タイトル未定2025/06/27 23:36
5話 キリュウ登場
シェルが夏バテの中、猛スピードでシェルに斬りかかる男が現れた。
レンとコキアが刀で止めに入る。
キイィン!!
レン「っ!!」
コキア「!」
レン「何ですあなたは」
シェル「!キリュウ!」
レン「え、隊長知り合いなんですか?」
キリュウ「あんたらなかなかいい腕だな」
キリュウは刀を鞘に収めた。
キリュウ「はぁ・・・相変わらず暑さに弱いみたいだな、同じ半妖とは思えねぇな」
シェル「冬場布団にくるまって出てこねーお前に言われたくねーよ」
キリュウ「何故それを知ってる」
メリサ「えーと、お二人さんは?」
シェル「キリュウは俺の友達だ!」
キリュウ「俺はお前と友達になった覚えはねぇ」
レン「と、申しておりますが?」
シェル「えー、でも俺はキリュウの事好きだぜ?」
シェルは一点の曇りもない目でジーっとキリュウを見つめる。
キリュウ「勝手に言ってろ」
シェル「うん!✨」
メリサ「何か大丈夫みたいだね」
レン「ええ」
フローナ「敵じゃなくて良かった・・・」
コキア"この人強い"
〜仲間とはぐれて(キリュウ)〜
キリュウ「仲間とはぐれて不安だろうがあいつは必ず迎えに来る、心配すんな」
フローナ"あ、この人、優しい人だ"
フローナ「ありがとうございます・・・キリュウさんって優しいんですね」
キリュウ「優しくした覚えはない、お前に何かあったらあいつが喚き散らすだろ、そうなったら面倒だからな」
フローナ「キリュウさんってシェルのこと好きなんですね」
キリュウ「何でそうなる」
フローナ「だって困ったところ見たくないってそういうことじゃないですか」
キリュウ「別にそういうのじゃねぇ」
フローナ「あ」
その時、甘味処の看板が目に入った。
キリュウ「何だ、それ食いたいのか?」
フローナはコクンとうなずく。
キリュウ「入るか」
フローナ「え、いいんですか?」
キリュウ「ああ」
キリュウ"ま、泣かれるよりはいいか"
フローナはあんみつとお茶を注文。キリュウはお茶だけを注文した。
フローナ「キリュウさんは食べないんですか?」
キリュウ「あぁ、甘いもんは苦手だ」
フローナ「そうなんだ・・・」
キリュウ"それにしても美味そーに食うなぁ・・・
なんか餌付けしてるみたいな気分だ"
キリュウもお茶を飲む。
キリュウ"つか、何まったりしてんだ俺は!?
こいつが無害だからって気抜き過ぎてた
すっかりこいつのペースになってんじゃねーか!"
フローナ「どうしたんですか?」
キリュウ「いや・・・つーか敬語やめやめ!名前も呼び捨てでいい」
フローナ「でも・・・」
キリュウ「俺がいいって言ってんだからいいの」
フローナ「分かった、じゃキリュウ君ね」
キリュウ"ま、さんよりはマシか"
お会計。
フローナ「え、お勘定」
キリュウ「いーよそんなん気にしなくて」
フローナ「ありがと・・・ごちそうさま」
キリュウ「ああ」
そして夜になった。
フローナ「あ!夜景!」
キリュウ「・・・見に行くか」
フローナはコクコクと頷く。
キリュウ"こりゃーあいつらに会うまではしばらく子守みたいなもんだな"
フローナ「キリュウ君!凄い綺麗だね!」
キリュウ「んー?あぁ、まあそうだな」
キリュウ"俺の側で無邪気な笑顔を見せたのはあいつとお前だけだ"
その後、無事に仲間たちと合流した。
メリサ「フローナちゃん!大丈夫だったかい!?」
フローナ「はい、キリュウ君がそばにいてくれたので」
メリサ「フローナちゃんに変なことしてないだろうね?」
キリュウ「するかよ、俺はちびすけの子守りしてただけだ」
フローナ「ちょっと?ちびすけって誰のこと?」
キリュウ「お前以外に誰がいるんだ」
フローナ「私の名前はフローナよ!」
キリュウ「ちびすけだろ」
フローナ「むぅ」
シェル「へぇ、随分仲良くなったんだな」
キリュウ「どこがそう見えるんだ」
シェル「まぁとにかく、ありがとな、フローナを守ってくれて」
キリュウ「別に礼言われるほどのことはしてねーよ」
シェル「行くのか?」
キリュウ「ああ」
フローナ「キリュウ君!色々とありがとう!」
キリュウは背を向けたまま手のひらだけひらひらさせながら歩いて行った。
〜キリュウの過去〜
キリュウ。
俺は生まれてすぐに捨てられた。
そしてすぐに拾われた。
拾った女の名はミネと言う老婆だった。
歳は58。この時代では珍しく長生きだったがあと2年も持たないだろうと互いになんとなく理解していた。
だが、俺が物事を理解し始めた二歳の頃、家に戻るとミネは死んでいた。
半妖の俺を庇った事で村人達に殺されたんだ。
俺はその場にいた村人全員皆殺しにした。
そいつらを許せなかった。そして何より自分自身を。
それからは自分より強そうな奴に喧嘩を挑んでは戦い続ける日々を送っていた。
戦いだけが俺の生きる目的だった。
あの日、お前に会うまでは・・・。
〜皆んなでスケート〜
皆んなでスケートに来た時の話。
シェル「うわ!!」
スケートをしていたシェルは転んで盛大に尻もちをついてしまった。
キリュウ「何やってんだ、へったくそだな」
シェル「いたた・・てか、何でキリュウはそんなに上手く滑れるんだ?相変わらず器用だよなお前は」
キリュウ「ん」
キリュウはぶっきらぼうに手を差し出す。
シェル「!さんきゅ」
シェルはキリュウの手をグッと掴んで立ち上がる。
キリュウ「いいか、ここをこうやってみ」
シェル「お、おう」
メリサ「へー、キリュウ君って意外と面倒見いいんだね」
レン「意外ですね」
フローナ「ふふ」
キリュウ「そ、力そんな入れなくていいから・・・ほらできたろ?お前元々運動神経いいんだから慣れりゃすぐできるんだよ」
シェル「ほんとだ!キリュウ!見て見て!できた!」
キリュウ「・・・ま、俺の教え方が上手いおかげだな」
シェル「うん、キリュウのおかげだよ!ありがとな!!」(めちゃくちゃ嬉しそ〜)
キリュウ「っ・・・それは良かったな」
フローナ「キリュウ君って何気シェルの事大好きですよね」(ヒソヒソ)
メリサ「ね」(ヒソヒソ)
キリュウ「聞こえてんぞ」
〜おやつの時間〜
シェル「レン!おやつの時間にしようぜ!」
レン「えぇ、今クッキー焼いてます」
キリュウ「おやつって・・・お前らって戦う時以外いつもこんなな訳?」
シェル「ああ、だいたいこんな感じだぞ、
けどおやつの時間作ったのはフローナが来てからだな」
キリュウ「へーやっぱちびすけはちびすけなんだな」
フローナ「む、それどーゆー意味?」
キリュウ「そのまんまの意味だ」
レン「焼けましたよ」
フローナ「わーい!レンさんありがとー!」
キリュウ「やっぱちびすけだな」
フローナ「だってレンさんのクッキー美味しいんだもん!」
キリュウ「はいはい笑」
レン「そう言って頂けると嬉しいです」
フローナはレンに満面の笑みで返す。
メリサ「は〜いい匂い、キリュウ君は食べないのかい?」
キリュウ「甘いもの苦手なんだ」
メリサ「そりゃ残念だね」
フローナ「ん〜美味しー!」
キリュウ「はぁ・・・こんなんじゃ気が抜ける」
