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3ルートシリーズ

攻略対象との恋愛より、世界救世を目指してノーマルエンドルートへ進みます

作者: リィズ・ブランディシュカ



 私は転生したらしい。


 事故にあって、気が付いたら生まれ変わっていた。


 最近このパターンの小説増えたなって現代の時代から転生した。


 だから、もしかしたら死んだら、そういう世界に転生しちゃうかもねー、なんて高校の教室で友達と話していたけど。


 本当に転生するとは。


 はやりの世界に魂を転生させる神様とかいるのかしら。






 ともかく、私は乙女ゲームの世界に転生した。


 乙女ゲームっていったら、恋愛よね。


 ゲームによって細かい内容は違うけれど、攻略対象と恋愛するのが主軸だったはず。


 たまにカオスなゲームが出てたり、ぶっとんだ内容になってるって話も聞くけど……私が転生した世界はどんなゲーム世界なのかしら。


 疑問に思った私は、情報収集。


 周りの人にさりげなく聞いて、ここが恋愛ファンタジーゲームの世界だと判明したわ。


 前の世界でそこそこ有名なゲームの世界で良かった。


 だいたいの内容は頭に入っているもの。


 内容は以下の通り。


 世界の破滅を前にして、選ばれし聖女が浄化の旅に出る。


 そこで、陽気な男キャラと、一匹狼キャラ、チャラ男キャラとラブロマンスするの。


 そんな世界で、私は主人公の聖女に転生したみたい。


 でも、私恋愛する気ないわ。






 陽気な男キャラは、考えが足りないから、危険が伴うたびには同行させられない。


 ストーリーで主人公が危険な目に遭うんだけど、それの原因、この人だもの。


 一匹狼キャラはコミュニケーションがとれないからパス。


 旅は集団で進めるのに、集団行動できなくて協調性がないなんて、駄目じゃない。


 人に合わせる気のない人間、私はごめんだわ。


 チャラ男キャラはもってのほかよ。


 女性とふしだらな関係になって、色目ばかり使うなんて、トラブル発生機と何が違うの。


 旅に関わる者達が身内のケンカで、消耗するなんて目も当てられないわ。


 だからまとめてポイしちゃいましょ。







 とりあえず私は聖女になるために、専用の施設で修行。


 世界のために鍛えまくった。


 あ、悪役令嬢ってキャラクターもいたわね。


 家族に期待された名家のお嬢様らしくて、毎日努力しているけど、ストレスで病んじゃってるみたい。


 それで、家族に愛されて育った私を目の敵にしているんですって。


 しかも聖女になりたかったらしく、一生懸命修行していたらしいけど、自分はなれなかったから、私に嫌がらせするの・


 まったく困ったちゃんだわ。


 あなたより大変な目に遭っている人間は山ほどいるのよ。


 あなたより酷い環境にいても乗り越えられる人もいるの。


 ちょっと辛い目にあったから、人に嫌がらせするなんて、恵まれていたとしてもあなたは足りないと言って同じことをするに違いない。


 この子も排除しなくちゃ。






 厳しい修行を乗り越えて聖女になった私は、暗殺者を雇って悪役令嬢を亡き者にしたわ。


 それから、権力のある人と手を組んで、旅の人選を決める人間を貶め、牢屋に入ってもらったの。


 じゃあ次、護衛になるはずだった攻略対象達を何とかしちゃいましょ。


 脳筋キャラは人を疑わないから、処理が楽でいいわ。


 孤高のキャラは、普段の態度をちょっと過剰に悪く報告するだけで何とかできた。


 チャラ男君は女性達に裁判を起こさせるだけで楽勝。


 旅のメンバーはクリーンな者達だけになったわ。







 さあ、これから浄化の旅に出発よ。


 悪さをする子なんてどこを見渡してもいないから、きっとトラブルもなくスムーズに進むはずね。


 私は聖女の役目を果たす。


 その結果、世界は守られる。


 予想外の事なんて起きないし、恋愛要素なんて皆無。


 ノーマルエンドに到達してしまうけど、別の問題なんてないわ。


 物語にしたらつまらないでしょうけれど、それが一番良い事じゃない。



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