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突然、サイレンが鳴った。
銀色の鉄には赤い光が鈍く反射していた。
突然、何かの鉄がガシャッと潰れる音がした。
何かの管が曲がって折れるような、そんな音だ。
今まで、微かに後ろに差していた光が消えていた。
後ろを見ると、いや、見るまでも無い。
風を通すコウが真っ先にそれを知っただろう。
「衝撃が起きて、後ろの通路が塞がれた。」
コウは続けた。
「もしかしたら、俺らが入ったから警報が鳴ったのかもしれない」
違う。今の音は事故だ。
だから、怪しい動きをしたとすれば、俺たち以外の誰かだろう。
そう言おうとしたが、やめておいた。
彼らの判断に任せるべきだ。外の人間とは言っても、脱出路に詳しいわけでは無い。
風通しが悪くなったのか、次第に蒸し暑くなった。
「今だ!」
コウが言った。
排気口の蓋を外し、そこから外に出た。
部屋には、実験器具が散乱している。
「一目散に逃げていったみたいだ。逃げるなら今しかない!」
俺は、やっとリーダーらしく声を出した。
部屋のドアを開け、長い通路をとると、大広間にっながっていた。
そこにも人の影は無かった。
赤い光が点滅し、警告音が鳴り響いている。
しばらく歩いていると、地下へ繋がる階段が続いているのが見える。
俺たちは、そこに入っていく。