シェル「抜いちゃえ抜いちゃえ」
キリュウ「ったく相変わらずヘラヘラしやがって」
レン「キリュウさん、甘くない無糖のココアクッキーありますが食べます?」
キリュウ「ああ、ぱくっ、ん、美味いな」
レン「俺も甘いもの苦手で自分の分はこうやって砂糖を使わずに作ってるんですよ」
キリュウ「てことはこれ自分の分なんじゃないのか?」
レン「いいんですよ、今日はいつもより多めに焼きましたから」
キリュウ「そうか、ならありがたく頂く」
シェル「フローナ、なーにニヤニヤしてんの」
フローナ「え?ううん、なんかほのぼのするなって」
シェル「あー確かにそうだな」
ほのぼの〜。
キリュウ"さすがに気抜きすぎだろこいつら・・・"
〜ライバル(キリュウ)〜
昔の俺はとにかく好戦的で戦いの中でしか生きれないような奴だった。
戦う事でしか自分の存在を証明出来なかった。
シェルに会った時、一目見てこいつしかいねぇと思った。
キリュウ「おい、お前、俺と戦え」
シェル「え、何で?俺お前と戦う理由なくね?」
キリュウ"こいつののほほんとした態度が気に食わなかった"
キリュウ「甘ぇこと言ってんじゃねえ!戦わねーなら殺す!!俺が勝ったらお前の命はもらう、お前が勝ったら後は好きにしろ」
シェル「!いいぜ」
キリュウ「いくぜ!!」
しばらく戦った後、キリュウが負けた。
キリュウ"負けた"
キリュウ「殺せ」
シェル「えーやだよ」
キリュウ「!?」
シェル「だって俺お前の命なんか欲しくねーもん、
だからさ、またやろうぜ!」
キリュウ「!」
シェル「じゃーなー!あ、俺が勝ったんだから勝手に死ぬなよー!また戦いに来いよなー!」
シェルがひらひらと手を振った。
キリュウ「くそっ・・・何なんだよあいつ・・」
キリュウは手で顔を抑えた。
続編。
「死ね!!」
シェルと別れた後、今までにないほど強い敵に出会した。
キリュウ"俺、お前以外のやつにやられるんだな"
キリュウはシェルの顔を思い出していた。
相手の刀がキリュウに届く前にシェルが受け止める。
偶然近くにいたらしい。
キリュウ「!」
シェル「なーに勝手に死のうとしてんだよ」
キリュウ「っ・・・」
シェル「おい、選手交代だ」
「貴様も半妖だな、いいだろう相手になろう」
キリュウとの戦いで弱っていた敵はシェルの手によって倒された。
キリュウ「何で助けに来た」
シェル「え、だってお前俺の友達だもん、助けに来んの当たり前だろ?」
キリュウ「はあ?俺はお前を殺そうとしたんだぞ?
何が友達だよ、ざけんな」
シェル「後は好きにしろって言ったじゃん」
キリュウ「・・・っ」
シェル「まさか約束破るなんてことしねーよなぁ?」
キリュウ「てめぇ・・・ちっ、勝手にしろ」
シェル「ニカッ」
キリュウ"こいつといると調子狂う"
シェル「俺はシェル、お前名前は?」
キリュウ「キリュウだ」
〜前世はきっと(キリュウ)〜
ちょっとした作業に取り掛かろうとした時のこと。
メリサ「いいじゃん、キリュウ君にもやらせれば」
キリュウ「はー?何で俺がそんな七面倒くさい事しなきゃならんのだ」
シェル「なー頼むよキリュウ、俺お前がいないと困るよ」
キリュウ「・・・で、何すんの」
メリサ「何だいあれ」
レン「キリュウさんって隊長には従順なんですねぇ」
フローナ「キリュウ君ってシェルがお願いしたら何でもやってくれそう」
レン「確かに・・・」
フローナ「前世はきっと主人と犬だね」
メリサ「それ、どっちが主人で犬だい?」
メリサ&フローナ&レン&コキア「・・・」(想像)
メリサ「ぶはっ、どっちも違和感ない!」
フローナ「ほんとほんと笑」
キリュウ"あいつら・・・好き勝手言いやがって"
〜たこ焼きで〜
シェル「なぁなぁ、キリュウ!修行の相手になってくれよ!」
キリュウ「嫌だと言ってるだろ」
レン「あ、キリュウさん、夕飯たこ焼き食べ放題ですよ」
キリュウ「ピクっ(耳反応)、今日のところはたこ焼きに免じて付き合ってやる」(たこ焼き大好き)
シェル「やったー!!」
メリサ「最近レン君、キリュウ君の扱い方上手くなってきたよね」
レン「キラン(メガネ光る)」
〜キリュウは誘拐犯?〜
キリュウとフローナが街中を歩いていた時のこと。
警察官A「おい、そこのお前!」
キリュウ「?」
警察官A「お前だな、か弱い女性を誘拐した犯人は!」
警察官B「もう逃げられないぞ!」
警察官A「君、我々が来たからもう大丈夫だぞ!」警察官二人がフローナを保護しようと近付く。
フローナ「違いますよ刑事さん!この人は犯人じゃありません!」
しかし、フローナは両手を広げてキリュウの前に立った。
警察官A「可哀想に・・この男に脅されてそう言わされているんだな・・・」
警察官B「こんないたいけな少女に・・なんて奴だ!」
フローナ「だから、違うって言ってるでしょ!」
フローナは警察官Aの胸ぐらを掴んだ。
警察官A「うわ!?な、何をするんだ君!」
しかし、キリュウがすぐにフローナの首根っこ(服の部分)を掴み・・・。
キリュウ「おいおい、ちびすけが警官に殴りかかってどうすんだ」
フローナ「離してよ、私がこの二人ぶっ飛ばしてやるんだからー!」
フローナは掴まれたまま警察官に飛びかかろうとするがキリュウに引き戻されてしまう。
警察官A「な、なんかこの子、誘拐された訳じゃ無さそうだぞ・・・?って言うかこの男よりこの子の方が怖い
・・」
警察官B「あ、ああ・・・どうやら違うらしい
君、この子とはどういう関係なんだ?」
キリュウ「俺は、まぁ・・・こいつの保護者役みたいなもんだ」
フローナはキリュウに掴まれたままジタバタと暴れている。
警察官A「そうか、何だかよく分からないが、君は誘拐犯じゃないらしいな、誤解して悪かった」
警察官B「俺からも謝ろう」
警察官二人はキリュウに頭を下げた。
キリュウ「いや、半妖には凶悪な奴も沢山いる
半妖がいるって聞いて過敏になるあんたらの気持ちも分かる
俺の方こそ、騒ぎにさせてすまなかった
目当てのものを買ったらすぐにこの街を出るから安心してくれ」
警察官A「おま、お前・・・いい奴だな・・」
警察官B「何かあったら俺達が力になるからな!いつでも頼ってくれ!」
キリュウ「あ、ああ・・・それはどうも」
警官が戻っていった後・・・。
フローナ「キリュウ君、私、もう大丈夫だから下ろして」
キリュウ「ん?ああ・・・」
キリュウは首根っこを掴んで持ち上げたままフローナの顔を見た。
キリュウ「ぶくくっ」
フローナ「ちょっとちょっとー、何で笑うのよ」
キリュウ「いや、子猫がフーフー威嚇してるみたいだなと思ってな」
キリュウはそっとフローナを下ろした。
フローナ「もう・・服伸びちゃった・・・」
キリュウ「ちびすけが警察官二人を相手に殴りかかろうとするからだろ
全く、自分のことを悪く言われた訳じゃないんだからあんなに怒ることないだろう
ちびすけらしくもない」
フローナ「だからムカつくんじゃん!キリュウ君の事何にも知らないのに悪く言ってさ!」
キリュウ「!」
フローナ「あー!今思い出しただけでも腹が立つ〜!
