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 閑話休題  『 そうだ、合コンに行こう! 』



 「 合コンに行くで、伊墨くん! 」


 ……全裸でヨガをやっていたところ、ロキが部屋に訪れた。


 「――って、なんちゅう格好で何しとんねん!」


 「ヨガ」


 「そうやない! 何で脱いどんのや!」


 「……?」


 「もうええ! この話はお仕舞いや!」


 取り敢えず服を着なければ話が進まなさそうであったので、服を着ることにした。


 「……しまった! 洗濯していて、メイド服しかないっ!」


 「何でやねんっ!?」


 セシルさんのメイド服を一着盗んでそのままだったからである。


 「やっぱり、洗濯物の溜め込み過ぎは良くないな」

 「……ああー、もう何から突っ込めばいいんや」


 という訳で俺はメイド服を着て、ロキの話を聞くことにした。


 「……で、合コンって何だ?」

 「なんや自分、合コン知らへんのか」


 どうやら、この世界の人間なら誰もが知っている言葉のようである。


 「合コンってのはなぁ、複数の男女が出会いを求めて同じ席で食事をすることやねん」

 「何っ! 複数の男女が一緒に食事をするだとっ!」


 何だ、その楽しそうなイベントは!


 「おっ、自分興味津々やな。それでどうするんや」


 「行くに決まっているだろう! 日取りはどうなっている!」


 「りょーかい♪ 伊墨くん、参加決定♪ 日取りと場所は追々教えたるから楽しみに待っときや」


 ……そんな訳で、俺は合コンとやらの行事に参加することになったのであった。


 ……………………。

 …………。

 ……。


 ――休日、ペルセウス王宮前。


 「これで全員やな!」


 ……午後六時、合コンに参加する予定の四名が集結していた。


 「……そうそうたる面子だな」


 という訳で、本日合コンに参加する四人の紳士を紹介しよう!


 まずは一人目! 狙った幼女は逃さない! ロリータ専門のグラサンクールガイ!


 ラビ=グラスホッパーッ!!!


 続いて二人目! 軽薄! 胡散臭い! 何か裏切りそう! 可愛ければふたなりでも可! 尻軽ムードメーカー!


 ロキ=キルシュタインッ!!!


 続いて大本命の三人目! イケメン! ただただイケメン! だが、ホモである! 何で合コンに来た? 場違いエレガンス執事!


 ファルス=レイヴンハートッ!!!


 最後は待ってました四人目! 馬鹿! 支離滅裂! 奇想天外! お姫様もメイドも女騎士もロリもホモもコイツにかかればイチコロよ! 変態助平倫理崩壊非常識空気読めない忍者!


 伊墨甲平ッ!!!


 「……」

 「……」

 「……」

 「……」


 ……俺達は無言で互いに視線を送る。



 ――何だ、この合コン向きじゃない面子はっ!!!



 何でロリ専がいるんだよ!


 何でホモ専がいるんだよ!


 折角の合コンなんだから真面目に人選しろよ! これならメジャーとかいうモブの方がマシだろ!



