51、変装
エイが死んでから、ユウは復讐をすると誓った。
調べると、「ガビ・ゾディアック」と言うらしい。
私は宇宙人の医者に人間の顔になるよう、整形手術を依頼した。鏡を見ると、少しだけ美人と言った所だろうか。鬘を着ければ一般的な人間だ。
「技術的には人間が好むどんな顔にでもできますよ。女優やモデルにも、庶民にも、またまた男性にだってできます。」
私からしてみれば、無難に少しだけ美人がちょうど良かった。私は「平成」の本拠地から車で移動した。
警察署に向かうと、予てから研究で作っていた「必ず一定時間意識を失わせるスタンガン」を次々と使い、掴みかかってくる警官やガードマンを気絶させていく。
入るのは容易だった。
長年培ってきたハッキング能力からすれば、建物内の作りを知ることなど造作もない。
白い壁の廊下は、蛍光灯が白い壁がやけに眩しく、歩くたびに足音が響いた。壁沿いにあるドアの前で足を止めた。一瞬だけ息を止める。ノックの音が、廊下の静寂を破った。
「…あの」
警戒されているというのが分かった。
しかし、敵意がないという事を伝えると部屋に入れてくれた。
部屋にはスーツ姿の人間が椅子に座って資料を見ていた。大画面にパワーポイントが表示されているのが見える。成程、今はとにかく散らばった情報を手に入れているのか。
控えてあった資料をペラペラと捲ると、情報が詰め合わせてあった。資料はエイを殺したであろう「ガビ・ゾディアック」を中心に情報が集めているものだった。
私は手を挙げた。
左胸に「遠藤」とあるバッチがつけてある隣の男が「どうぞ」と言った。
「私が彼の対抗へ貢献できます。ぜひ警察の計画に私を組み込んでください」
遠藤は、息を飲み込んでからこうとだけ言った。
「とりあえず、前の席へ座りなさい。」