キー!!」
フローナは右腕を上げてブンブンと振り回した。
シェル「フローナはさ、ちょっと変わってる奴だけど一緒にいたらキリュウにもきっと良さが分かると思うよ、仲間に対しては絶対的な味方でいてくれる優しい奴だからさ」
キリュウは未だにプンプンしているフローナを見るとフッと笑った。
キリュウ「なるほどな」
フローナ「何がなるほどなの?」
キリュウ「さーな」
フローナ「え〜教えてよー」
キリュウ「嫌だ」
ミネ"キリュウ、あんたの為に怒ってくれる人が現れたら大事にしな
その人はキリュウにとっても私にとっても大事な人だからね"
ミネの過去の言葉を思い出すとキリュウはフローナが警官2人に怒っていた時のことも思い出した。
フローナ「大体、キリュウ君は優し過ぎるんだよ、もっと怒ったっていいんだからね!キリュウ君?私の話聞いてる?」
キリュウ「ああ、聞いてる・・・フッ」
キリュウはフローナを見ると目を細めた。
フローナ「なーに?」
キリュウ「いや、何でもない」
キョトンとしているフローナを見た後、キリュウは空を見上げた。
キリュウ"見つけたよミネ、俺にとっての大事な人・・・"
ミネ"大丈夫、その人はキリュウの世界で一番の味方になってくれるからさ"
フローナ「あー!なんっか怒ったら甘いもの食べたくなってきた!ケーキ食べたい〜!」
キリュウ「んじゃ、食いに行くか」
フローナ「え、いいの?」
キリュウ「騒いだのちびすけだろ」
フローナ「いや、まぁそうなんだけどさ」
カフェにて。
フローナはミルクティーにいちごタルト、キリュウはコーヒーを注文した。
フローナがいちごタルトを食べている途中、口元にタルト生地が付いているのに気付く。
手を伸ばして取ろうと一瞬思案した後、自分の口元を人差し指でトントンと叩く。
キリュウ「ちびすけ、付いてる」
フローナ「あ、ほんとだ、ありがとう!」
フローナはお手拭きで軽く口元を拭くとにぱっと笑ってお礼を言った。
その後も黙々といちごタルトを食べ進める。
キリュウ「それにしても美味そうに食うなぁ」
フローナ「だって美味しいもん」
キリュウは一口コーヒーを飲むと円形のカフェテーブルに置いた。
その時ふと思う。
キリュウ「・・・俺もあいつみたいに甘いものが好きだったらちびすけはもっと楽しめてたんだろうな」
フローナ「うん?今もキリュウ君といて楽しいよ??」
キリュウ「お前な・・・」
キリュウ"俺はこれからもちびすけやあののほほん族に振り回される人生なんだろうな、
ま、それも悪くねぇかもな"
〜キリュウとハヤテ〜
〜小さな出会い〜
キリュウ"はー・・腹減ったな、また森に行って食料調達するか"
キリュウは空腹から街中の公園の木の下で大の字になっていた。
すぐ近くに森がある。
ハヤテ「お兄ちゃん、お腹空いてるの?僕のたい焼きあげる!」
話しかけてきたのは小さな男の子だ。
キリュウ「・・・お前、俺が怖くないのか?」
ハヤテ「怖くないよ!はい!これあげる!」
ハヤテが持っている袋の中にはホカホカのたい焼きが二つ入っている。
その中のひとつをキリュウに差し出しているのだ。
キリュウ「それ、お前のだろ?」
ハヤテ「うん、僕とママの分、でも、お兄ちゃんの方がお腹空いてそうだから僕の分あげる、
あとで先に食べちゃったって言うから大丈夫」
キリュウ"こいつ、飛んだお人好しだな"
キリュウ「俺は森の中で食い物を見つけてくるからいい」
ハヤテ「えー、だったら余計にお腹空いてたら危ないよ!」
キリュウ「はぁ・・・分かった」
キリュウ"参ったな、甘いもんは苦手なんだが・・・
ん、これなら食べれる甘さだな"
食べ終わった後。
キリュウ「おいガキ」
ハヤテ「僕の名前はガキじゃないよ、ハヤテだよ」
キリュウ「そうか、ハヤテ美味かった、礼を言う」
ハヤテはお礼を言われたのが嬉しいのかニコニコしている。
キリュウ"あいつに似てる"
ハヤテ「お兄ちゃんの名前は?」
キリュウ「キリュウだ」
〜火事現場〜
キリュウも近くにいた為、匂いで炎の中にハヤテがいる事に気付いた。
ハヤテはアパートの4階の窓の近くに立っている。
母「ハヤテ!!」
母親らしき人が中に入って行こうとするのを他の人達が止めている状態だ。
ハヤテ「ままぁ!熱いよぉ!」
母「ハヤテ!!」
キリュウ「おい、あんた、ハヤテの母親か?」
母「え、ええ、あのあなたは?」
キリュウ「今はそんな事どうだっていい」
キリュウは脚に血液を集中させて一気に4階の窓までたどり着いた。
タンタンタンッ!!
ハヤテ「うわぁんお兄ちゃん!!」
キリュウ「もう大丈夫だ、心配すんな」
ハヤテ「うん」
キリュウはハヤテを抱いたまま4階から飛び降りた。
すぐに腕から下ろすと母親の元へ駆けてく。
ハヤテ「ママぁ!!」
母「ハヤテ!!良かった、無事で!ありがとうございます!ありがとうございます!」
キリュウ「俺は借りを返しに来ただけだ」
ハヤテ「ありがとうお兄ちゃん!!」
キリュウ「あぁ」
母「ねぇ、借りって何のこと?」
ハヤテ「僕とお兄ちゃんとのひみつー!」
母「あらあら」
ハヤテ「お兄ちゃーん!また今度遊びにきてねー!」
キリュウは手をひらひらとさせながら歩いて行った。
ハヤテ「僕、またお兄ちゃんに会いたいな!」
母「ふふふ、また会えるわよきっと」
〜再会〜
隣町に来たハヤテと母親は妖怪に虐げられていた。
母「ハヤテ!早く逃げなさい!」
ハヤテ「やだ!ママは僕が守るんだ!」
「死ねガキ!!」
キンッ!!
