43、手術
サンはただ、言葉では理解していたが、その通り現実的には理解出来ていなかった。
救急車から降り、担架でガビが運ばれる。
セメントと白い鉄でできた、立方体の建物だった。まるで巨大な豆腐のようだ。
周りは芝生に囲まれ、10メートル程先を囲むように有刺鉄線がはられている。
爆発によってところどころ芝生は焼き尽くされ、無惨にも景観が損なわれている。爆発によって所々土が剥き出しになっていて、芝生にはセメントや鉄の塊が散っていた。
研究所に近くなればなるほど、その程度は酷くなっていく。
特に、俺達がついた場所の1番近い、豆腐の角に当たる部分は上から下まで、豪快に吹き飛ばされ欠けている。中の通路が見え、赤いランプと警告音が響き渡っていた。ガビを乗せた担架が、壊れた有刺鉄線の隙間を潜って行く。
サンは、自分が見入っていた事に気付き、担架を追いかけるように走り出した。
研究所内に入り、ある一室でその担架は止まった。
部屋の中には様々なボタンが置いてある。棚には注射器やメス等が散乱していた。
おそらく今の衝撃で倒れたのだろう。
「やれ」
Xはそう言うだけで、室内は重く沈むように感じた。
「はい」
白衣をきた男が、まるで声を裏返した。
まるで銃を突きつけられるような緊張感がある。
パイプをガビの首に付た。
ガビの腕に注射を行う。
すると…突然ガビは起き上がった。
「ここは!?」
まるで何事も無かったかのようにそこにいた。
銃弾はいたくないのだろうか?
カンカンカン
なにか、鉄の音を歩く音が聞こえた。
遠くからだ。階段だろうか。
その音は次第に大きくなる。
「ここかな?」
「いや、違う」
手当たり次第に室内のドアを開けて部屋を確認しているのだろうか。
Xを見ても気付いていないようだった。
だが、サン以外誰もその事に気づかない。
「カチャ」
ドアを開く音。
「あ」
そこには宇宙人と、男女2人が居た。




