表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雛霧の書  作者: 雛霧
1/49

コウエイ

 手を さしのべてくれてありがとう

 光を さしてくれてありがとう


 でも僕は また

 闇の中に 戻ろうと思う

 淋しいけれど 穏やかな 僕の場所へ


 僕は ずっと闇の中にいるんだと 思ってた

 何も 僕のもとには入ってこないんだと 思ってた


 でも 君が来てくれた

 世界が 明るくなった


 光の中は まぶしくて

 闇に慣れた目は 開かなかった

 君が僕の手を引いてくれて 僕の名前を呼んでくれたけど

 僕は そこから動けなかった


 そして

 僕の後ろには また闇が広がっていた

 

 光が強ければ強いほど 闇も同時に強くなる

 手を伸ばそうとすればするほど 闇は同時に深くなる

 それは知っていたはずだった


 だから


 君が来てくれて 嬉しかったけど

 僕は 僕のあるべき場所に戻る

 

 淋しいけれど穏やかな あの闇の中へ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