キリュウの刀が敵の攻撃を防御する。
ハヤテ「!!・・・お兄ちゃん!」
キリュウ「怪我ねーか?」
ハヤテ「僕はないけどママが!」
母親の腕から血が出ている。
キリュウ「・・・傷は深く無さそうだな、下がってろ」
ハヤテ「わ、分かった!お兄ちゃん死なないでね!」
キリュウ「安心しろ、俺はこんなクズにやられたりしねーよ」
「クズだとぉ!?貴様ぁふざけやがって!」
キリュウ「こんな小さいガキ相手に剣振り回す奴なんかクズだろーが
やるんなら自分と互角かそれ以上にしろよ」
「それはお前の都合だろぉ!?俺は弱い奴を痛ぶるのが好きなんだよ!」
キリュウ「救いようのないクズだな」
「うるせぇ!!」
キリュウ"感情に任せた攻撃、隙だらけだな"
ザンッ。
「ぐああ・・・」
一瞬だった。
キリュウ「あんた、血は?」
母「止まりました」
キリュウ「そうか、だが念の為病院に行って診てもらえ」
母「は、はい・・・」
ハヤテ「お兄ちゃん!ありがとう!ママを助けてくれて・・・ひっく、ひっく・・・」
母「もうハヤテはほんとに泣き虫さんね」
キリュウ「いや、ハヤテは強い、こんな小さな体で母親を守ったんだからな、勇敢だった」
ハヤテ「!ありがとうお兄ちゃん!」
母「でも、良かったわねハヤテ、お兄ちゃんにもう一度会えて」
キリュウ「?何の話だ?」
母「この子、お兄ちゃんに会いたいってずっと言ってたんですよ」
キリュウ「そ、そうか・・・」
母"あら?ひょっとして照れてる・・・?"
ハヤテ「ママ、病院行くよ」
そう言ってハヤテは母親の背中をぐいぐいと押す。
ハヤテも照れているらしい。
母「あらあら、お兄ちゃんとお話ししなくていいの?」
ハヤテ「いーの・・・でもお兄ちゃん、次会った時はいっぱいお話ししようね!」
キリュウ「頼むから次会う時は妖怪に捕まらないでくれよ」
ハヤテ「うん、気を付ける!お兄ちゃんじゃーねー!」
ハヤテが母親の背を押しながら顔だけキリュウに振り返るとブンブンと片腕を振る。
キリュウは小さく手を振り返した。
〜キリュウとソード〜
雨の中を歩いていると一匹の子犬が箱に入っていた。
かなり弱っているようだ。
キリュウ「なんだ、お前も捨てらちまったのか?」
子犬「クゥン・・・」
キリュウ"僅かだが妖気を感じる、見た目も普通の子犬とは違うしおそらくそれが原因で捨てられたんだろうな"
キリュウ「何も悪いことしてないのにな」
一瞬悲しそうな表情をしたキリュウに子犬は弱々しくもキリュウの手をペロペロと舐めた。
キリュウ「何だ、俺を慰めてんのか?」
キリュウ"こんな小さな体で、こんなに弱ってんのに俺の心配してんのかこいつは・・・"
キリュウは子犬を抱き抱えて歩き出した。
キリュウは洞窟に入り、捕まえてきた動物の肉を焼くと短剣で小さく切った。
それを葉っぱの上に乗せて子犬の前に出した。
すると子犬は肉を少しずつ食べ始めた。
キリュウ"体もやせ細っててかなり衰弱してるし体温も冷たい
食ったら温めてやらねーとな"
キリュウはご飯を食べた子犬を足の上に乗せて温めた。
キリュウ「いつまでもおいって呼ぶのもあれだな」
その言葉を聞くと子犬はキリュウの剣に興味を持ったのか近付いて匂いを嗅いでいる。
キリュウ「フッ、名前決まったな」
子犬の名前は"ソード"。
雨が上がり、日が登り始めた。
敵と遭遇。かなりの強敵だ。
膝をついたキリュウの前にソードが立って威嚇した。
ソード「ワンワンワン!!」
キリュウ「ばか!何してる、早く逃げろ!!」
「フン、子犬か、邪魔だどけ!」
敵がソードに刀を振り下ろす。
キリュウ「くっ!!」
キンッ!!
キリュウは何とか相手の刀を受け止めた。
「貴様半妖だろう!たかが子犬を何故構う!
そんな何の役にも立たない子犬を」
キリュウ「てめーには関係のない話だ」
と、その時。
ゴロゴロ。
ピシャ!!!
二人めがけて雷が落ちる。
「運の悪い奴らだ・・・なに!?」
煙の中から現れたソードは体が大きくなっていた。
体から電気が放出されている。
キリュウ「ソード、お前、雷獣だったのか・・・」
ソード「わんわん!」
「雷獣か・・・貴様も髪の色が変わっている、雷属性だったか」
キリュウ「らしいな」
「属性は生まれつき使えるパターン、途中から使えるパターン、属性を持つ奴が隣にいて覚醒するパターンの三つだ、お前はどうやらそれに当たるらしい」
キリュウ「俺にとってソードがその相手だったらしい」
「面白い、覚醒したお前たちと俺、どちらが勝つか勝負するとしよう」
キリュウ「負ける気がしないがな」
「ほざけ!!」
敵を倒しソードがキリュウの周りを駆け回っている。
ソード「わん!わん!」
キリュウ「ありがとな、助かったよ」
その言葉を聞いたソードが走るのを止めて座る。
キリュウが撫でると心地良さそうにしている。
キリュウ「しっかし、この電気まさかずっとこのままじゃねーだろーな」
ソード「わん!」
キリュウ「ん?」
ソードが短く鳴いた後、元の小さな体に戻った。
するとキリュウの髪の色が金色から赤色に戻る。
キリュウ「へぇ、こりゃ便利だな」
ソードが小さくなるとキリュウは肩の上に乗せて歩き出した。
〜キリュウの想い〜
街を歩いていると一人の老婆が視界に入った。
男に絡まれ、付けていたネックレスを奪われていた。
「婆さんいいもん付けてんじゃねーか」
男は老婆からネックレスをひったくる。
勢いで鎖が切れてしまう。
老婆「それだけは!返しとくれ!」
男に飛びかかるも殴られそうになる。
「このババア!!・・!?」
老婆がぎゅっと目をつむる。
しかし、衝撃が来ず、老婆が不思議に思っていると背後から男の腕をキリュウが掴んでいた。
キリュウ「おい、無抵抗の女を殴るな」
老婆「!」
「はぁ!?このババアが女?笑わせん・・いだだ!悪かった!俺が悪かったよ!!」
キリュウ「いいから奪ったネックレス返せ」
「ほら!返すよ!!」
老婆「怖い顔のお兄さん、ありがとうね」
キリュウ「ああ」
老婆「このネックレスはお爺さんからもらったものでね、本当にありがとう」
警官「こらー!君ー!」
その時、警官が血相を変えて走って来た。
どうやらキリュウが老婆からカツアゲしたと思っているらしい。
しかし老婆がすぐに説明をして警官に説教をした。
警官「す、すみません・・・」
老婆「あんたも言い返さなきゃダメじゃないか」
キリュウ「半妖の俺が本当のことを言ったところで信じちゃもらえねーよ」
老婆「何言ってんだい、言わなかったら誰にもあんたの声は届かないだろう?」
キリュウ「!」
キリュウ"俺はこの人にそう言われてミネに昔言われた言葉を思い出した"
ミネ「キリュウ、あんたは自分の気持ちをもっと素直に出していいんだよ
