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雛霧の書  作者: 雛霧
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カイホウ


扉のない部屋の中

窓から外を見上げてみる


空は真っ黒な雲ばっかりで

僕の視界は塗りつぶされる


夜になったらもっと暗くて

星の光さえ入らない


僕はどうしてここにいるの

僕はどうして出られないの


考えては泣き

泣いては考え


僕が僕を閉じ込めたのだと知った


外はとっても淋しくて

そしてとっても怖かったから


僕はここに逃げてきた

全てのものを自分で捨てて


そしてそこで手に入れたのは

別の種類の淋しさだった



だから今

僕は窓に手をかける


扉はなくしてしまったから

鍵を開け窓を押し開ける


開けた途端

冷たい風が入ってきた


部屋の空気が一変した


硝子(ガラス)越しでなく見上げた空は

たくさんの星で輝いていた


部屋の中が明るくなった



朝になって窓を見ると

硝子も何もなくなっていた


四角い穴になっていた


穴から外へ出てみると

青い空が広がっていた



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