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【連載版】不運が続く俺の元に座敷わらしが嫁候補として居座っているのだが  作者: 藤原 柚月


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3/10

早く……【里桜視点】


 もうそろそろ春が過ぎようとしていた。


 遅いかも知れませんが、同居生活にも慣れてきました。


 うつしよでの生活は思っていたよりも大変で忠告してくれたお姉さんの言葉が今なら何となくわかった気がします。


 私が()()()()()()()()()()していた所はかくりよと呼ばれている所。


 あの世とこの世の狭間と言えばいいのでしょうか。


 妖怪の座敷わらしとしてかくりよで生まれ、そこで知り合った雪女のお姉さんにお世話になっていました。


 色々と人間の事を教えてくださいました。


 例えば、人間はなんでも食べるのだと。人間の男はチョロいから嫁候補を名乗るとコロッと落ちるのだとか(※雪女の偏見です)


 それってつまり、人間は雑食だからこそ好き嫌いせずになんでも食べれる。

 男の人はお嫁さんを迎え入れたくても出来ない場合があり、そんな中嫁候補だと名乗り上げると喜ぶのだと理解しました。それは、透和様が幸せになるということですよね。


 透和様が幸せならば私も幸せです。


 うつしよに行く時は、猛反対されたのですけどね。それでも私はどうしても行かなければならなかったのです。


 透和様に会う為に。


 でも、私の事を思い出してくれませんが。私が言うのは簡単ですけど、透和様に思い出してほしいのです。


 そう思いながらもお傍にいるのですが、やはり寂しいものは寂しくて、夜な夜な透和様の布団に潜り込んだり(布団は別々)、お風呂も一緒に入ろうとしたらつまみ出されたりしましたが……。


 それでも一緒にいるだけで幸せで楽しくて、私は改めて透和様が大好きなんだと再確認出来ました。


 透和様の帰りを大人しく待ち(居候しているから家事やろうとしたら透和様に怒られる為)、けれどお疲れのようだから簡単な料理(泥団子)を出すのですが、何故か透和様はむせてから「気持ちは有難いけど、料理は俺が作るから心配するな」と優しく頭を撫でて下さるのです。


ヨーグルトが何から作られるのか、教わりましたが、料理も食べてもらいたいのです。


でも、不思議ですよね。私は料理(泥団子)を食べても普通なのに、透和様は何故か眉間に皺を寄せるのです。


人間はなんでも食べるって教わったのに……(※雪女の偏見です)


美味しくないってことなんでしょうか……。ちょっとショックですが、言葉を選んでくださる透和様にキュンっとしました。


 もう、好きです。それになんといってもお優しい。


 ホント、()()()と何も変わらなくて……。


 はっ!!? いけない。


 私は考えた事を否定するように首を左右に振って気持ちを切り替えようとした。


 が、グラッと視界が歪んで壁に手を当てて全身を支える。


「……待って、もう少しだけ」


 ーーお願いだから、頑張って。私の身体。


 私は、座敷わらしという妖怪になってまだ日は浅い。本当ならばうつしよには行ってはいけないのです。


 最低でも百年はかくりよに居なくては、身体に負担がかかり体調を崩し、最悪妖怪としての死を迎える。


 その事もあり、うつしよに行くことを反対されたのです。


 でも私は、透和様が全てなのです。


 百年だなんて、そんなに待ってたら透和様が居ないじゃないですか。


 魂は別の身体に宿り転生するみたいですが、そんなのは透和様であって透和様じゃない。


 私は今の透和様が好き。大好きなのです。


 ()()()()()()()()()()()()()訳じゃない。


 私はとわ様と一緒の時間を過ごしたい。隣にいたい。前世みたいに優しい声で名前を呼んでほしい。ただそれだけなんです。


「う……はぁ……」


 私は立ってられなくて座り込む。目がかすみ、頭がボーッとする。それに寒気もあり、身震いする。


 そのまま眠るように倒れてしまった。








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― 新着の感想 ―
おぉ~この連載版きましたか(^^) 前作はコミカル風味強めでしたけど今作はシリアス風味が強い感じ? 読んでゆきます(^ω^)o
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