あんたは何も我慢する必要ないんだから」
キリュウ「俺は我慢なんて・・・」
ミネ「なーに、今すぐにじゃなくたっていいんだ
いつかあんたの心を開いてくれる子が現れるさ」
キリュウ「そんな奴現れないよ」
ミネ「いやいや、私の感は結構当たるんだよ・・・
ねぇキリュウ、もしこの先そんな子が現れたら、100%のうちの1%くらいはその子に本音を伝えてあげな」
キリュウ"そうだ、俺はあの時、ミネに返事をしなかった"
老婆「なあに大丈夫、必ず誰かに届くさ、私もそのうちの1人だしね」
キリュウ「・・・」
シェル「おーいキリュウ〜!」
フローナ「キリュウ君〜!」
老婆はキリュウの表情が緩んだのを確認すると。
老婆「あの子達、あんたの仲間かい?」
キリュウ「・・・ああ、大事な仲間だ」
老婆「ふふふ、じゃあ私は行くわね、本当にありがとう」
キリュウ「ああ」
シェル「珍しいな、お前が人助けなんて」
キリュウ「似てたんだよ」
シェル「うん?」
キリュウ「昔、俺を育ててくれた人に」
シェル"・・・キリュウが素直に言うなんて珍しいな"
シェル「そっか、良かったな」
シェル「ああ」
その日の夜。
シェル「なぁ、キリュウは俺の事嫌いか?」
キリュウ「嫌いじゃない」
シェル「そっか」
キリュウ"嫌いじゃない、そう言っただけで何でそんな嬉しそうなんだこいつは・・・"
"お前とまた会うまでの間、どこか物足りなかった、
街でお前の匂いがした時、気付けば探していた、
仲間と話してる姿を見た瞬間、子どもが宝箱を開ける時のような高揚感を覚えた、
そんな経験一度だってないのに"
シェル「俺キリュウに嫌われてんのかな」
フローナ「違うんじゃないかな
キリュウ君、シェルを本気で拒絶してないし
きっとキリュウ君、シェルに会いたかったんだと思う
じゃなきゃ街で見かけたって無視するよ
不器用だから素直に気持ちを表現できないんだよ」
シェル「そっか、そうだよな!うん、ありがと」
ところ変わって。
フローナ「ねぇ、本当はキリュウ君はシェルにずっと会いたかったんじゃない?」
キリュウ「!・・・そうかもな」
フローナ"あれ、意外、そんなわけないだろって怒るかと思ったのに"
フローナ「キリュウ君、変わったね、最初の頃だったら言い返してたのに」
キリュウ「ああ、そうだな、変わったのかもな
・・・俺はあいつに会ってからずっと物足りなさを感じてた
その事にようやく気付いたよ」
フローナ「キリュウ君、それを寂しかったって言うんだよ」
キリュウはフローナに図星を刺されて不貞腐れたのか
フローナの頬を軽く引っ張った。
フローナ「きりゅくん、なにふんのよ」
キリュウ「ちびすけのくせに生意気だぞ」
〜シェルvsキリュウ〜
シェルが力の制御ができず暴れた時の事だった。
キリュウ「ったく何やってんだよバカ」
シェルがキリュウに掴み掛かる。
ガッ!!
キリュウ「ぐぅ・・・おもしれぇ、俺も全力で行くぜ!」
キリュウ"あの時、俺は確かに不調だった、
負けた言い訳にしたくはなかったが・・・"
シェル「キリュウ、全力じゃなかったろ?
俺らが本気で闘ったらたぶん互角だもん」
・・・・・。
フローナ「お願いキリュウ君、シェルを助けて!
正気に戻った時に、仲間を自分が殺したなんて悲し過ぎるよ」
キリュウ「自分が殺されそうになってんのにあいつの心配かよ・・・ったくどいつもこいつも・・・」
シェルが再びキリュウに飛び掛かる。
キリュウ「シェル、俺は今機嫌が悪いからな、死んでも恨むなよ」
シェル「グルルっ」
完全にシェルは半妖の力に支配されてしまっている。
なんとか元に戻ったシェルはキリュウに謝罪をする。
シェル「キリュウ、悪かった・・・お前のおかげで仲間を死なせずに済んだよ」
キリュウ「頭なんか下げなくていい・・・俺も途中から私情挟んだしな」
シェル「え?」
キリュウはフローナの頭を軽くペシペシする。
フローナ「え、ちょっとキリュウ君?なに・・・」
キリュウ「今度泣かせたら許さねーからな」
フローナ「!?///」
シェル「!・・・ああ」
〜瀬戸際で(キリュウ)〜
瀕死の状態でキリュウがたどり着いたのは三途の川だ。
目の前に一人の老婆が立っている。
キリュウ「ミネ!?・・・そうか、俺もう死ぬんだな」
ミネ「何言ってんだいキリュウ、
あんたには帰るべき場所があるだろう?
あんたはまだこっちに来るんじゃないよ」
キリュウ「俺の帰る場所?」
振り返るとそこには皆んなが立っていた。
キリュウ「ああ、そうだな、俺、こんな半端なとこで死ねねーよな」
ミネ「キリュウ、振り返らずに行きな」
キリュウ「ああ」
キリュウ"また、ミネに助けられちまったな"
〜ミネと最後の会話〜
ミネ「キリュウ、大きくなったね
私はもう行くけど今のあんたならもう大丈夫だね」
キリュウ「ありがとう・・・母さん」
ミネ「こんな年老いた私を母さんと呼んでくれるんだね
嬉しいねぇ、
キリュウは本当に優しくていい子だよ、
ありがとうね、じゃあ私は行くよ」
キリュウ「ああ」
〜キリュウとココア〜
眠れないフローナに手作りココアをふるまうキリュウの話。
フローナ「あ、キリュウ君」
キリュウ「なんだ、眠れねーのか?」
キッチンで二人は顔を見合わせた。
フローナ「うん」
キリュウ「・・・何か飲むか?」
フローナ「うん、ココア飲もうかなって」
キリュウ「そうか、それなら俺もコーヒー飲むから待ってろ」
フローナ「え、いいよ、それくらい自分でやるよ」
キリュウ「いいから座ってろ」
フローナ「う、うん・・・え、インスタントじゃなくて粉から作ってるの?」
キリュウ「まあな・・・」
少しして。
キリュウ「ほら」
フローナ「ありがと、ん!美味しい!!」
フローナ"レンさんが作ってくれるココアは甘めだけどキリュウ君のはほろ苦だ・・・苦めなのも好きかも"
キリュウ「そうか」
フローナ「なんか意外」
キリュウ「なにがだ」
フローナ「キリュウ君がココアの作り方知ってたなんて」
キリュウ「ああ、ミネが好きだったからな、よく作ってたんだ」
フローナ「へぇ、キリュウ君ってほんと優しいんだね」
キリュウ「俺は優しくない」
フローナ「もー素直じゃないんだから」
・・・。
フローナ「ん、眠くなってきたかも、今なら寝れそう」
キリュウ「部屋まで送る」
フローナ「え?そんな大丈夫だよ」
キリュウ「貧血なんだろ」
じっと目を見られ降参する。
フローナ「わ、分かった、お願いするよ」
・・・。
フローナ「あの、もう部屋着いたから大丈夫だよ、
ありがとう」
キリュウ「おー」
フローナ「お休みなさい」
キリュウ「お休み」
パタン。
フローナ"貧血とはいえこれは・・・キリュウ君って結構過保護なのかな?"
