ぷろろーぐ 『 異世界浴場、全裸なお姫様を添えて 』
……時は戦国、全国にて戦あり。
織田信長、武田信玄、今川義元、多くの猛者が凌ぎを削り武功をあげる正に群雄割拠の時代なり。
東の峰の麓に無名の小国あり。
その国、隣国に亡ぼされ、歴史に名を刻むこと叶わず。
主の名は火賀義武。彼、満月の夜に、炎に包まれ城内にて死にけり。
此れ、彼の國の姫に従ずる忍の噺なり……。
……………………。
…………。
……。
――永禄11年、火賀城、炎上。
「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ……!」
……俺、伊墨甲平は燃えていた。
「死ぬっ! 死ぬっ! 焼け死ぬぅぅぅぅぅぅっ!」
全身を炎に包まれる男は畳の上を転がり、悶え苦しんでいた。
「……何をやっているのですか、この非常事態に」
俺の隣にいる姫が溜め息を吐く。
「いや、影分身を燃やして遊んでた」
「……悪趣味ですね」
俺は全身炎に包まれる影分身を消して、改めて周囲を見渡した。
「……」
右を見ても火の海。
「……」
左を見ても火の海。
「……ふむ、燃えているな」
……つまり、俺は今、炎上する城の一室にいた。
「……偉く落ち着いているものですね」
――否、俺一人ではない。俺の隣には華やかな着物を身に纏った少女がいた。
「姫、熱くないか?」
「そんなことより、一刻も早くここから出ましょう」
――火賀愛紀姫
……火賀家長女であり、俺が護衛を任された少女である。
艶やかで長い黒髪に貧乳、雪のように白い肌と貧乳、幼くも色気のある凛とした表情と貧乳……我が主ながら絶世の美少……って熱い! 熱い!
そう、火の手はすぐそこまで迫っていた。
「いや、まずは火を消すのが先だ!」
「出来るのですか!」
「…………出来る……たぶん」
「凄い自信なさそう!」
俺は自信無さげに火の前に立ち――下衣を下ろして、ゾウさんを開放する。
「何故、脱ぐ」
「まあ、見てろよ」
「いや、見たくないんですが」
――チョロチョロチョロー……。俺は小金色の水を燃え盛る炎にぶっかけた。
「……」
「……」
――ボゥッ……。俺のゾウさんに火の粉が飛び、引火する。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああァッッッ……!」
「馬鹿なのですかっ!!?」
……それから俺は床を転がり、何とか鎮火に成功した。
「……いやん、もう駄目ぇ……これじゃあ、使い物にならないわ」
「おネェ言葉になってる! って、そんなことはどうでもいいから早く脱出しましょうっ」
……そんなことってお前、どうでもいいってお前。
「わかった、すぐにここから出ようか」
「でも、ここは五階で」
「心配ご無用だ」
確かに、廊下は既に火の海ではあるが、窓際はまだ火の手が回っていなかった。
「窓から飛び降りて逃げれば大丈夫」
「……それで大丈夫なのは貴方くらいですよ」
「よっと」
俺は姫を抱き抱える。
「ちょっと、あんまり変な所を触らないでください!」
「心配しなくても、姫の貧相な胸なんか触らね
ゴチンッ☆
「しっ、舌を噛まないように気を付けてくれよ」
俺は鼻血を垂らしながら窓に足を掛け――そこで気づく。
「……あっ、手を洗うの忘れてた」
「今、それ所ではないでしょっ」
「もう三日は洗ってない」
「洗え! ちょっ、私の着物で拭かないでくださいっ!」
艶やかな着物で手を拭く俺の頭を姫がポカポカと殴る。
「よし、行くか」
「……うぅ、お気に入りの着物だったのに」
――トンッ……。手も綺麗になったので、姫を抱き抱えて窓から飛び降りた。
俺と姫は重力に従い落下する。
(……はて、これからどうしたものか)
恐らく、この火は近隣の敵国によるもので間違いないが、この城がもう駄目なのは明白であった。
元より小さな土地と兵力しか持たぬ我が国はいずれ亡ぶ運命だったのかもしれない。
とはいえ、俺も一緒に死んでやるつもりはなかった。
所詮は雇われの身、忠義はあるが、死なば諸ともという程でもなかった。
(……だが)
私の名は火賀愛紀姫です。
敬語はやめてもらってもいいですか、落ち着きませんので。
甲平、いつまでも私の傍に居てくださいね。
……姫とは長い付き合いだった。
「――へい!」
……だから、命に代えても姫を護り通すつもりであった。
「――甲平!」
……ん?
