表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/262

 第61話  『 王下十二臣VSベルゼブブ小隊 』



 『〝対特〟こちら〝00〟! ベルゼブブ小隊を発見次第速やかに殲滅せよ!』


 「こちら〝対特〟、了解」


 ……時は来た。


 「セシルさん!」

 「甲くんは南西の敵を殲滅してください!」

 「了解!」


 俺は待機位置から飛び出し、南西の方向を確認する。


 「あれか」


 ……確かに空からゆっくりと降りてくる何かが確認できた。


 (……小隊の数が十七人なら一人一殺じゃ足りねェ、一人でも多くの敵を倒さないと)


 俺は戦場を駆け抜ける。


 血と火薬の臭いが鼻腔を抜ける。


 荒れ果てた街並み。


 数え切れない程の死体の山。


 「瞬殺してやるよっ……!」


 ……クロエさんがここまで頑張って戦ってきたんだ。


 (応えてやるさ! 全力でな!)


 そして、俺は足を止めた。


 「……」

 「……」



 ……俺の目の前に一匹の巨大な蝿がいたからだ。



 「……お前は?」


 人語を解する巨大な蝿が俺に問い掛ける。


 「俺は伊墨甲平」


 俺は刃を抜く。



 「 お前の敵だ 」



 ……さあ、仕事の時間だ。







 ――サクラダ地区、東部


 「……この人達を殺したのは貴女ですか?」


 巨大な蝿が地面に転がる死体の山を指差し、私に質問した。


 「そうですけど、何か?」


 「……」


 巨大な蝿が自分の顔を覆った。


 「……うっ……ぅっ」


 ……と思ったら泣き出した。


 「……酷いっ……酷過ぎますっ……彼等にも家族や恋人が居るのに、貴女は最低だっ」

 「……」


 巨大な蝿は大泣きする。私は呆れて溜め息を溢す。


 「……酷いっ……酷ィよっ……酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷い酷いィィィィィィィッッッ……!」


 巨大な蝿が吼える。


 「――ッ」



 ――衝撃波が私目掛けて放たれる。



 「〝伸張セット〟&〝収縮リバース〟」


 私は少し離れた建物の屋上の上に移動し、衝撃波を回避する。


 「……それが貴方の〝奇跡スキル〟ですか」


 「 〝波壊はかい〟 」


 ――更なる衝撃波が私に襲い掛かる。


 「無視ですか」


 私は再び〝伸張セット〟&〝収縮リバース〟で回避し、そのまま接近する。


 「 〝波壊・嵐〟 」


 接近する私を迎え撃つように衝撃波が連発される。


 「単調ですね、舐めているんですか?」


 しかし、私は全ての衝撃波をステップ&ステップで回避する。


 「 〝強縛クラッチ〟 」


 ――既に私は敵の背後にいた。


 ――糸が敵に絡み付く。



 「 〝切断スライス〟 」



 私は糸を緊縛す


 (――切れない?)


 ……そう糸を緊縛した筈なのに敵を切れなかった。


 「 〝硬鋼鉄皮こうこうてっぴ〟 」


 敵の外皮が硬すぎたのだ。


 「出ましたか――〝血継術ディープブラッド〟」



 ――〝血継術ディープブラッド



 ……それこそが〝七凶の血族〟が世界最強たる所以であった。


 〝七凶〟の血が流れる者には、通常の〝奇跡スキル〟に加えて〝血継術ディープブラッド〟と呼ばれる遺伝性の異能を操ることができた。

 突然変異の〝シントリチュアル〟と違い、〝七凶の血族〟のセカンド能力スキルは一族が皆同じ能力を有していた。

 そして、ベルゼブブ家のセカンド能力スキルは――……。



 ――〝悪食王ベルゼイーター



 ……捕食した人間の〝奇跡スキル〟を行使できる〝血継術ディープブラッド〟である。


 「 〝ホワイト世界アウト〟 」


 「――っ」


 ――閃ッッッッッッッッッッッッ……! 目映い閃光が私を呑み込んだ。


 私は思わず腕で目を覆い、後ろへ跳んで距離を取る。


 (――この距離はまず



 ――私の背後に巨大な蝿が立っていた。



 (――っ! 高速移動も使え


 「 〝波壊〟 」



 ――特大な衝撃波が私に叩き込まれた。








 ――サクラダ地区、北部。


 「……何で僕だけ二人何ですかね」


 ……僕は目の前に立ちはだかる二匹の巨大な蝿に不平を漏らした。


 「第十三位、ジェロ=ベルゼブブ」


 「第十四位、ミハイル=ベルゼブブ」


 どうやら敵の名前はジェロとミハイルと言うらしい。


 「僕はロキ=キルシュタイン、お手柔らかに頼みますよ」


 僕は名乗り、拳銃を抜いた。


 「名乗ったついでに確認したいんですが、お二人さん――男ですかね?」


 そして、とても大事なことを確認した。


 「……何故、そのようなことを確認する」

 「戦いで関係のないことであろう」


 ジェロとミハイルが僕の質問に疑問を持つ。


 「大有りですよ、僕、女の子とは戦えませんし」


 「「――」」


 僕の回答に二匹が絶句した。


 「……フハハッ、貴様、面白い男だな」


 ……と思ったら笑いだした。


 「よく言われますよ」


 「安心しろ俺達は性別上は間違いなく男だ」


 「そうなんですか! ラッキー!」



 「「 だから、心意気なく死ね 」」



 ――ジェロとミハイルが同時に飛び出した。



 「ですよねー」



 安全装置を外す。

 引き金に指を掛ける。


 「その言葉、そっくりそのままお返しさせていただきますよ」



 ……僕は拳銃を二人に発砲した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