〜キリュウver〜
またね編。
フローナ「キリュウ君、ほんとに行っちゃうの・・?」
キリュウ「・・・」
キリュウは数秒フローナを見つめると。
キリュウ「おいお前ら、10秒後ろ向いてろ」
メリサ「なんでさ」
シェル「向いてやれメリサ」
キリュウはしゃがむとフローナの耳元で囁く。
キリュウ「次会ったらお前を攫ってく」
フローナ「!?///」
皆んなには聞こえていないがシェルだけは聞こえていた。
シェル"丸聞こえだっつーの"
キリュウはそれだけ伝えると歩き出した。
フローナは腰が抜けてしまいその場にへたり込んだ。
去って行く背を見送りながら
フローナはしゃがみ込んだまま声をかける。
フローナ「キリュウ君!またね!」
キリュウ「おー」
キリュウは背を向けたままひらひらと手だけ振った。
仲間に編。
フローナ「あのねシェル・・・」
フローナが言い出しにくそうにしているとシェルはフローナの頭をポンポンしてキリュウに話しかけた。
シェル「キリュウ、フローナは俺の大事な仲間だ、いくらお前でも渡す訳にはいかない
かと言ってこのまま放っておいて駆け落ちでもされたら困るしな」
キリュウ「?お前何言って」
シェル「フローナが欲しけりゃ仲間になれキリュウ」
キリュウ「はは、何だそれ脅しか?」
シェル「まぁな」
キリュウ「ほんと、お前には敵わないな」
シェル「なんのなんねーの」
キリュウ「なってやる、お前からちびすけ奪うのも骨が折れそうだからな」
シェル「素直じゃねーな相変わらず」
シェルはキリュウの肩を組んだ。
フローナ救出作戦編。
シェルは大怪我の末動けないでいた。
フローナは建物の中で拘束されたままだ。
フローナの近くには爆弾が設置されている。
シェル「ぐっ・・・俺さえ動けりゃ・・」
メリサ「せめて場所さえ的確に分かれば・・・」
キリュウ「俺が行く」
シェル「え」
キリュウ「俺なら匂いで辿れる、シェル、まだ多少動けるか?」
シェル「え、あぁ・・」
シェル"キリュウお前やっぱりフローナの事・・"
キリュウ「俺がちびすけ見つけたら窓ガラスを割る
それが合図だ、ちゃんと受け止めろよ
あんたらはガラスの破片危ねぇから離れてろ」
レン「我々だけ安全な場所にいるなん」
キリュウ「いいからちびすけ助けたかったら言う通りにしろ!
俺らならともかく、普通の人間がガラスの破片全身に食らったら即死なんだよ」
シェル「キリュウ・・・分かった、フローナを頼む、けどお前も死ぬなよ」
キリュウ「ったく忙しい奴だな、分かった分かった、俺もちびすけも生きて戻る」
そう言ってキリュウは走って建物の中に入っていった。
シェル「メリサは薬の準備を、レンは飯の準備して待っててくれ」
メリサは何かを言おうとしてグッと堪えた。
メリサ「分かったよ」
レン「隊長・・・」
シェル「心配すんな、ガラスの破片くらいで死なねーから」
レン"それは通常の状態なら、でしょう・・・今のあなたは相当の深傷なんですよ"
フローナ「あーあ、まさかこんな最後になるなんて・・・皆んなは大丈夫かなぁ」
爆弾の時間が数秒に迫った頃、キリュウが走って来た。
フローナ「え!?」
キリュウは刀でフローナを拘束している鎖を一瞬で断ち切った。
フローナ「キリュウくん!?」
キリュウは刀を窓ガラス目掛けて勢いよく投げた後、フローナを抱えて窓ガラス目掛けて走る。
シェル「来た」
シェル"絶対受け止める!!"
ガラスの破片がシェルに降り注ぐがそんな事お構いなしにシェルは3階から降ってくる2人を抱き止めた。
シェルはそのまま後ろに倒れ込む。
破片が落ち着いた頃、仲間がすぐさま3人を医療室へと運ぶ。
フローナ「シェル!キリュウ君!」
キリュウ「俺より先にシェルを・・・」
レン「あなたもですよ、あなただって爆風浴びてるんですから」
キリュウ「へいへい」
メリサ「2人同時に治療するよ、任せな」
フローナ「私も手伝います!」
レン「俺も」
コキア「僕もやります」
メリサ「ありがとう」
2人の手当てを終わった後、フローナは眠っている2人の隣に座っていた。
フローナ「2人とも私の為に・・・」
フローナは涙をポタポタと流した。
キリュウはそっと目を覚ました。
キリュウ「ちびすけ・・泣いてんのか?」
フローナ「!キリュウ君!」
キリュウ「シェルなら大丈夫だ、あいつしぶといからな」
フローナ「キリュウ君もだよ!」
フローナの目からポロポロと涙が落ちる」
キリュウ「お前俺の為に泣いてんのか?」
フローナ「当たり前じゃない、どうして私なんかの為にここまでしたの、一歩間違えたら死んでたかもしれないのに」
キリュウ「さぁな、体が勝手に動いてた」
フローナ「さぁなって・・・」
キリュウはフローナの頬を伝った涙を指先で拭う。
フローナ「!///」
キリュウ「お前に泣かれると困る」
キリュウは優しく微笑んだ。
フローナ「キリュウく・・・」
キリュウ「・・・」
フローナ「!?///」
バッとフローナが隣の方に目を向ける。
シェル「あ、いいよ続けて」
シェルはとっくに起きて横向きになっていた。
片腕で頭を支えている。
キリュウ「起きたんなら言え!」
シェル「やーだって目覚ましたら2人がイチャつき始めたからタイミング掴めなくってさ、俺隣で寝てんのに困っちゃうよねぇ、ははは」
キリュウ「イチャイチャなんかしてねぇ!泣いてるから慰めてやってただけだ!」
シェル「へーふーん、あそう?」(にやにや)
キリュウ「てんめっ・・・」
フローナ「良かった2人とも生きてて!!」
キリュウ「つーか泣き過ぎだろ」
フローナ「だってだってー!!」
キリュウ「ガキじゃあるまいし・・・」
シェル「フローナは怪我大丈夫なのか?」
フローナ「2人が庇ってくれたからかすり傷で済んだよう・・ありがとう、本当にありがとう!」
キリュウ「おー」
シェル「気にすんな!」
レン「やれやれ、2人とも大丈夫そうですね」
メリサ「相変わらず凄い回復力だよねぇ」
二人はラブラブ?編。
「ねーねー彼女!これからお茶しに行かない〜?」
フローナ「すみません、人を待ってて」
キリュウ「ちびすけに何か用かよ」(ドドン)
「ひえ!ごめんなさぁい!!」
キリュウの睨みに男は一目散に逃げていった。
フローナ「キリュウ君!」
キリュウはフローナに振り返ると軽くデコピンした。
フローナ「あだっ!何すんのよー!」
キリュウ「隙だらけなんだよお前は」
フローナは痛かったのか頬を膨らませながらポカスカと両手で小さい子どものようにキリュウを叩く。
キリュウ「はは、それで反撃してるつもりか?」
メリサ「何あれラブラブ〜って感じ?」
レン「そのようですねぇ」
シェル「すげーよな、どっからどう見ても両思いなのに本人達気付いてないんだぜ」
意識編。
キリュウ「行くぞちびすけ」
フローナ「うん!」
フローナ"あれ、いつからだっけ・・キリュウ君にちびすけって呼ばれるの嫌じゃなくなったの
いつからだっけ・・・"
キリュウ「何でそんな遠いとこにいんだ?」
フローナ「え、いや、えーと・・・」
キリュウ「あー、なるほどな、心配しなくても取って食ったりしねーよ」
フローナ「そ、そうだよね!私、魅力も色気もないもんね!」
フローナ"うわぁ、ばかばか何言ってんの私!"
