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雛霧の書  作者: 雛霧
12/49

シュウミン

深く深く

奥底へ

体が下へと沈んでいく


ただ仰向けに寝ころんだまま

まどろみながら落ちてゆく


いつまで沈み続けるのか


ぼんやりと

考えたところで目が覚めた


目は覚めた

はずだったのに


体はそのまま沈み続けた

行き着くところも分からずに


のろのろと沈んでいって

浮きあがれない


もう既に目は覚めているから

途中では決して止まらない



ようやくのことで体が止まる

奥底に体が横たわる


明るい世界はずっと上で

二度とそこには戻れない



暗い底から光を見上げて

諦めて眠りに就いた


ゆらゆらたゆたう奥底で

永久(とわ)に覚めない眠りに就いた



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