41、邂逅
それから、エイとその仲間は、長い通路を何時間も通った。エイは心配していたが、それは唯の一本道で、コウの能力とニコリの能力が使われる事は無かった。
エイが安心し、すっかり何も考えずに金属製の通路を這っていたころ、一筋の光が現れた。
「まて」
コウに拠れば、ここは通気口で、1つの部屋に繋がっている。下には竜巻の影響を受けなかった研究員がいて、経験則カメラの監視下にあるかもしれない言う。
誰も居なければ、ドアから出られそうな訳だが、その先は分からないとも言った。
コウが今からどうするかと思っていると、エイに2人の視線が向かった。
「どうする?脱出するとすればどこに脱出するんだ?」
エイとニコリに聞かれるが、勿論知るわけは無い。
「裏口から出るんじゃない?」
君たちが分からないなら俺も分かりっこないと言いそうだったが、言わなかった。
ーーー
「ガビ!大丈夫かッ!?」
4人に担がれて血を流しているガビに、男は叫んだ。
「命は繋ぎ止めますよ。唯、条件付きではあります」
医師と思われる人物がメガネを触る。
ガビとそれを取り巻く彼の仲間たちは、自分たちの最大の武器を失ったと顔を真っ青にしていた。
ガビを乗せた車内では、既に葬式のような空気が漂っていた。
「しかし、何故警察はガビを捕らえずに帰ったんだ?」
1人がそう言うと、連なるようにそれぞれが疑問を言い合う。唯、その疑問はガビが何故死んで捕えられなかったのかと言う事と、何故ガビはこの銃撃を受けても数分も経つのに生きているのか、ということが殆どだった。
ーーー
「つまり、ガビは死んでないと?」
「ああ、彼が死ぬ直前、俺を見て笑顔を見せた気がしたんだ」
ファミレスでは編集者と宝島が話していた。
「ネタとしては良いんですが、宝島さん。余りにも突飛すぎませんか?増してや博士でしょう?」
「信じないなら別に構わん。自分でも突飛だと思っている」
その時刑事が入ってきた。
「おお、川島さん。今日は宝島さんがですね…」
川島はそれはいいと言った。
「俺は能力者なのか?宝島」
「確かに、あの時ガビ・ゾディアックは川島が能力者だから殺すだとか言ってたな」
「またまた、何ですか?」
編集者は、メモを取り始めた。
ガビは何者なのだろうか?
川島を能力者として殺害するのか、ガビは生きているのか、ガビ・ゾディアックの目的は…計画は一体何なのだろうか?
また、あの日のように蜘蛛の様子が険しくなり、雨が降った。雷が鳴った。そして、その雨は大雨だった。
結局、情報が増えていくだけで何も分からず仕舞いだった。彼らは、その後見切りを付けて、5分もせずに解散した。まだ、正午だったが外の景色は、不穏な空気に包まれていた。