キリュウ「別にそう言う意味で言ったんじゃねぇよ」
フローナ「え・・・」
キリュウ「ちびすけに魅力がないなんて思ってない」
フローナ「キュン・・あ、ありがと」
キリュウ甘える編。
シェル「あ!お前、酒飲んだな?」
キリュウ「んー?」
フローナ「キリュウ君大丈夫?お酒弱いんだね」
キリュウはフローナを抱き寄せた。
フローナ「きゃ!?キリュウ君?」
キリュウ「んー」
キリュウは後ろからフローナを抱き締めたまま眠ってしまった。
フローナ「ちょ、え!?」
メリサ「あらら、凄い寝方だね」
シェル「はは、キリュウなりの甘え方なんだよ」
フローナ「そっか・・・」
レン「嬉しそうですね」
フローナ「だってキリュウ君が甘えたとこ見たことなかったから嬉しい」
シェル「キリュウは甘え方が分からないだけだよ」
もういいよな?編。
両思いを確認した後。
キリュウ「もう触ってもいいんだよな?」
フローナ「う、うん」
キリュウはそっとフローナの頬に触れた。
フローナ"わ、キリュウ君触り方優しい・・・"
キリュウが口付けようと近付く。
フローナ"キリュウ君色気やば・・・ふらっ"
キリュウ「おい!」
フローナ「え?」
キリュウ「鼻血出てるぞ、大丈夫か?」
フローナ「大丈夫、キリュウ君の色気にやられただけだから」
フローナはグーサインをする。
キリュウ「あぁ、うん、お前が変態なのは今のでよく分かった」
安否確認編。
キリュウは抱えたていたフローナをそっと下ろす。
キリュウ「怪我してねーな?」
フローナ「うん、ありがと」
キリュウ「!おい、足怪我してんじゃねーか」
フローナ「ただのかすり傷だよ」
キリュウ「ほら」
キリュウは屈んで背中を向けた。
フローナ「ほんとに大丈夫だって!」
キリュウ「いいから黙って乗れ」
フローナ「う、うん」
フローナ"わ、キリュウ君の背中大きい・・・てゆーかなんかキリュウ君いい匂いする・・・"
キリュウ「ん?・・・ってちびすけ鼻血出てる!」
フローナ「うわ、ほんとだ!」
キリュウ「何かやましいことでも考えてたのか?」
フローナ「え、何で分かったの!?」
キリュウ「マジなのかよ」
フローナ「だってキリュウ君いい匂いするんだもん!」
キリュウ「クンクン、いや何も匂いしねーけど?
香水もつけてないしな」
フローナ「じゃあキリュウ君自体がいい匂いなんだね」(ドヤァ)
キリュウ「んな勝ち誇ったような顔されてもな・・・
まぁとりあえず、その状態で直射日光は浴びねー方がいいだろ、日陰行くぞ」
フローナ「う、うん、ありがと」
フローナ"キリュウ君って何だかんだ面倒見いいんだよね・・・"
数分後。
キリュウ「落ち着いたか?」
フローナ「うん」
"これじゃしばらく手出せそうにないな"
フローナ「なぁに?」
キリュウ「何でもねぇ」
"ま、それでも良いか"
初恋編。
メリサ「キリュウ君ってひょっとしてフローナちゃんが初恋だったりしてー?」
フローナ「えー、まさか、そんな訳ないじゃないですか〜」
キリュウ「うん?そうだけど?」
フローナ「え!?(キュン・・・)」(めちゃくちゃ嬉しい)
事情があるんです編。
フローナ「あ、私ちょっとトイレ行ってきます」
メリサ「君達さぁ、さっさと付き合っちゃいなさいよ」
キリュウ「うるせーな、俺には俺の事情があるんだよ」
シェル「そんな事言ってると一生童貞だぞ」
キリュウ「な!うるせぇなお前だって童貞だろーが!」
シェル「何故それを知ってる、まだ誰にも言ってないのに」
メリサ「やだよ隊長も童貞だったのかい?」
レン「何とゲスな会話だ・・・あ」
キリュウ&シェル「あ!」
フローナ「二人とも外まで丸聞こえだよ・・・」
膝枕編。
フローナ「キリュウ君、膝枕しよう!」
キリュウ「何だ急に」
フローナ「まーまー良いから」
フローナは膝をポンポンと叩いた。
キリュウ「・・・まぁお前がそこまで言うなら」
フローナは嬉しそうだ。
フローナ「どう?」
キリュウ「硬いな」
フローナ「あー、クッション入れる?」
キリュウ「このままでいい・・なんか妙な気分だな」
フローナ「あんまり?」
キリュウ「いや、いい眺めだ」
フローナ「そ、それなら良かった」
キリュウ"お前はそんな顔で膝枕するんだな"
価値観編。
キリュウ「ちびすけの事は好きだが俺は結婚もしねぇし子どもも作らねぇ、
それは捨てられた時から決めてる、
女をまともに愛せる器もない、
だから俺といてもちびすけを幸せにはできない」
フローナ「え、じゃあちょうどいいじゃん
私も結婚にそもそも興味ないし子ども作る気もないから」(さらりと)
キリュウ「え」
フローナ「それに私すでに幸せだからキリュウ君が言った悩みは全部解決済みだけど
あとまだ何かある?」
キリュウ「いや、何か拍子抜けした」
フローナ「そこら辺の女と一緒にしないでよね」
キリュウ「はは、やっぱちびすけはちびすけだったな」
フローナはニッと笑った。
ラーメン屋編。
フローナ「ぐぅ〜」
キリュウ「腹減ったな」
フローナ「うん」
店主「ちょっとそこの君達」
声をかけてきたのは屋台ラーメンの店主のおじさんだ。
店主「お腹空いてるんならうちで食べていかないかい?」
フローナ「ラーメン・・・✨」
フローナはじ〜ッとキリュウを見つめた。
キリュウはため息をつくと。
キリュウ「あんた、俺が怖くねーのか?」
店主「大切なお客様だからね、怖くないよ
それに、その子の表情を見ていればいい人かそうでないか分かる」
フローナ「分かるんですか?」
店主「ああ、伊達に年をとっちゃいないよ」
店主「へい、ラーメンお待ち」
フローナ「わぁ美味しそう‼︎頂きます!」
キリュウは手を合わせたフローナを見ると同じように手を合わせた。
キリュウ「頂きます」
店主はそれを見てニコニコ微笑む。
店主"可愛いカップルだなぁ"
フローナ「ごちそうさまでした‼︎」
キリュウ「ごちそうさま」
店主「またいつでもおいで」
キリュウ「さて、行くか」
フローナはキリュウの後ろをとててッとついて行く。
フローナ「あーお腹いっぱい!」
