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HE・IS・EI[平成の殺し屋]  作者: リンゴ
第4章 人類の復讐
65/73

63、

それから、数分耳鳴りが続いた。


人々の耳鳴りが治まるころ、ユウの目の前。

即ち円の中心に男が現れた。


「ガビ・ゾディアック」

ユウは目の前のガビ・ゾディアックを睨みつけた。



彼はガビ・ゾディアック。

赤髪にフード、咥えるは燻ったタバコ。

肩をくすめ、やれやれと半笑いをした。



「あー、もう何ですか?こんな大々的に報じられて。意味不明ですよ。俺ってそんなに魅力的なのー?」

呆れるようにフフッと笑う。


人々はガビ・ゾディアックを認識し、ヘリからではカメラが、宗教団体では霊力が、警備隊からは銃口が、野次馬からは注目がガビへ向けられている。


「あれ、皆さん攻撃しないんですか?」

ガビがふざけるように言った。



「殺す!!」

ユウはガビの方へ腕を向けた。


ユウが咆哮し、腕を突き出す。

風が爆ぜる。轟音と共に、空気が圧縮されて突風となり、ガビを吹き飛ばした。


数メートル先に倒れたガビが、土埃の中から顔を上げて笑う。



「あー、なるほどね。念力じゃなくて風。物理か」

「テレパシーで読み取るに、お前以外にあと2人居るな」


「バレた?行けレイコ!!」

黄色いパーカーの少女が何も無い空間から現れる。

レイコがユウを指さすとユウは倒れた。



「クソ!!何をした!?」

「遠隔で電流を流した。コイツがいればお前は簡単に死ぬ。お前は雑魚なんだよ」



ユウが立ち上がりながら言う。

「人類を支配するみたいな事を考えているんだろう?無理だ!!お前は所詮能力者。殺戮能力を持った人型の何かだ!!」


「おいおい、言ってくれるねぇ?エイ……だっけ?あいつも馬鹿だよなー」

ガビが言う途中、周囲に竜巻が発生した。

カメラが飛んだ。人々が風に飲み込まれ、竜巻となって上空まで巻き上げられる。



「殺す!!!!!!!」

ユウは腕をガビの方向へ向けた。


物が風に飲み込まれる中、ガビとユウは地面に立っていた。



「宇宙人のナチュラルか。宇宙人にしては珍しいな。能力のトリガーは『怒り』かな?」


[ナチュラルとは、生まれ持った超能力者。能力を使う事ができる。『覚醒』する事ができ、感情や気温や明るさなどの環境条件等と能力ごとにトリガーが違う。このトリガーを満たすと『覚醒』状態に入り、一時的時能力が強化されたり、一時的に新しい別の能力が使用できるようになったりする。尚、ナチュラル以外の能力者にトリガーや覚醒という概念は無い]

(今のユウの場合、トリガーは『怒り』で、覚醒効果は竜巻であると考えられる)



「逃げるんじゃない!」

ユウはさらに風を送る。


「あちゃー、こりゃ難しいな。テレビも壊れちゃってるじゃん。ま、とりあえず帰るわ。」



ガビが姿を消すと、竜巻は収まった。

上空から人や物が落下していく。



しかし、肉体は落下し出血し、機材は破裂し悲鳴が鳴り響く。

とはならなかった。



全てが嵩張らず、地面の上で宙に浮いていたのだ。


ユウの後ろに人影が現れた。

彼女の肩に手を添えると、ユウの力は抜け地面に倒れ込んだ。


「撮れ高、最悪でしょこれ」

半袖短パン、右手に金属バットを構え、宙に浮いた機材を粉々に砕く。


その粉々になった部品すらも宙に浮いていた。


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