に逆らってそいつは許してくれた。

でも両親が許さんかったから、平手打ちくらって投げ飛ばされた。そのときに位置が悪くて脆かった庚申塔の上側が壊れてしまって…両親は隠すようにいったんやったっけ…。で、僕はそれが大人社会の圧だと思って自治会長に復讐心むき出しにして、イタズラした…ちゅう話やった…気がするな。


そんなん、ほぼ嘘っぱちやん。


僕は、あのとき…探検でみつけたあの庚申塔に感動してうっかり身体ごと倒れてしまった。

そしたら、備えられた器に足かけて…壊したんやっけ。しかも、ムカついて近くに落ちてた石ころを何度もぶん投げた。だから表面が欠けてしもうた。

で、気づいたんよ。


なんや、これもただの石やんって。


それからというもの、偉ぶってるやっちゃはみんな見下せるようになったんやったな。自治会長に逆らったときも…怒りを抑えたアイツを舐めてたんや。周囲の雰囲気が悪くなっても必死で威厳をみせようとする。見栄を張る。やから、自治会長の大切なペットのピーちゃんもバレんように解き放ってやった。

あの顔ときたら…おもろかったなぁ。


ザッザッ…。

まぁ、こんなもんでええやろ。

パッパッパッ…。

手が汚れてもうたわ。はよ洗わんとばっちいよってババアに言われそうやな。

ほんとはそげなことどうでもええけど。

うん、こいつはこれでいい。

お似合いやん。

これじゃあ何だったんかすらわからんよな。

似合ってるよ。

ん、僅かな茂みから赤い頭巾の村人ともう1人、歩いていくなぁ。

ピョピョッ

チチチ

「うんあすず3回。」


なんや?…


ススッ。

「…どうも、」

ガサッ。

ジャッジャッ

ススッ

パキッ、ダッダッダッ…

今の声はスズやな。

なんで僕は逃げたんやろ。こんなん怪しむに決まってるやん。

ま、ええか。そんときはそんときや。僕は今めちゃくちゃ気持ちええんよ。

今月最大の達成感や。ケンのときより…ってそういや、なんで教授はあの事件知ってたんやろ。

えと、ケンかスズが言った可能性が高いんやっけ。

うーん…アカンな。気持ち悪くなってモヤモヤしとる…。

ちゃんと調べようか。

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