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ジウ
ぱらぱらと雨粒が
開いた傘で音を立てた
長くその音を聞いてると
他の音は聞こえなくなる
すべての音が雨に消され
やがては何も聞こえなくなる
少しそれが怖くなって
傘を閉じて雨に打たれた
雨は意外に温かく
僕の体をリズムよくうつ
僕に聞こえる音が増えた
一つは雨が僕をたたく音
一つは雨が地面をたたく音
そしてさらにもう一つの音
雨が傘をたたく音
いろんな音に囲まれながら
僕は濡れたまま帰路に就く
少し冷たいこともあるけど
とても陽気で楽しいから