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てんけん

作者: イル
掲載日:2026/01/24

 四つ。それが今日集める数だった。

 地面は柔らかく、か細い指でも容易に掘り起こすことができる。出てきたのは白いニンニクのようなもの。だが、食べるものではない。

 少女はそれを引き抜くと、土を払って袋に入れた。袋の中には既に同じものが二つ入っていた。


「あといくつ?」


 少女は静かに問い掛けた。


「ひとつ」


 もう一人の少女が静かに答え、手に持っていたそれを袋へ入れる。


「そろったよ」


「それじゃあ行こう」


 二人の少女は一つの袋を一緒に持ち、いつもの場所へと向かった。

 その壁には、一つだけドアがあり、鍵は掛かっていない。ドアの先には、何もなかった。

 少女たちは空虚な部屋に入る。それから部屋の中央へ向かうと、袋から集めたものを取り出し、慣れた手付きで並べていった。

 すると、部屋の中に影が一つ増えた。

 影が部屋の中央へ移動すると、並べられたものが一つ消える。くちゃくちゃという音が鳴り、それが止むと、また一つ消える。

 並べられたものの数だけ同じことが起こり、全てなくなると影も姿を消した。

 黙って見ていた少女たちは袋を持ち、再び外へと向かう。


「つぎはいくつ?」


「みっつ」


 そうして少女たちは土を掘る。

 ニンニクもどき。硬くて細い骨のようなもの。赤い球根。

 出てくるものはいつも同じ。だけどいつも違った。


 掘り出し、袋に入れ、部屋に並べる。

 掘り出し、袋に入れ、部屋に並べる。

 掘り出し、袋に入れ、部屋に並べる――


 繰り返すうち、身体は重くなっていった。

 それでも少女たちは繰り返す。

 そして――何もない部屋の中央で、二人は倒れた。

 起き上がろうとしても、起き上がれない。

 すると、いつも通りに影が増え――少女が一人、消えた。


「――あ」


 いつも通りに音が鳴り、いつも通りに音が止む。

 いつも通りに音が鳴り、いつも通りに音が止む。


 そのうち影も姿を消した。

 こうして、部屋には何もなくなった。


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