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雛霧の書  作者: 雛霧
42/49

ショウヘイ

僕は君に手を伸ばす

君も僕に手を伸ばす


間には薄く透明な壁


触れても君には届かない

君も僕には届かない


間には薄く硬い壁


力をかけても決して壊れず

物音一つ通さない


僕は静かに手を下ろす



それが僕の選んだ生き方


誰にも触れさせない代償として

誰にも触れることができず


嫌な声を聞かない代償として

僕の声は届かない


それは僕の選んだ生き方



さあ

君はその手をどうするの


その先は僕の生き方ではなく

僕が決めることでもない



君は、どんな生き方をする?



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