17、ガビ・ゾディアックの暴走
「なるほど。分かりました。ユウさんとシイさんの取り調べはここまでとしましょう」
「本当ですか?やっと出られるんですね」
「ええ、本当です。これでNo.シリーズについてわかってきました。」
そうして容疑者としては当日と次の日の午後までで終わった。
ーーー
しかし……エイはまだ戻ってきていなかった。
ユウとシイはバルコニーで暫く余韻に浸っている所だった。
「私、エイ探してくる」
「え?」
ユウの言葉にシイは唖然とした。
「手がかりは?」
「ない。でもきっと近くに居るはずだわ。エイは建物の前で自分の盗難用の探知機を破壊してた。きっとエフを殺したから怖くなって逃げたんだわ」
「それをするには至らないわ。No.シリーズの研究所って知ってる?」
「は、何それ」
「そこに行けば、きっと超能力で占い師いるわよ」
「シイ、ふざけるのはいい加減にして。どこに根拠があるっての?」
「根拠はある。着いてきて」
「やけに強引だな」
ユウはシイに着いていく。
ーーー
「ガビ・ゾディアック!見つけたぞ!」
ガビ・ゾディアックの下校途中、公園からはゾロゾロと警備隊が現れ、銃を構えていた。
「いーや、見つけたも何も、下校途中だからいるでしょ?」
ガビ・ゾディアックは意味が分からないと小さく笑う。
「ていうか、どうせ撃てないでしょ?あとさ、少年にこんな大勢で銃を突きつけるなんて卑怯だよ。」とは言いつつも、内心ガビは焦っていた。
「嘘じゃない!許可は取ってある」
刑事が銃を構えたと思えば、周囲に発砲音が鳴り響いた。
「あっっっぶな!怖すぎて夜も眠れませんよ〜」
発砲された弾丸はガビに当たる直前、途中で地面に落ちた。ガビはその弾丸を広いながら後ずさりする。
警備隊がざわつき、刑事も驚いている。
「な、何をした!!」
「まあいいや。撃ってみて?いいよ撃って」
躊躇いはなかった。
警備隊が一斉に銃弾を放つ。
その瞬間、ガビへ銃弾が届く1メートル前までに銃弾が白い煙となって消えた。無論、ガビは無傷のまま生きていた。
「あー、はいはい。そう言う事か。了解了解」
彼はそう言い、警備隊へゆっくりと近づいていく。
彼が歩くと、その場全員に緊張が走った。
「じゃあ左端の君からね。1人目から行こっか?」
ガビは得意げに警備隊の肩を叩く。
「おっと、まだ動かないで?危ないからね〜」
ガビは1度、肩を叩いた警備隊から1メートル程下がって眺めた。
「はいチーズ!」
ガビはおどける様に言った。
「ふざけるな!撃つぞ!」
「ちょっと煩いな〜!今面白い所なんだってば!!」
ガビはニコッと笑みを浮かべ続ける。
「ちょっとポーズ変えよっか?俺がはいチーズと言ったらピースしてね?」
ガビがはいチーズと言う。
その警備隊が腕を上に上げると同時に、彼の身体中から物凄い熱が発生し一瞬にして身体が燃える。そして一緒にして焼死体へと化した。
周囲には焦げ臭い臭いが発生していた。
「これが俺の十八番。どう?楽しいかい?」
「あ、コイツ……とはいえ死んじゃったけど、彼以外は動いていいからね?」
「じゃあ二人目行こっか?」
さて…といいガビは先程同様肩を叩く。
「おい、お前さっきから肩を叩いているよな?発動条件が『相手に触れる』のか?お前の言ってたあの「ハゲ」もそう言っていた」
「それ聞いてどうすんの?じゃあお前から殺そっか?どうする?」
「……もういい!勝手にしろ!!」
「そっか……じゃあ右端から行こ〜!」
ガビは再び1メートル程下がる。
「スリー、ツー、ワン……」
そして、ゼロと同時に右端に向けて銃で撃つポーズをとる。すると右端の警備隊は突然動くのを止めた。
思わず隣の警備隊達は騒ぎ出す。
「おい、おい!!死んでいる?冷たい!!!」
「これがレパートリー2つ目。どっちが好きぃ?」
おどける様にして手でハートマークを作って言う。
「ガビ・ゾディアック!ふざけているのか?もう辞めろ!お前のやっている事は犯罪だ!!!!!」
「まだ、どんな死に方決まってない見たいですね。じゃあ3つ目のレパートリー行きましょうか」
「あ、でももう飽きたし一気に行きましょうか」
ガビがそう言い、指を鳴らすと、警備隊も刑事も一度に倒れ込み、数十秒の内に死に至った。
「おもんねー。もっと強いの居ないのかな?」
ガビ・ゾディアックは何事もなかったかのように全員死んでしまった事には気にもとめず、何時もの帰宅路を歩き出した。




