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雛霧の書  作者: 雛霧
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ソウク

君のことが ぼくは嫌いだ

君はぼくを 裏切ったから

君がぼくを 裏切ったから


「いつもそばにいる」と 言ったのに

ぼくに「離れるな」と 言ったのに

『離れた』のは 君だった


君のことが 大嫌いだ

いつもいつも ぼくに優しくて

いつもいつも ぼくのこと守って

いつもいつも ぼくを怒って

いつもいつも ぼくのために泣いて


いつもいつも ぼくに笑ってくれて


それなのに



ぼくは君なんか 大嫌いだ

君がぼくに 優しさを教えて

ぼくに 信頼を教えて

怒りを教えて 涙を教えて


笑顔を 教えて

ぼくが知らなかった 不要(いら)ないものを 教えて


ぼくのそばから 離れてしまったから

ぼくの前から 消えてしまったから



死んで(シンデ) しまった(シマッタ)から



ぼくは君が 大嫌いだ

君がぼくを 裏切ったから


でも

それと同じくらい



ぼくは今も 君が大好きなんだ



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