5話
旅を始めて3日目。今日は珍しく雨が降っている。
そしてふと思うのがスキルで雲を操作できるなら雨もどうにかできるんじゃないか。
ちょっと色々試してみよう。
第一案は雲の形を変えるものだ。
空は全面雲で覆われている。数字に見える部分がない。却下。
第二案は新たなスキルの使い方を探すものだ。
一日一回数値を1変動させることができる。
もしくは1に変動させることができる。
この文面で何ができる?対象が「数値」だけだから難しい。
何の数値を変動させれば雨はやむんだろう?
雨粒を1滴にしてみるか?できるのかこんなこと。
できたとしても水分量は減らないだろうから大きな雨粒が落ちてきて悲惨なことになりそう。
ただこの考え方なら雨をやませることができるかもしれない。
人間視点で考えるからダメなんだ。もっとスキルを信じて無謀なことに挑戦してみよう。
1秒後に雨が止む。これも1秒間ひどい雨になりそう。
1時間後に雨が止むならどうだろう?でもこの雨が50時間続くとかだったら変わらないなぁ。
まぁこんな方法でスキルが発動するのかも怪しいけどね。
とりあえず1時間で雲がこの周辺から離れるくらいで試してみるか。
スキル発動!1時間で雲がこの周辺から離れろ!
ーーー同時刻
主人公の最初に居た町の占い師の館
「大変です!お師匠様!」
「なにかね。今洗濯物をしまっているのじゃ。お主も手伝いなさい。」
「それが雨が降る予言が今変わったのです!」
「何?予言がそう簡単に変わるわけないじゃろ?占い用紙を見してみぃ」
「お師匠様占い用紙ではなく占術紙です!」
「そんなことどうでもよいわ!」
【3時間後に雨が降り1時間後には雲が離れる】
「...なんじゃこの結果。ありえんじゃろ」
「ですよね!3時間後で降り出して1時間でやむなら4時間後表記になりますもんね!」
「これでは雨が降る前に雲が離れておるわ。ワシが占った時の占い用紙どこ置いたっけのぉ」
「お師匠様!占術紙ですってば!」
「いいんじゃよ、名前なんてどうでも。...おぉあった。」
【3時間後に雨が降り9時間後には雨が止む】
「うむ。こんな感じじゃったわ。そもそも雲が離れるなんて表記初めて見たわ。」
「うーん私の占い何か失敗したのでしょうか?」
「ワシがもう一回占ってみればわかるじゃろ。ほれ占術紙を用意しな」
「お師匠様!占い用紙でs...あれ?」
「やっぱり占い用紙のようじゃな。さて占い占い」
「お師匠様ぁー!」
【3時間後に雨が降り1時間後には雲が離れる】
ーーー場所を戻して主人公
発動したかわからん!
とりあえずいつもの3を4にするあれで発動するか試すか。発動したら実験は失敗だ!
...発動しない!え?成功したの?うそでしょ?
このスキルなんなの?