53、交錯
「ガビって言うの?あれ火の能力者だよな」
「やっぱり人間かー」
「意外とイケメンで草」
氷山はSNSのガビに対するコメントを読み上げていた。
それに対して、宝島の研究室に声が響く。
「さっきから後ろで一々読み上げないでくれないか?うるさい!」
「だって、博士があまりにも興味深そうにしてたから。」氷山は口を尖らせる。
「今度はガビじゃない…別の」
宝島は言いかけて、咳払いをする。
言えば何をし出すか分からない。第1、彼女の存在は極秘情報だ。
ーーー
ガビ・ゾディアックは銀行へ向かった。
鬘を付け、黒髪だった。
彼は日本全国で指名手配とされているのだ。
「頼むよ」
ガビは、足元を見て言う。
黄色いパーカーの少女が「うん!」と言いガビの手を掴む。ガビがATMの画面に手を触れた。
すると画面に表示されている残高の数字が増えていく。サッと10万という数が画面に表示されたかと思うと、ガビはそれを引き出しポケットに入れた。
隣の40代のスーツ姿の男性がガビを睨みつける。
「なに?おっさん」
「君、そんな歳で銀行に何の用があるんだ?」
「そういうの良くないよ。老害って言うんだっけ?」
ガビは少女の手を軽く2回握った。電流を流せという合図だ。
ガビが男性の手に指先を触れると、バチッと電気が通る音がした。
「痛っ!?」
「逃げようぜ?」
ガビは少女の手を握って銀行を出た。
裏道にそれた頃、ガビのポケットから着信音がなった。
「はーい。なんすか?えっアレすか?」
ガビは目を見開き、暫く言葉を出せないでいた。
しかし、その後何かを企むような笑顔で了解しましたと言った。
「ナンバーnull、もうすぐですね」




