50、遠藤
結局の所、ガビ・ゾディアックは謎を残したまま、テレビ局の放送は何時ものニュース番組へと切り替わった。国民は怪しいと思いながらも、テレビ局の思惑意向があるのだろうと特に何も言わなかった。
むしろ、国民はガビ・ゾディアックに対する興味は強まる一方だった。
中学校ではガビ・ゾディアックは不登校となり、それから二度と学生として姿を現す事はなかった。
その時をきっかけとして、ガビ・ゾディアック対策班の全員は本腰を入れて動き始めた。本来、本腰を入れていた物の全員が全員本気になっているかと言うとそうではなかった。
そして、具体的にはまだ進んでいないというのが現状だったが、彼の気まぐれさと、圧倒的強さ、最早対策する意外の道は無かった。
ーーー
川島の先輩である遠藤は長椅子に座って、缶コーヒーを飲み始めた。
「正直言わせてもらう。こんな荒唐無稽な事が起きてたまるか。」
遠藤は快活に笑った。
混乱してるのも分かると言い、公園の長椅子で川島の肩を叩いた。
「しかし、ここまで国民が興味を持ったとなれば、警察は動かないといけないですよ。最低でも表面上は…」
ペラペラと話す川島に遠藤は目を開いた。
「そうか、ペラペラと話せる程詳しく調べていたんだな?俺も、多少は信じて見るとしよう。」
ーーー
ガビ・ゾディアック対策班はとにかく、今わかっている情報だけを資料に、会議を始めていた。後ろでは既に宝島とその助手氷山が欠伸をしている。
広い会議室を埋めるように、総勢30名が椅子に座っていた。やっつけで作ったパワーポイントを参照に、遠藤が読み上げる。
後ろには助手である氷山と宝島が資料を読んでいた。
そして30分経っただろうか、会議室のドアがノックされた。
「何だ」
遠藤が目を細めて入口を見ると、声が聞こえた。
「あの……」
少しイントネーションがおかしく、くぐもった声が聞こえた。女性の声だった。




