4、正体
「なあ、お前って強いの?」
「何、急に」
ユウは不思議そうに振り返った。
「強くないと思うわ。銃使えないし」
「俺の方が弱いだろ?」
「分からないわね。「でもエイ、強さが全てじゃない。」みたいなアドバイス待ってた?残念ながら強さが全てよ。だから弱いやつは戦わない。強いやつは戦う。それだけの事。私は強さを知る前に戦いに挑むのを諦めたんだわ。ただ、エイが弱そうなのはマジ」
「じゃあ、なんでこの殺し屋集団に俺がいるんだよ」
「私も分かんないわ。そんなの」
ーーー
バルコニーにはエフがいた。
「お、その顔はピイを殺したんだな」
「俺ってなんでここにいるんだよ」
「落ち込んでちゃ、稼げないぜ?」
「稼げたら、なんになるんだよ」
「知らねーよ。でも生きてる限り、食うか、寝るか、稼ぐか、くらいしかないわけよ。だからなんだってつもりは無いけどさ。」
「お前は、なんで人を、殺せるの?」
「おい、お前の唯一の得意な、演技、何やっても冷静な感じが無くなってるぞ?」
その時、エフの額に銃が当てられる。
「気が変わった。殺す」
エイのいつもの顔に戻った。
平坦な声。
目は漆黒で、何の表情も見せない。
だが、引き金を引く様子はなかった。
きゃーという声が下から聞こえた。
階段をおりて駆けつけると、30人程の宇宙人を引き連れた人間がいた。
「お前は、あの時の」
「ははははは、俺はお前らを殺してこそ収益を上げられるんだよ。」
「お前は、人間じゃないのか?」
「人間だよ?今までは。でも5年前から俺は人間をやめた。宇宙人の細胞を体内に入れ込み能力を上げた。」
「なんだと。あのバーテンも人間だったのか?」
「そうさ。あいつは宇宙人化した母親の子供だったから、生まれつき宇宙人とも言えるがな」
「さあ、お前らの銃を改造させてもらったよ。非常に小さな部品にも関わらず大量に蓄積する部品を改良し、一度に、局所的に即死効果を放つ、確実に死に至らしめる兵器」
彼の後ろに、棺桶より一回り大きい大砲が出てきた。
「この建物ごと破壊する。もちろん建物内にいるユウも、エフも、ジイも、シイも・・・」
10から数え初め、3、2、1とカウントダウンされる。
エネルギーが発射され辺りが真っ白になる。
爆発音はなかったが物凄い爆風だった。
が、何も起きなかった。
「何故だ?なぜ爆破しない?不発だと?」
見ると、空中に紙袋を被った人物が浮かんでいた。
「誰だっ!?」
男は驚いて腰を抜かしていた。
そいつは袋を取り外した。
頭がなかった。
「お前は……あの時の、バーテン??」
「さあ、死なせませんよ。お会計を頂戴しに参りました。」