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雛霧の書  作者: 雛霧
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ムチョウ


遥か遥か高い空 少女が楽しそうに遊んでいた

三日月の上にのりこんで ブランコのように漕いでいる

どこまでも続く闇の中 光がゆぅらり動いてる


時間が流れることも忘れて

夢中で月を漕いでいる


しかし少女はふと思う

降りるにはどうしたらいいのだろう

少女の足元は深い闇

地面がどこか分からない


月の光は闇を照らさず

少女は怖くて降りられない


どれくらいの距離があるのだろう

足を伸ばせば届くのだろうか

足を出したら落ちるのだろうか


分からなくって 悲しくなった


少女が涙を拭こうとした時

くらりと月が傾いた

しがみつくことも間に合わず

闇の中へと振り落された




地面はとても近かった

目をつむる間もないほどに

滑り落ちたその瞬間に 少女の足は付いていた


少女は周りを見回した

周りはまだまだ暗かったけど

今度はそっと一歩を出した

そこにはちゃんと 地面があった


少女はもう 恐れなかった

恐れずしっかり 歩いて行った



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