 【 人物名鑑 】


・ロード=メジャー


 ペルセウス王宮で働いている執事。最近出番はないが死んではないない。



 「まずはラビ! お前は何しに来たんだ! 合コンに幼女は来ないんだぞ!」


 俺はポーカーフェイスで紫煙を吐くラビに問い質す。


 「俺は別に幼女なんか好きじゃねェし」

 「はいはい、そーゆーのはいいから」

 「あ"あ"っ」


 今更、幼女好きじゃない発言されても時間の無駄でしかなかった。


 「あっ、ラビくんなら数合わせで来てもらったんや……うちの隊長の隠し撮り写真と引き換えにな」


 ……やっぱりロリコンであった。


 「……うむ、ラビはわかったよ。だが、ファルス! お前は別だ! お前は何の為に合コンに参加したんだ!」


 今度はファルスに同行の理由を言及する。


 「僕かい? 僕はただ伊墨くんと一緒に食事をしたかっただけだよ」


 「本ッ当にブレないな、お前っ!」


 「ふふっ、あまり褒めないでくれるかな」


 「褒めてないよ、まったくもって」


 ……清々しい程にファルスであった。


 「それじゃあ、面子も揃ったことやし全速前進や!」

 「……面子を揃えればいいってもんじゃないよ」


 とはいえ、これから新しい面子を探す余裕はない。このイカれたメンバーで合コンに挑まねばならなかった。


 「よしっ、行くか!」


 「オウカジュウニシーーーンッ!」



 「「「「 ファイッ、オーーーッ!!! 」」」」



 ……何故か円陣を組んで渇を入れた。


 ……………………。

 …………。

 ……。


 「……ここが集合場所の酒場か」


 ……俺達は繁華街に建つ酒場の前に集合していた。


 「ちょっと来るのが早かったか」

 「いや、どうやら丁度良かったみたいやな」


 そう答えるロキの視線を追うと、そこには四人の女子がこちらに向かってきていた。


 「ごめーん、待たせちゃった?」


 「ねえ、男の子のレベル結構高くない?」


 女子達から黄色い声があがる。


 「じゃあ、早速だけど酒場に入っちゃう?」


 「あっ、あと一人というか二人というか、今から来るからちょーっと待っててもらってもええですか」


 「……あと一人?」


 どうやら、俺達以外にも合コンに参加する人間が二人いるようであった。


 「おっと、噂をすれば……こっちですよー、お二人さーん♪」


 ロキがその人物を発見したのか、手を振って出迎える。


 「……なっ!」


 一方、俺は合流する二人を見て驚愕した。


 「初めまして、レオと言います。今日は皆で楽しみましょう!」


 「お兄ちゃんが参加するって聞いてわたしも来ちゃいました! ペルーニャでーす!」


 まず男の方だが、きらびやかな金髪をなびかせ、軽薄な笑みを浮かべる美男子であった。

 一方、その妹を名乗る少女は、艶やかな黒髪を左右に纏め、人懐っこい笑みを浮かべる美少女である。ついでに巨乳であった。


 ……いや、ちょっと待て。


 俺の記憶が間違っていなければ、


 間違っていなければ!



 ――ペルシャとその兄貴じゃねェか……。



 そう、偽名を使い変装こそしているものの、二人は間違いなく第一王女、ペルシャ=ペルセウスと第二王子、レオン=ペルセウスであった。


 「おい、どういうことだよペル――」


 「ちょっと! 伊墨くん!」


 ペルシャに問い質そうとするも、ロキに襟首を引っ張られて路地裏へ連れていかれる。


 「何だよ! ロキ!」


 「堪忍な、伊墨くん。けど、二人のことは気づかない振りをしてほしいんや」


 路地裏でロキが他の者に聞かれないように耳打ちする。


 「……何でまたそんな面倒なことを」


 「合コンの話をレオン様に聞かれたんや、そしたら自分も混ざりたいって聞かなくて」


 「レオン様が?」


 ――レオン=ペルセウス。


 ペルセウス王国第二王子にして、王位継承権第三位。ペルシャの実兄である。

 第二王子でありながら、王位継承権がペルシャより下なのには訳がある。その理由は王子の別称というか蔑称にあった。


 ……バカ王子。


 それがレオン王子の別称であった。

 政治や教養に一切の興味を示さず、やりたいことを好きにやる放蕩息子……つまり駄目人間である。

 唯一の長所である女受けする顔立ちと話術を除けば褒める所がない。レオン王子とはそんな男であった。


 「事情はわかったよ……取り敢えず今回の合コンは、バカ王子を引き立てつつ進行しなければならないってことだよな」

 「そや、話が早くて助かるで」


 ……まあ、何ともハズレくじであった。


 「じゃあ、ペルシャは何で来たんだ?」


 「楽しそうだから、と言うとったで」


 ……いつも通りのペルシャである。


 (……折角の合コンが台無しだよ、まったく)


 トホホと俺は心中で溜め息を吐き、皆の場所へと戻る。


 「皆、待たせちゃったな。それじゃあ、店に入ろっか」

 「そやな! 今日は皆で盛り上がっていこうやないか!」


 ……半分ヤケクソ気味に盛り上げ、俺達は酒場へと入店するのであった。





  次   回   予   告




 遂に始まった合コン。


 王子と王女と忍者と似非関西人とホモとロリコンが入り交じった混沌領域カオスフィールドで繰り広げられるは、


 高度な情報戦!


 狡猾な騙し合い!!


 そして、自己紹介!!!


 次々と脱落者が出てくる中、生き残るのは一体誰なのか! 見逃せない展開が始まる!


 次回! 【忍者になりたい!異世界に行きたい!女の子にモテたい!そんな皆様へ贈る!】 廻る世界のアサシン・レコード←タイトル|あらすじ→城が燃え、亡命中に井戸の中に落ちたらそこは異世界の女湯であった。ウンコを煮詰めたような性格のクソ忍者は貧乳真面目な姫と池沼天才王女とレズ女騎士と淫乱淫魔メイドさんとホモ執事と楽しい王宮ライフを満喫する。しかし、少年はまだ知らない、自分が既に世界を揺るがす戦いに巻き込まれていたことに……的な話。



 『 歌え! CO☆HEY!! 』



 さあ、次回もレッツ・コンパニースタンバイ!


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 気になる次回!!上手くいかない未来しか見えない! [一言] 待ってました!まさかの合コン話とは、、相変わらずの予想を斜め上に越えてきますね
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