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2話- 『契約と想い』

此処から2話が始まります。うまく書けるといいんですが・・・

 それから・・・学校へ行く間に他の魔術師に見つかったのである。

そして話は章の始めに戻り、蘇芳は敵に追われていたのだった。

彼は追って来ていた5人を眠らせ、その横を通りながら逃げ出した。



「マスター、そっちに行くと一緒に追いかけてきていた残りの2人がいるよ。

 こっちに逃げたほうがいいよ!」



アスモデウスがそう言い逃げ道を示すと、残りの2人に見つからないように

他の路地に逃げ込んだ。それから学校へ何とかたどり着いた蘇芳だったが、

まだ受難は終わっていないようだった。彼のクラスの中にも今回の騒動に

巻き込まれて死んだ者が幾人かいたのだ。どういった理由でそうなったのかは

分からない・・・しかし彼のクラスでも5名が、朝・・・布団の中で冷たくなっていたそうだ。

それから1週間は学校も、自分の回りもゴタゴタしていてそのことまで

気が回らなかった蘇芳だったが、契約してから1週間後の朝のホームルームの

時間に今回の騒動でどういうことが起きているのかを知ることになる。

そして蘇芳は事の重大さをはじめて認識した。担任の教師が言うには、



「原因不明の伝染病で多くの犠牲が出ている、なにか少しでもおかしいと

 思うことがあったならすぐに自分に(担任)相談するように、

 それからできれば1人での外出は控えるように」



とのことだった。幸運にも天界・魔界の両軍に見つかることなく

帰宅した蘇芳は、自室のパソコンデスクの前にある椅子に座り、

ぼんやりとしながら担任の言葉を思い出していた。

  




   ・・・・・・自分が戯れで書いた条件で人が死んだ・・・・・・







それだけ・・・その残悔だけが彼の胸を占め、重圧に潰されそうだった・・・

そのとき不意に彼の頭が柔らかいものに包まれた。



「マスター・・・そんなに落ち込まないで。大勢の人が亡くなったけど、

 それはマスターのせいじゃないんだよ?全ての責任はこのゲームを始めた

 神にあるんだから・・・だから落ち込まないで・・・」



そういいながら蘇芳の頭を抱きしめていたのはアスモデウスだった。

彼女ははじめ人間など全く興味がなかったが、この1週間の間蘇芳を

見ているうちに、その考えを変えていた。蘇芳は毎日のように

アスモデウスとガブリエルに教わって魔法を勉強していたし、

新しい魔法の作成にも力を入れていた。そして何度か戦いも経験していた。

そのさなかにこういうこともあった・・・敵が放った魔法が蘇芳から

反れアスモデウスの方に向かったのだ。しかしアスモデウスは魔王という

とても高位な魔族であり、その程度の魔法は防ぐ必要すらなかったのだが、

そんなことは知らない蘇芳は自分の身を呈して彼女を守ろうとし

軽い火傷を負ったのだった。怪我の功名といえるのは、

そのときに怪我をしたことによって【再生】の魔法を考えたことだった。

だが蘇芳は夜になると毎日のようにうなされてもいた。

それは姉の死の瞬間を何度もフラッシュバックのように夢として

みてしまうことによるものだった。そんな時にアスモデウスが彼の手に触れると、

強く握り返した後、安心したように手を握ったまま眠るのだった。

そんな蘇芳を間近で見ていた彼女は、彼のことをとても好ましく思っていた。

それは魅了の魔法のせいもあったかもしれない、しかし彼女の心は明らかに

蘇芳に傾いていた。だが彼女自身この気持ちが魅了のものなのか

自分の心のものなのか分かっていなかったので蘇芳にこう告げた・・・



「マスター・・・この間作った【ディスペル】を私にかけてもらえないかな?

