10、No.不詳
No.不詳 ガビ・ゾディアック
能力不明
不良のいる学校で多くの学生を殺害。
誰も殺さずに、1度脱獄している。
ーーー
赤髪に黒いフード。
咥えるは燻ったタバコ。
「ガビ・ゾディアック。逮捕する」
そう言う2人の警官はやや、怯えていた。
ガビは、誰も見ないような路地裏に連れられた。
「お前の能力は不詳、或いは非公開だ。だが我々は知っている。炎の能力者だとな」
「だから何?オッサン。もう一度言ってみて?はい、「た」から」
ガビは、1人の警官の額の前に、人差し指を向けた。
「た」
「うん、じゃあ次は?」
ガビは、警官の左手の小指を捻った。
ボキボキと音がし、小指の骨が折れる。
「い……もう辞めてくれ!」
「はい最初からやり直し!」
もう一人の警官が「撃つぞ!」とガビに銃を向ける。
「待ってろハゲ。お前は後で殺すから」
左手で警官の左指を弄りながら、右手のナイフの矛先がもう1人の警官へ向かう。
「まあいいや、最初からは面倒くさいから「ほ」から言ってよ」
「ほ」
「「しません」は?」
「し、しません!」
「はい、よくできました。」
立ち尽くした警官の胸を軽く叩く。
警官は立ったまま、呆然としていた。
最早、ガビを見る事さえしていなかった。
「次はそっちのハゲだ。」
「撃つぞ!」
銃口を向ける警官に、笑を浮かべながらナイフをクルクルと回して見せる。
「随分と度胸があるな。」
ガビは続ける。
「何しに来たの?撃ちにきたの?俺を殺しに来たの?答えてくんね?俺今からネカフェ行くんだけど」
「た、逮捕しに来たに決まってるだろ!」
警官は手錠を取り出す。
ガビはそれをひったくる。
「ふーん。これ付けたら良いん?要らんやろ」
ガビが地面に叩きつけると、手錠は有り得ない程粉々になった。
地面にヒビが入った。
それは、一般人ましてや子供が出せる程の威力の物の落ち方ではなかった。
「なんだお前、炎の能力者じゃないのか!?」
「知らんよ。誰がそんな事言い出したん?」
「報告では、手から炎を出した。と言う事例や、お前の行った学校の先々で焼死事件が多発したと言う事例が挙げられている。」
「あー、あれか。でもちょっと惜しいかな?」
「でも炎が出せるのは本当。あの警官見てて?」
ガビはスリー、ツー、ワンとカウントダウンを始めた。
ゼロとガビが言い、カウントダウンが終わる。
すると、もう1人の警官の腰あたりから火が出始めた。
急いでズボンを脱ぐが、火はどんどん燃え広がる。
「大丈夫かっ!?」
「大丈夫。もうすぐ焼け死ぬよ」
5分後、警官は焼死体となって地面に倒れた。
「なんだハゲ?こっち見て来て。銃口向けても無駄だよ。じゃあね」
ガビはスマホを見ながらその場を歩き去って行く。
警官は追いかけようとするが、むしろどんどん体が重くなって行き、ついに立てなくなってしまった。
「なんだこれは!?体が重い。まるで重力が急激に大きくなったみたいだ」
暫くすると身体の重さ取れた。
しかし、その頃にはガビの姿はどこにも見えなかった。
ーーー
200人くらいだろうか、広間には大勢の人が居た。
「こんな人数いるのに広すぎて多く見えない。この高さ、10メートルはあるぞ」
「とてもすごい!」
とりあえずは、この人達は私服だ。
紛れれば充分……
「お前タンクトップとパンツだけだろ。絶対おかしいって」
「お前だって、黄色のマントはどう見てもおかしいだろ?」
おい!
おい!
どこからか騒ぎ出す声が聞こえた。
「ついに俺たち、見つかったのか?」
「いや、あれは女か?セーラー服のコスプレをしていて金髪で、10代か?かわいい女の子が走ってくるぞ?あれ、何故か裸足だぞ?」
「説明助かる。」
彼女は俺たちのいる方へ走っていた。
「おい!No.20が逃げたぞ!追いかけろ!また逃がす訳には行かない!」
彼女はNo.20と呼ばれているのか?
つまり、能力者?
走っていた彼女の足はラッキーの目の前で止まった。
「みーつけた!」
彼女はフフッと笑いながらチョークで床に線を引き始めた。
「あー、こっちじゃない。」
鉄なのかプラスチックなのか、確かにこの灰色の通路にチョークで線は引けなさそうだ。
彼女は油性ペンをバックから取りだし、人が3人立てる大きさの円を描いた。
「2人とも入って」
円の中にたっている彼女促されるままに、俺とラッキーは円の中に入った。
一瞬円の内部が虹色に見えたかと思えば、地面がぐにゃりと柔らかくなる感覚。
次第にそれは泥のような感覚になり、ズンズンと下に落ちていく感覚。まるで泥沼の中に溺れていくような感覚だった。
溺れる!
俺は円の外に出ようとする。
「ダメ!沈まるよ」
円の外に出ようとした俺の足は彼女に引っ張られていく。
沈んでいくと、視界が真っ白になっていく。
ただそれは意識が無くなるとかではなく、真っ白な空間に入ったと言う事に近かった。
「君たち逃げるんでしょ?私一緒に逃げよーよ!」
「君、何歳なの?」
「12さい!」
「よし!いける!」
「やったね!」
「いけるってなんだよ」
ラッキーとNo.20は何故か相性良さそうだった。




