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HE・IS・EI[平成の殺し屋]  作者: リンゴ
第2章 新人類の夜明け
16/73

16、No.15[スカイ]

No.20ニコリが円を描き、着いたのは研究所の通路だった。


「え、研究所出ないの?」

「私、1度見た所しか行けないの。戻る?」



「いや…それはいいけど」

「エイ、いやエフ君。ここはニコリに任せよう。俺らよりニコリの方が詳しく知ってる筈だから」


「いいから着いてきて。多分ここから直ぐで出口だから」

そんな簡単に出られるのか?と思いながらも着いていく。



その途中、何故か前に進めなかった。

「どうした?エフ?」

No.7.77ラッキーとNo.20ニコリが俺を見ていた。



目の前に通路があって、障害物も無いのに前に進めない。

見えない透明の壁があるみたいに、その先に進めない。



「どうした?ここから出ようとしてるのか、ニコリ」

短髪の青い服を来た青年が10センチ程宙に浮いていた。



「念能力!?」

「お前も知っているのか。その反応からして、君は無能力者か?」



「そうだ。というかそれが普通だろう?」

「それもそうだな。それよりニコリ、戻ってきなさい。逃げても警備隊がお前を見つけ出すだけだ」



「お兄ちゃん、邪魔しないで!」

ニコリが叫ぶ。

この青年は、ニコリの兄だったのか。



どちらも似ている要素が見当たらず、想像がつかなかった。



「こっちに来なさい。もう知っているだろう?俺はNo.15能力[スカイ]。お前がどう逃げようと竜巻を起こしてお前を引きずり戻す!!!!!!!!!」

その青年が言うと、目の前にある壁が消え、俺は床に転んだ。



白い竜巻が見え、ニコリの足が青年の方に引っ張られる。



「まだ言ってるの!?もう、それ止めてって言ってるでしょ!!」




ニコリは必死に抵抗する。

次の瞬間、ニコリは自身がくぐれる程の大きさの円を空中に描いた。




竜巻に引っ張られないように、その「円」に入ろうとするが入りきれず、円に掴まるのが精一杯だった。




次第に竜巻は強くなり、俺とNo.7.77ラッキーも引っ張られていくのを感じる。

「おいエフ!どうする!!!!」

「No.7.77ラッキー!お前の方が能力者だ!!No.シリーズだろ?寧ろお前がどうにかしろ!!!!!」



「そう言われても……よし!やってみる!!!」

ラッキーは、意を決したように「うおー!」と叫ぶ。



そう言っている内にも竜巻は強くなっていく。

ラッキーの叫びはもはや聞こえない。




次の瞬間、天井の照明が消え、周囲が薄暗くなる。

竜巻が突如として止まり、ニコリの円も消え、ニコリは床に落ちた。



「クソっ!No.nullめ。今日はツイてないかもしれない。シャッフル、ドン!!!!!!」

青年が悔しがり、下にカードのような物を叩きつける音が聞こえた。



数秒後、照明が戻った。

「やっぱりだ。今のタロットカードの結果は『15……!悪魔!!!!!』、今日は降参しよう。」

青年は床に落ちたカードを見て顔を歪めた。



「ニコリ、お前の兄なのか?何が起きてるんだ?」

「あれは私のお兄ちゃん。施設内でNo.100のランダム選定の時にNo.15に選ばれたんだよ。」

ニコリは続ける。



「タロットで言えば悪魔。最悪のカードの番号。そして、No.選定日、その日両親は研究所内の事故で死んだ。」

「彼は、両親がタロット占い師だった事もあって、それからタロットに傾倒しだしたんだ。」




「なるほど。つまり君の兄さんはタロットキ〇ガイだった訳だな?」ラッキーは淀みなく言った。



「私のお兄ちゃんを悪く言わないで!人聞きの悪い」

「すまん……」

「まあ…事実だけどさ。」



「クソ!!クソ!!!クソ!!!!なんで俺はいつもこうなんだ!!何度研究所から出ようとしても絶対に『悪魔』が出てしまうんだ!!!!!!!!!ニコリ、絶対に出るなよ!!!!!きっとお前も研究所(ここ)から出れば死ぬんだ!!!!!!!きっと、みんな死ぬんだよ!!!!!!!!」

No.15は倒れ込み、床を叩く。




「おい、見ろよ。兄貴よ」

あれだけ竜巻が起こっていたら無理もないだろう。床にはタロットカードが散らばっていた。




「床のカードは良いからさ、手元のカードを見てみろ。俺の算段通りなら」




「…………!?!?!?!!」

No.15は手元を見る。

手元にあるカードは少なくなっていた。

もうカードは数枚になっていた。

しかしNo.15はそれを見て唖然とし、目をおおった。



「正義……女帝、、皇帝?戦車……!!!恋人!!!!?」

No.15[スカイ]は頭を上げ、この声色は希望に満ちていた。




「運が……やっと運が!!!俺に回ってきたんだ!!!!!!!!」




「さあ、俺らと脱出しようぜ?兄貴」

「そうだな!!絶対に上手くいくはずだ!!!!!」


ラッキーとニコリの兄は握手を交わす。


そうして、俺とラッキー、ニコリのの他にNo.15で脱出する事になった。



「今日は疲れたし1回皆で寝るとするか」

「そうだな。ニコリ、亜空間用意できてる?」



兄を横目に、ニコリは円を描く。

「今書くから」



ニコリとNo.15は先に円の中に入る。

「おい、ラッキーどうした?入らないのか?」



「いや、ちょっとな。すぐ行くから」

ラッキーはエフに背を向け靴紐が緩んだなどと言う。



「あっそ」

エフは亜空間に入っていく。




手で口を覆い、ゴホゴホと咳をした。

その手のひらには血が吐かれていた。


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