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雛霧の書  作者: 雛霧
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34/49

シンジョウ

太陽をかいてと言われた僕は


赤い色鉛筆に手を伸ばす


つかむ寸前に手をひいて


僕はじっと画用紙を見た



月をかいてと言われた僕は


黄色の色鉛筆に手を伸ばす


持ち上げたところで元に戻して


僕はじっと空を見た



太陽は赤く


月は黄色い


多くの人がそう言うけれど


それが普通と言うけれど


それはみんなの見え方じゃない


一人ひとりが違うのだから


いろんな色があっていいはず


なのに僕に書いてと言った君は


“普通”の色を待っている



お願いだから押し付けないで


僕には僕の見え方がある


それが僕の宝物


太陽は白く


月は青い


それが僕の見え方であり


それが僕の普通だから



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