 どうしても確かめたいことがあるんだ・・・ダメかな?」



傷心の蘇芳に対して今言うようなことではないかもしれないけれど、

今を逃すと自分の気持ちを知る機会が来ないような気がしたアスモデウスは、

蘇芳を胸に抱き締めたままそうつぶやいた。その言葉に対して蘇芳は、



「なぐさめてもらっちゃってごめん・・・アスモデウス。

 マスター失格だよな俺・・・絶対もっと強くなるから・・・見捨てないで傍にいてくれよな」



そういいながら苦笑した。その顔を見ながら彼女は動悸が早くなるのを感じた。

そして傍にいてくれと言われたことに対して素直に喜んでいる自分に驚いた。

そんな自分を不思議な気持ちで客観的に眺めていると、彼女の抱擁から

抜け出し前に立った蘇芳が魔法を使う準備を整えて眼で促した。

そしてアスモデウスが軽く頷くのを確認した蘇芳は詠唱を開始した。



「じゃ、いくよ。

『全ての魔法の・加護よ・恩恵よ・呪よ・戒めよ・我が命ずるままに全て失せよ』

 ・・・解呪!ディスペル



その言葉とともにアスモデウスは淡い光に包まれた。

それは魅了の魔法と違い、清々しく爽やかな光だった。

その光に包まれている時アスモデウスは目を閉じた。

そしてその光が消えたと感じたとき、アスモデウスは自分の心にかかっていた

魅了の魔法によって生じる人間では感知できないほどの心の霞が

消え去ったことに気づいた。



(これで魅了の効果はもうない・・・だから自分の本心がわかるよね・・・

 私は本当にマスターの事を好きなのかな・・・それとも魅了の魔法の効果で

 そう思い込んでいただけなのかな・・・でもこの気持ちが嘘だったら

 私はどうすればいいんだろう・・・)



そんなことを考えながらアスモデウスは蘇芳の顔を見るために

眼を開こうとした・・・しかし自分の心に自信が持てずに眼を開くことに

躊躇してしまっていた。



「アスモデウス・・・どうしたんだ?俺の魔法はどこか間違っていたのか?

 あんなに一生懸命に教えてくれたのに俺は間違ったのか?」



アスモデウスが戸惑いつつ眼を開けずにいると、

蘇芳が少し心配そうに話しかけてきた。

その言葉に答えようと、そして蘇芳の顔をしっかり見ようと

眼を開いたアスモデウスが見たものは、自分の使った魔法のせいで

具合が悪くなったんじゃないかと心配する童顔の、

自分より少し身長の低い少年の顔だった。



「なあアスモデウス。俺はミスをしちゃったのか?大丈夫なのか?」



彼がそう声をかけるまでアスモデウスは自分が少年の顔を見つめたまま

動かなかったことに気づかなかった。そして・・・彼女は何も言わずに

心配そうな蘇芳に近寄ると、おもむろに・・・・・・・・抱き締めた。



(間違いない・・・私はやっぱりマスターの事が好きなんだ!)



それは思考にかかった霧が晴れたような感覚だった。



「お・・おい!なんだよ!急にどうしたんだよアスモデウス!」



そういってじたばたと暴れる蘇芳をしばらく抱き締めたまま、

アスモデウスはある一言を言おうと思い口を開こうとした。そのとき、



「アーちゃん~抜け駆けはずるいですよ~?」



と、背後から急にガブリエルの声がかけられた。

アスモデウスはあまりに驚いたため、無意識に蘇芳をギュっと抱き締めてしまった。



「ギ・・・ギブ・・・!へ・る・・ぷ・・・!」



そんな断末魔の声を残しつつぴくぴくと痙攣しながら・・・

その圧力で蘇芳が落ちた・・・・



「アーちゃん!早く離して離して~!マスターが死んじゃいますってば~!

 急いで~~~!」


「え?・・・っ・・・きゃあああぁぁぁぁぁ!すおー!」



どこまでも不運な蘇芳だった・・・・・・・・・・・チーン(合掌)


いかがだたでしょうか?最後に微妙にギャグ調にしてみました。

こういう書き方をするのは始めてなので、おかしいところや誤字脱字等

在りましたら、教えていただけると嬉しいです。

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