15、捜査
「ガビ・ゾディアックの貸出履歴を教えてくれ」
警察手帳を取り出し、司書に見せた。
「少しお待ちください。」
そう言って戻ってきたのは2分くらいだった。
「これが、履歴です」
渡されたのはUSB。
「ご協力ありがとうございます」
そういい、川島は図書館を去った。
ーーー
「ガビ・ゾディアックについて分かったか?」
公園のベンチで座っていると、男の声が聞こえた。
「ああ遠藤先輩。お疲れ様です」
遠藤先輩は缶コーヒーを川島に渡した。
川島は礼をして一口飲んだ。
「それで、進捗は?彼は能力者なのか?」
「はい。私は確かにハゲかもしれませんがまだ薄毛だと思います」
「彼の能力について聞いている。彼が超能力者だとか、まだ言っているのか?そんな事有り得ないだろう」
「彼は能力者ですよ。分かったのは、彼は火の能力者では無い。或いは火の能力以外にも他の能力を所持している可能性がある」
「君は面白いな。そんなバカげた話があるか」
「先輩は、知りません?この警察内での噂を」
「何だ、噂って?また超能力の話か?」
「はい。これを見てください」
川島はスマホの写真を見せる。
「これは……研究所?どこだ?」
「ナンバーシリーズですよ。噂では、1953年頃から超能力の研究がされていた可能性があります。そしてつい10年前から、ポツポツと変死事件や不可思議な事件が増加している。もしかしたら彼もNo.シリーズなのかもしれない」
「そうか……」
遠藤は遠くを見つめながら言った。
「先輩は、どう思いますか?」
遠藤は川島の肩を叩いて言う。
「お前も、色々疲れてんだな。今日はゆっくり寝ろよ」
「……はい」
川島は、そういうしか無かった。
しかし、不思議だったのは彼が生物学や分子や原子、自然現象について強い関心を示していた事である。
超能力であれば、火を出すだけなのではないのか?
もしかしたら、彼は重力を操る能力者ではと思った。
実際、自分もそうやって強い重力を受けた。きっと自然現象としての重力との関係性を探っている最中に違いない。
彼が居なくなった瞬間、その重力だと感じているものが無くなった。
それに、物凄い勢いで手錠を地面に投げ落とした。
自分の相棒だった飯田は腰から燃えたと言ったが、どうやらライターが何らかの理由で引火したと考えられる。
一体どんな能力を持っているんだ?
同時に複数の能力を持てるとでも言うのか?
川島は首を傾げるしか無かった。
ーーー
No.2の双子は、突如発現した能力により死者が1人出た。
警報がなり、警備員が彼女を地下へ送り込んでいく。
「やっと発現したか。彼女らはやはり通常の能力とは違う。もっと凄い力を秘めているのだろう。今後は厳重な警備の室内で研究を行おう。」
博士は、髭を弄りながら楽しそうに言う。
ーーー
「ね、どうする?どこ行く?」
「え……どこ行くって?」
No.20ニコリとNo.7.77ラッキーが俺を見る。
「俺は、研究所の外に出たい。お前は?」
「俺は……殺し屋の本拠地の近くかな」
「えっ殺し屋さんなの!?」
ニコリが目を点にして言った。
「あ……」
どうやら俺はマズい事を言ってしまったらしい。
ラッキーも気まずそうにしている。
「ねえ殺し屋さん?ナンバースレイヤーなの?」
ニコリはその童顔からは想像できない鬼のような形相で言う。
ニコリは宙に小さい円を描く。
そこに虹色の亜空間への出入口が発生し、右腕を入れる。
「亜空間内でも亜空間で圧縮できるのか?」
思わず俺は言った。
「うん、そうだよ。亜空間は無限に存在できて、同時に存在できるから。だからほら今、私あなたの心臓を掴んで殺せるんだよ?」
怖くて俺はニコリの顔を見れなかった。




