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第1章―――1話『追憶と資格』

「そっちへ行ったぞ!」


「違う!あっちだ!」



数人が走ってくる足音が聞こえた。



「いたぞ!追い込め!」


追いかけている方の人数はおおよそ8人、1人で相手をするには少々荷が勝ちすぎる様子で、

面倒だったから逃げていた。

彼の名は『御影 蘇芳』(みかげ すおう)人間の存亡をかけた神のゲームの登場人物の1人で、

Sランクの契約者である。


このゲームは、神が創った世界を汚し・壊し・蹂躙する人間を、

神が良しとせず滅ぼそうとしたことから始まった。

このゲームのルールは天界の王である神と、魔界の王であるルシフェル、

それに精霊界の王である4人(シルファリア・ウィルアーナ・サーカルディア・ノーグウェス)

が話し合いをして決めたとされている。


 このゲームのルールとは、『人間のサポートに各勢力の人員を付け、

ゲームに参加している人間同士を戦わせる。そして天界か魔界か勝者を決定し、

天界が勝てば人間界は崩壊。魔界が勝てば人間界を神の手から守り、

人間を繁栄させることを許可する。また精霊界は中立とし、契約した人間の意志を尊重する』

というものである。このゲームに参加させる人間はランダムに選定され、

契約をする相手によりランクが決まる。

ランクの内訳は


ランク―――――契約相手――――――――――最大人数

S―――――熾天使・魔界の王族・精霊王――  各四人

A―――――智天使・大臣クラス・各精霊――  各六人

B―――――座天使・それ以下の2体・各精霊― 各十人

C―――――能天使・中級魔族・各精霊―――  各十五人

D―――――天使・下級魔族・各精霊――――  各十五人


の、各勢力合計五十名である。各ランクごとに呼び名が違い、


ランク―――――呼び名

S―――――魔法創造師マジッククリエイター

A―――――錬金術師アルケミスト

B―――――付与魔術師エンチャンター

C―――――魔術師ウィザード

D―――――魔法使いマジシャン


となっている。また、精霊と契約したものは呼び名と使える能力が限定されてくる。それは、


ランク―――――呼び名―――主な能力

S―――エレメンタラー――全精霊の力を制約無しに使える

A―――フォース――――制約した四大精霊の力を使える

B―――ナイト―――――制約した精霊の力を使って戦える

C―――コンタクター―――精霊と話が出来る

D―――ウィスパー――――精霊の声が聞こえる


と言うものになっている。これらのルールは変更されることがなく、

またルールを破ると、契約している人間はすべての記憶を消されてもとの生活に戻される。

しかし天界・魔界・精霊界のものは、ルールを破った直後に時間凍結され

以後封印刑に処され厳重に罰せられる。このルールは、大きく分けて3つ、


1・契約している人間を自らが殺してはならない


2・契約(ゲーム用の仮契約)している間は自らの魔力を用いて戦ってはならない。


3・このゲームにおいて、遺恨を残すなかれ


という3つである。しかし例外があり、


『ただし、契約期間中(ゲーム用仮契約)に契約者と本契約を結んだものは

 このルールの範疇に含まれない』


と決められていた。この本契約というものは、天使・魔族共に一度結ぶと

契約者である人間が死ぬまでと解約されることがない。

いうなれば人間の結婚のようなものである。

しかし、この契約には離婚と言う概念は通用せず、

お互いが生きている限り消えることのない絶対の絆となるのだった。



 さて彼の話に戻ろう。彼は現在追われていた。

しかも天界・魔界の両方の勢力からである。Sランクの力を持っているのだから

撃退すればいい・・・そう思うだろう。しかし、彼はいまだに逃げ続けていた。

それはなぜか?そう、実は彼はまだ魔法が使えないのであった。



「くそっ、もう逃げられないか!」



行き止まりに追い込まれ、逃げ道を失った彼は実力を発揮せずにこのまま死んでいくのだろうか。



「どこか・・・逃げ道は・・・チッ!ないのかよ!」



そのとき不意に背後から声がした。



「だから魔法の使い方を先に覚えろと言った」


「アスモデウス!いるなら助けろよ!お前は俺の契約相手なんだろう!見殺しにする気かよ!」


「魔法の使い方を教えようとしたら『帰ってから聞く』と言ったのはマスターだったはず。

 私は教えようとした」



彼の契約者であるアスモデウスは、マスターである彼の生死には興味がないようで、

淡々と答えるだけだった。その様子に彼は腹が立ったが、逆に冷静になってこう切り出した。



「わかった。今から使い方を教えてくれ。あいつらに追いつかれる前に

 仕えるようにしてくれないか」


「承知した、使い方を教えよう。マスター、お前が選択した魔法の使い方はカードだ。

 詠唱して発動できる状態になった魔法を、そのままカードに封印して、

 必要なときに無詠唱で使うようにするものだ。使い方は、魔法の詠唱をして、

 発動対象をカードにすれば魔法がカードに封印される。使うときは魔法の名を呼べばいい」


「なるほど、でも俺はカードなんか持ってないぞ?」


「ここにある。渡そうとしたが、その前にお前は部屋を出てしまった。

 これからはいかなるときも体から離さないようにした方がいい。

 いつ襲われるか分からないから」



そういいながら彼女がカードの束を渡してきた。魔王である彼女と契約しているのだから、

天界軍に追われるのは分かる。しかし、同胞であるはずの魔界軍にまで追われる

と言うのはどういうことであろうか。



「あの~マスター、早く魔法を用意しないと近くまできてるみたいですよ~?」


「わかった。さんきゅ!そのまま見張っててくれガブリエル!」



そう、彼は熾天使であるガブリエルとも契約しているのである。

そのため、魔界軍・天界軍両方から敵対勢力として認識されていた。

この場を切り抜けるには追いかけてきている相手を撃退するか、

相手の軍勢の契約者を具現化させて納得させるしか道はなかった。

続けられるか不安ですが、書けるだけ書いてみようと思います。

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