13/49
ヨウフク
ある日
洋服を買いに外へ出た
赤青黄色や緑など
色鮮やかな洋服たち
たくさん買った洋服を
しまおうとして箪笥を開ける
そこに入っていた服は
同じような 鮮やかな色
それを見て
僕は他の色を探してみる
黒や白やこげ茶色
それらの色を探してみる
引き出しのすみにそれらはあった
ほとんどの服が部屋用だった
『君はとっても明るくて一緒にいると楽しいよ』
言ってくれたのは友達だった
けれど僕は
色鮮やかな服を着て
“僕”を隠していただけだった
次の日僕は外へ出た
再び服を買うために
鮮やかな色の服ではなく
黒や白の服を買うために
誰にも気づかれないかもしれない
それでもいい
僕は
僕の好きな色の“僕”を着る