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カイコン
暗い
どこまでも続く闇の中に
僕は独り立ち尽くす
何も見えない
何も聞こえない
手を伸ばしても何もなく
足を動かしても何にも当たらない
怖い
淋しい
どうしたら
光はどこに
“本当に何も見えないの”
本当に?
周りは黒一色で
僕の他には何も
否
見えるものが一つだけ
それは
それは僕の姿
僕自身が光ってる
気づけば音も聞こえてくる
小さいけれど確かに続く僕の鼓動
ここには僕がいる
僕の存在がある
光が闇を破り
音は静寂を破る
それならば
僕もこの世界を破れるはずだ