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HE・IS・EI[平成の殺し屋]  作者: リンゴ
第4章 人類の復讐
59/73

57、殴る

突然の言葉に唖然とした。

「の、能力者なの?君」

編集者は言葉が出てこないようだった。


「そう、なんだ……」

川島は自分自身でも混乱していた。

それもそうだろう。このご時世、能力者は実験台にされてもおかしくないと言う段階まで、人々は盛り上がっている。


「どのような能力?」

編集者はすかさず聞く。



「殴る……能力です」

「殴る?」

宝島は聞く。

こちらは科学的にどうなのかと言う所が気になるのだろう。



「はい、先日工事中で鉄パイプが落ちてきたのですが、とっさに腕を前に出したら曲がったんです……鉄が」

「曲がった?見せてくれる?」

宝島は検証する気満々だった。



宝島の研究室で鉄板を用意して川島が殴ってみる事にした。まだ不安なため、警察には言っていない。

編集者は多忙なため居ないが、後で動画を送れと言われている。宝島は「せーの」と言った。


隣から持ってきた2つの机を寄せ、机と机の間に長方形の鉄板を置く。川島は拳をあげ鉄板に拳を打ち付ける。


「あいたたたた」

「!?」


川島は腕を抱え床に蹲っていた。

「ちょっと……え、川島君。嘘?」

「いやいや、ホントですって!」

手を横に振って否定するが、イマイチ本当だとは思えない。


床に手を付き、起き上がる。

その時氷山助手が部屋に入ってきた。

「宝島博士え、誰ですかその人……うわっ」



氷山が足を滑らせ転ぶ。

紙は川島の方へ向けられて降りかかる。


埃があったのか、川島はくしゃみをしてしまった。

バランスを崩して鉄板に手をついた



「……え、鉄板が溶けた?」

指を置いた部分だけ鉄板がぐにゃりと曲がっている。




「もう一度できる?」

「やってみます」

しかし、何度やっても再現できなかった。


「今日はこれで終わりだな、川島君」

「いえ、僕も試してみたかったので……」

時計は午後5時を回っていた。



宝島は考える。

「何かのきっかけで能力が発動、あるいは増幅するのかもしれない」

「そして(ゆう)の能力も何らかのきっかけがあれば増幅する……のか?」

宝島寿限無メモ

現状、川島の能力は「偶然頼みの一発芸」レベルで、実用性も信憑性も低い。今後は科学的検証と心理的アプローチの両面から、発動条件の特定と再現性の向上を目指すべきだろう。

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