「どうしたんだ、姫?」
「下!」
……下?
俺は視線を地面に落とした。
――そこには巨大な井戸があった。
「あああァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ……!」
「甲平の馬鹿ァァァァァァァァァァァァァァァッッッ……!」
――俺と姫は井戸の中に入ってしまう。
……俺にできたことは、姫を井戸にぶつけないように抱え直すことぐらいであった。
……視界が闇に支配される。
「「ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」」
……俺と姫の絶叫がこだまする。
――ザパンッッッッッッ……! 俺と姫は水の中に落ちた。
……井戸の中だ。水が溜まっていてもおかしくはない。
「……あれ?」
……いや、おかしい! これ温水だ!
そこで俺は自分が目を閉じていたことに気がつく。
俺は恐る恐る目を開く。
「……………………マジか」
……そこには信じられない光景が広がっていた。
「……………………ふぇ?」
……一糸纏わぬ美少女が俺の前に立っていた。
「……えーと」
「――姫! いつの間に服を脱いだんだ! 痴女か、痴女なのか!」
俺は裸の姫の肩を掴んで揺らした。
「ひぃっ! 何をするつもりなのかなっ!」
「何をって! いや、服を着せようと思ったんだけど……あれ?」
……そこで俺は気がついた。
――ぽよんっ、裸少女の二つの大きな果実が揺れた。
(……あれ? 姫は確かド貧乳だったようなー?)
二つの果実は揺れる。揺れる。揺れる。揺れる。揺れる。揺れる。揺れる。揺れる。揺れる。揺れる。揺れ過ぎィ!
「……こほんっ、さっきから貴方は何をしているのですか」
姫が俺の後ろから叱咤した。
「……あれ? 貧乳な方の姫?」
「貧乳もなにも、貴方の姫は私だけです……って、オイ」
……俺は姫に十字固めを決められた。とても痛かった。
「イタタ……えーと」
気を取り直して俺は姫から裸少女の方へと視線を移す。
「……」
……やはり何度見ても素晴らしいおっ○いであった。
染み一つ見当たらない柔肌はまるで富士の山頂のように白く、形も銘作の新楽焼きのように滑らかな曲線を描いており、乳頭に関しては乳房の大きさに対して黄金比とも言える大きさと春の訪れを感じさせる艶やかな薄紅色であり、左の乳房の内側にあるホクロが絶妙なワンポイントとなっていた。
「描写細か過ぎて気持ち悪っ!?」
姫がドン引きしていた。しかし、俺はそんな姫に気にせず、少女に訊ねる。
「名前を訊いてもいいか」
「えっと、わたし?」
「ああ」
裸少女は胸と股を隠しながら、少し距離を置いた。
冷静に見れば見るほど姫にそっくりであった。
艶やかで長い黒髪に、雪のように白い肌、幼くも色気のある凛とした表情……しかし、胸は恐ろしく豊満であった。
「えー、こほんっ」
裸少女が小さな咳を一つ挟み、名乗りを挙げる。
「 わたしはペルセウス王国、第一王女。ペルシャ=ペルセウスです……! 」
……第一王女?
つまり?
(コイツも姫なのか~~~~っ!)
異国の大浴場。
顔を合わせる三人。
……かくして、俺と姫とペルシャは衝撃的な邂逅を果たすのであった。
【 大切なお知らせ 】
世の中、お金は大事だけど全てではない。
僕は巨乳が好きだけど貧乳な女の子を好きになることもある。
人生、大事なことやこだわりはあってもそれを選ぶとは限らない。
最近は乳よりも尻に惹かれることが多い今日この頃……人生ってわからない。