キリュウ「一杯で腹一杯になるとはちっさい胃だな」
フローナ「そんな事ないよ!ちゃんと一杯食べれたもん!」
フローナは頬を膨らませながら手をブンブンさせた。
キリュウ「はいはい笑」
二人のやり取りを屋台から見ていた店主はホカホカ気分で片付けをしにキッチンへと入っていった。
寂しさの正体編。
キリュウ「家族や友達と仲良いんだろ?それでもあいつらと旅を続けていくのか?」
フローナ「うん、寂しいけどそれ以上にみんなと旅したいから」
キリュウ「寂しい、ね」
フローナ「あーごめん、ちょっちたんま」
キリュウ「なんだ」
フローナ「何か急にホームシックって言うか・・・」
キリュウ「泣きたきゃ泣けよ」
フローナ「でも・・・こんな事で泣くなんて」
キリュウ「泣く理由にこんなもあんなもないだろ
俺に気なんて使わなくていい、気が済むまで泣けよ」
フローナの目からポロポロと涙が溢れ落ちていく。
キリュウ"そんな泣くほど寂しくてもあいつらとの旅を選ぶんだなお前は"
キリュウはそっとフローナに上着をかけると木の下に腕を組んで座った。
しばらく泣いた後。
フローナ「ごめん、ありがと」
キリュウ「あぁ」
フローナ"キリュウ君は慰めたりはしないけど泣き止むまでそばにいてくれるんだな・・・
不器用だけど優しい人"
フローナ「ねぇ、キリュウ君は寂しくなったりしないの?」
キリュウ「あいつにも言われたな、俺はあいつと違ってあったものが無くなった訳じゃない、
最初から何もなかったからな
だから悲しいとか寂しいとかそう言う感情が分からない
あいつより傷はずっと浅いしな」
フローナ「・・・傷に浅いとか深いとか無いと思うよ
自分が痛いと感じたならそれはもう大怪我なんだよ」
キリュウ「!・・・そうか」
キリュウの好物編。❗️
レン「キリュウさんは何が好きなんです?」
キリュウ「たこ焼きとお好み焼き」
レン「へぇ、意外ですね」
フローナ「可愛い」
キリュウ「可愛いって言うな」
フローナ「だってかわい・・・いはいいはい!」
キリュウは両方の頬を軽く引っ張った。
キリュウ「言うなっつーに」
フローナ「わはったからはなひて!」
キリュウはお好み焼きが着くや否や嬉しそうに食べた。
レン「お味の方はどうですか?」
キリュウ「すげぇ美味い」
レン「それは良かったです」
フローナは顔を抑えながらキリュウの可愛さに必死に耐えている。
メリサ「フローナちゃん・・・」
たこ焼き屋編。
たこ焼き屋の前にぬっとキリュウが現れた。
店主「うわ!?な、何だお前!う、うちには金目のもんはないぞ!?」
フローナ「あの、たこ焼き10個下さい」
店主の目線が下の方にいき・・・。
店主「あ、ああ・・・」
その時、キリュウのお腹が鳴った。
フローナ「ふふ、もうすぐ食べられるから」
キリュウ「あ、ああ」
店主「あ、あいよ」
フローナ「ありがとうございます、良かったねキリュウ君たこ焼き買えて」
キリュウ「ん」
キリュウは手を出す。
フローナ「ありがと」
店主"この兄ちゃん、ただたこ焼き食べたかっただけなのか"
店主「さっきは失礼な態度取って悪かったよ
これおまけだ、良かったら食べて」
フローナ「いいんですか?ありがとうございます!」
キリュウは店主にお辞儀をすると先に歩き出しているフローナの横に向かう。
店主「おじさん今日はいーい一日になりそうだよ」(ホヤホヤ)
君に会えて編。
キリュウ「よお、久しぶりだな・・・何泣いてんだよ」
フローナ「だってだってだってー!会いたかったんだもん!心配してたんだもん‼︎生きてて良かったぁ・・・」
キリュウ「はー・・・忙しい奴だな」
フローナは帽子で顔を隠すがキリュウが帽子を指でつまんで取ろうとする。
ぎゅっと力を込めて取られないようにしている。
フローナ「やーめーてー」
キリュウ「ははは」
無意識編。
男「俺と遊ばない?」
フローナ「いえ、結構です」
男「ちっ、なんだよお高く止まってんなよブス!」
キリュウ「?こいつは可愛いだろ」
フローナ「え!?」
キリュウ「つか、その面でよく言えたな
自分の顔鏡で見た事ねーのか?」
男「な!!」
相手が男前過ぎて何も言い返せない。
メリサ「ぶっくく、キリュウ君ナイス」
浮気ってなんだ?編。
フローナ「あの、浮気しないでね?」
メリサ「キリュウ君は浮気しないだろう」
キリュウ「・・・」
シェル「何黙ってんだよキリュウ、ちゃんと答えてやれよ、フローナが不安がるだろ」
キリュウ「なぁ、浮気ってなんだ?」
肩にぽんっとシェルが手を置く。
シェル「いいんだお前はそのままでいてくれ」
キリュウ「だから何だってんだよ!」
レン「浮気と言うのはですね」
シェル「やめろレン!キリュウには純粋なままでいて欲しいんだ!」
・・・。
キリュウ「つまり、彼女がいるのに他の女とも関係を持つ事ってことか」
シェル「そう言うこと」
キリュウ「アホらし」
シェル「まぁお前がするとは俺も思ってねーよ、なんせフローナにベタ惚れだもんな!」
キリュウ「?そうだけど?」
シェル「おま、よく恥ずかしげもなく答えれるな」
キリュウ「付き合ってんだから惚れてんのは当たり前だろ?」(曇りなき眼)
メリサ「やめたげて!フローナちゃんのライフはもうゼロよ!」
フローナ「ふるふる」
甘い時間編。
キリュウ「なんだ、そんなジーッと見て俺に見惚れてたのか?」
フローナ「えっそうだけど」
キリュウ「今のは冗談で言ったんだが・・・その人の顔見てニヤつく癖なんとかならないのか?」
フローナ「分かった」
虚無顔。
キリュウ「いや、そこまでしろとは・・・あーいや、悪い、やっぱりちびすけはそのままでいい」
フローナ「え?」
キリュウ「ヘラヘラした顔が見れなくなるのも寂しいしな」
キリュウは手を伸ばしてフローナの髪を撫でるとフッと笑った。
フローナ「!///」
キリュウ「はは、顔真っ赤」
フローナ「誰のせいよ」
キリュウ「このまま」
フローナ「うん?」
キリュウ「時が止まればいいのにな」
フローナ「ギュンっ‼︎そ、そうだね」
フローナ"何この甘い時間‼︎"