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2、仲間
机から身を乗り出して言う。
「お前は俺の宇宙人みたいな顔を見て受け入れてくれた。宇宙人以外で俺を受け入れてくれるのはお前くらいだ」
バーテンは嬉しいですと規定値まで口角を上げる。
「それでは、エイさん。お会計です」
ポケットを探っても財布は見つからなかった。
その時、指先が銃を触った。
そうだ。
このバーテンも殺害対象だった。
エイは払うのがバカバカしくなりバーテンに銃口を向けた。誰も居ないことを再度確認する。
「おやめください。」
至って冷静に彼は返答する。
「心配はいらない。これは一切の音も痛みも出さない極めて倫理的な殺人用銃である。」
銃声も出ずにバーテンの頭部が破裂した。
に、も関わらず、彼はそこに立ち尽くしていた。
まるでまだ生きているかのように。
彼の腹部から声が聞こえた。
「お会計、1790円です」
エイは腰を抜かす。
「お前、宇宙人だったのかよ・・・」