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HE・IS・EI[平成の殺し屋]  作者: リンゴ
第2章 新人類の夜明け
24/73

24、発見

宝島はデスクに突っ伏して寝ていた。

相変わらず凄い寝癖だ。



「どうしたらいいんですか!?!?!?私もう分かりませんよ!もう3週間以上立ってます!!!宮崎さんから銃がどうとか電話…」



「来た。」

「え?」


突如として立ち上がり、研究室から出ていく宝島。

「宝島さんどこ行くんですか?」

「お前に言っても仕方ないだろう??」

「いやどこに行くかくらいは教えてくださいよ」



車を停めたのは例の警察署の遺体安置所。

ツカツカと歩いて宮崎さんの所へ向かう。



「ああ、待ってましたよ」

笑顔で迎え入れる宮崎に対し、宝島は被せるように「進捗は?」と聞いた。



「それはまだでして、一応分かる部分はまとめたのですが、過去の事例を調べても同じ事例どころか、似ている事例すらない」

「今の所、通常では考えられないような局所的に右腕ばかりが燃えた焼死体なのは変わりない。そうなるとやはり、検証の必要があるな。明日、朝10時集合できるか?」


「はい、それは勿論。」

ーーー

翌日、宝島が車を停めたのは爆発実験場の観測所だった。


「爆発!?制御室?観測所?」

入口には観測所と書いてある。

氷山助手は歩きながら白い冊子をペラペラと捲っていた。



「ああ、何か文句あるか?あるなら車内に置いておけ。ついでにお前も置いておけ」

氷山は、そう言う言い方はないですよ?と頬を膨らませる。


「と言うか、それは俺のだ。勝手にとるな」

といい、氷山の手元から冊子を奪う。


「そっちこそ週刊グーを奪ったじゃないですか?それに、床に置きっぱなしだったし」


着いたのは実験室。

「待っていました。ここで、爆発実験場をリアルタイムで見る事ができます。画面の横には作業員らしき人が座っていた。」



画面には、爆発実験場が映っていた。

広い割にはどこか暗く、天井の蛍光灯は所々切れていた。金属製チャンバーに入った豚肉はポリエステルの布の下で、薄暗く鈍い光を放っていた。


「宝島博士、この画面には撃つ対象、金属製チャンバーとその中に入っている豚肉が見えます。私たちから見て左側にリモート発射機があります。簡単に言えば、遠隔で銃が撃てるんですよ」

「発射機?ビデオカメラの脚立みたいですね。あとそれ、トランシーバー見たいなスイッチですね!?」

博士がそれを制止し、すみません内の者がーと言う。



「では、お願いします」

宝島がそう言うと作業員は手元のスイッチを押した。


スイッチが押されると同時にリモート発射機から銃弾が飛び出す。



チャンバーに銃弾が当たり、弾丸が金属面に衝突した乾いた鋭い音が耳に響く。



その瞬間、金属に当たって発生した火花が布に燃え移り、通常では考えられない程一気に火が燃え上がった。肉片も表面が高熱に晒され、脂肪が燃え始める。

そして、実験場に響く轟音を合図にするかのように、一瞬で炎は燃え尽きた。



「やっぱり、リアルで見ると違いますね。宝島博士、本当に助かりました」宮崎は宝島博士と握手をする。



「ちょちょっと、何が起きたんですか?」

「なぜお前に教える必要があるんだ?そもそも殆ど関係者じゃないだろ?というかハッキリ言って無関係者だ」

宮崎は2人を諌めるように言った。

「まあまあ、説明しましょう。とにかく1時間後、肉片を見るまでは楽しみにしててください。」



ーーー2時間後

宝島と氷山、宮崎は実験室で燃えた肉片を観察する。

肉片は炎で焼けていた。

「というか、焼けているというか焦げてますね」

氷山は言う。


「やっぱり、銃弾が金属に当たった時の火花で着火してますね。」

宝島は宮崎に同意する。

「そうだな。酸素濃度が70%以上の状態で1箇所の摩擦熱から燃え広がった、今のこの肉片の燃え方と遺体の燃え方はほぼ同じ。遺体の再現には成功したと言えるだろう。ただ…」

「ただ…何ですか?」


「ただ、この酸素濃度の高い状態を作り出すと言うのは相当な手間だ。録音通りであれば、彼ガビ・ゾディアックの「はいチーズ」でポーズを変えようとした瞬間燃え広がったようだが、仮に酸素濃度が高い状態で動いても、そこまで摩擦熱が発生するのか?静電気だとしても少しの動きだけで発生するのか?」


要するに、彼らが言っているのは、酸素濃度が高い状態で火花が発生すると物凄いスピードで火は燃え上がるが、その火花は日常で発生するようなものでは無い。

遺体の再現には成功したが、それは現実的に不可能では無いか?という事だ。



「すまない、喉が渇いた。自販機はあるか?」

宮崎は建物を出て直ぐ左手にありますと返した。



「あったこれだ。天然水で……」

自販機のボタンを押そうとする時、横から青年の声がした。



「おっさん?とだり着いちゃった?酸素濃度が高い状態で摩擦熱を出したら、遺体の再現はできる。でも、そんな死に方有り得ないと思っている所かな?」



「き、君は誰だっ!?」


心を読まれたのかもしれないと動揺する宝島博士に彼はこう言った。


「こんにちは、僕はガビ・ゾディアック」



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