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異世界ぬいぐるみおじさん  作者: フジコ


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第28話 商会組合

「はい、これ」


 帰り際にネイネイは1通の封筒を手渡してくれた。


「商会組合の組合長さん宛に紹介状ねぃ。ネイネイちゃんの知り合いだから、話はすぐに通るよ」

「ありがとう、ネイネイ」

「頑張ってねぃ。修行は厳しいと思うけど、シロちゃんなら大丈夫さ」


 ネイネイに見送られ工房に戻ると、ルルとホワが心配そうに待っていた。


「シロ、どうだった?」

「ああ。今から商会組合に話を聞きに行ってくるよ」

「商会組合?」

「ああ。商売のことで少し相談したいことがあってな」


 俺はできるだけ明るく答えた。

 詳しいことはまだ言えない。二人を心配させたくない。


「分かった。気をつけてね」

「ホワワ」

「すぐ戻るからな」


 工房には顔だけを出して、俺はすぐに商会組合に向かった。


 商会組合は、商店街の中心部にあった。

 石造りの立派な建物。入口には「商会組合事務所」と書かれた看板が掲げられている。


「ここか……」


 深呼吸をして中に入る。

 受付には若い男性が座っていた。


「すみません。組合長さんにお会いしたいのですが」

「ご予約は?」

「ネイネイからの紹介状を預かっております」

「ネイネイ様からの! 少々お待ちください」


 俺が封筒を見せると、男性の顔色がサッと変わり奥へ駆けていった。

 おお……ネイネイってやっぱりすごい奴なんだな。

 しばらくして、初老の男性が現れた。


「私が組合長のジョヌです。いやいや、ネイネイ様からのご紹介とは」


 60歳くらいだろうか。白髪交じりの髪、穏やかな表情。県庁にいた時の会計課の部長に似ているなと思った。


「シロと申します。この度は……」

「まあまあ、立ち話もなんですから。こちらへどうぞ」


 ジョヌ組合長に案内されて、応接室に通される。ありがたいことだ。


「さてさて、どのようなご用件で?」


 ジョヌ組合長が紹介状を開く。目を通すうち、だんだんと組合長の表情が変わっていった。


「これは……ゴールディ商会に……」

「はい」


 俺は今までの経緯を簡単に話した。


「大変でしたね」


 ジョヌ組合長が同情的に頷く。


「ゴールディ商会さんは、組合には入っていないんですよ」

「そうなんですか?」

「ええ。大商会ですから組合に入る必要がないんでしょう。独自のルートで商売をしています」

「そういうことですか……」

「それで、修行をしたいと?」

「はい」


 俺は拳を握りしめた。


「確かに悔しいですが、俺たちの完敗です」


 認めたくないが、事実だ。


「俺は商売のことを、もっともっと勉強しなきゃならない。じゃないと、このまま終わってしまう」

「……」


 ジョヌ組合長は黙って俺の話を聞いてくれている。


「どうか、お願いします。商売を教えてください」


 俺は深く頭を下げた。

 しばらくの沈黙の後、組合長が口を開いた。


「その熱意、確かに受け取りました」

「ありがとうございます!」

「ただ、修行となると、受け入れてくれる店を探さないといけませんね」


 組合長が立ち上がる。


「ちょうど今日、グリさんが来ているんですよ」

「グリさん……?」

「ええ。組合でも一、二を争う商売上手です。その方に、話を聞いてみましょう」


 組合長が扉に手をかける。


「来てください」


 俺は立ち上がり、組合長の後を追った。


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