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HE・IS・EI[平成の殺し屋]  作者: リンゴ
第2章 新人類の夜明け
19/73

19、偽称

「それで、どうするんだ?」

全員が亜空間に集まった後、すぐさまNo.15は俺とラッキー、ニコリにたずねる。



「それより自己紹介しよう」

ラッキーが言い、各々が自分の名前と一言を言う。



「俺はNo.15。能力は[スカイ]。名前はコウ。最大5km先まで風を操れる。この能力として、風が通る時、風の周り具合で道を見る事ができる」え


「見る?」

ラッキーが首を傾げる。


「そう。見るんだよ。ちょうどコウモリが鳴き声の反響で位置を把握するようにね。」

No.15コウはそう説明した。



「なるほど。作戦としてはこうだ。」

コウは続けて言い、それを聞いたNo..シリーズと俺は興味深そうな反応を示す。


ーーー

「ユウ、ここだわ」

そこは本拠地の地下だった。


シイはユウの目の前で地下シェルターの扉を開ける。

そのまま階段を降りていく。降りるとセメントで造られた細長い、一本道の通路があった。



光といえば閉めたシェルターの扉から漏れ出る光と、消えかかった天井の蛍光灯だけで、薄暗い。

だからか、シイは懐中電灯を持ってきていた。



「ついたわよ」

「何これ」



セメントの通路を右に少し曲がるとドアがあった。

しかしそのドアには南京錠がかけられている。

それを見て、シイは舌打ちをした。



「シイ、パスワードは?」

「知ってる訳ない。」


鉄のドア。ドアごとぶち壊すことも出来そうにない。

こうなれば南京錠を破壊するしかない、とユウは思った。


「じゃあ私、ちょっと出ていく」

「ダメに決まってるでしょ」



「へ?え?」

「ユウ、貴方は不法侵入したのよ」

シイの言葉に驚くユウ。




ユウの後ろから誰かの気配がした。

後ろには無音銃をを腰に掛けたワイがいた。


目の前には、怖い顔をしたシイが無音銃を右手に持っていた。


「ちょっと、2人とも何してるの?ドッキリ?ドッキリでしょ?うわぁーって!!あービックリしちゃった〜!」

ユウは両手を上げ、苦し紛れに笑顔を作った。

彼女は一本道を通って逃げようと1歩を踏み出す。



「待て。俺は能力[ループ]を持っている。もし逃げても、お前は永遠に外へは出られない。見ろよ、床を」ワイが言う通り床を見ると、鮮やかな血がセメントにベッタリと着いていた。



「ねえ、シイ、ワイ?何がしたいの?私何もしてないよね?」

「ユウ、あくまでシラを着る気かしら?可笑しいと思ったけど、案の定、あなたはNo.シリーズのようね?」



「え……根拠は?根拠はあるの?そもそも宇宙人はNo.シリーズになれない。」



シイは無音銃を構え、少しだけ笑顔を見せる。

「そう、No.シリーズになれるのは基本人間のみ。だが。例外として特異体質の宇宙人はNo.シリーズになる可能性があると言われている。貴方はNo.シリーズだ。No.7[確率操作]さん?」



ワイも無音銃を構えた。

「詳しい事はこの際どうでもいい。エイの無音銃からエネルギー弾が出たのは1000,000分の1の確率。微かなエネルギーが引き金を引くその瞬間、お前は確率を操作し銃中に奇跡的にエネルギーを発生させた。引き金を引いた瞬間、1発分のエネルギーが発生する」


それに被せるようにシイも言った。

「それに、記録ではエイの地位がエイからエフに移動する瞬間、突如バグとしてランクFがランクQに入れ替わったのよ?確かに微細なバグはこのランクシステムで数億分の1の確率で発生する。でもあの時はそれが上手く働いて、ランクシステムがバグってたの。それも局所的に。おかしいと思わない?」


ワイは無音銃を持ち替えて言う。

「お前は、バグでエフをエイに殺させた。そして、エイのランクシステムに局所的にバグを起こさせ移動させた。」

「多分だけど、今頃研究所に行かせたんだろ?」




「わ、私が何を目的にそんな事を……」



「ハラグチを殺したのはアンタだろ?」

ケイが詰める。


「なんで?ここにはパスワード式の施錠……」

「ここには南京錠しか見えないが、どうしたんだ?パスワードがあるのか?」



「あ、そうそう南京錠南京錠!!」

と言うが、シイは軽くあしらう。


「どうせユウはこうでしょ?7777」

すると南京錠が自動で外れ、ドアの鍵が解除された。



ドアを開けると、その一室には殺された血の跡があった。ハラグチの腹の1部が切り取られている。




今までとは打って変わって、ははははは!とユウは大きく笑った。

「あーもう良いわ。全て言うわよ。」

ユウの声が室内に響き渡る。


「エイは邪魔なの。私の能力は強いけど、エイに知られちゃ私の計画が全部パーになる。アイツは律儀だから、私が人体実験をするなんて言ったら即刻射殺されるもん」


「君たちの推理が惜しいところは、銃弾の中身が無くなったなんてウソ。あと1発だけ残ってた。エイがエネルギー切れだと思うように、最後の1発は出ないようにバグを引き起こさせてたの。まあエフの前で解除させてたけどね」



「あと、ワイ君ありがとね。とても役に立ったわ」


「ま……まさか!?」

ユウが言うと、ワイは後ずさりする。



「そう。そのまさかよ?超凄腕の宇宙医師に無傷で移植してもらった。No.0ハラグチの能力をね」

ユウが一本道にいるワイへ手を仰ぐようにした。



その瞬間、轟音を立てて風が発生した。

ワイは容易に出口へと飛ばされた。

「……お前、その魂胆だったとは」




「私もあなた達を殺すわね。殺した分だけランクが上がるシステムだから、規則通りにさせて貰うわ。」



無音銃を撃つと、小さな断末魔が聞こえた。

それ以外は、いつもの日常だった。













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