第3回
ーー前回までのあらすじーー
修学旅行前日の中学生のごとく楽しみにしていたラヴァ火山温泉1泊2日の旅が白紙になり、貯蓄も底をついた勇者カケルは、日銭をかせぐためにギルドのクエストを受注し、交易路を妨害するカタツムリの魔物・エスカルゴンの討伐に向かう。
しかしダンゴムシを手を使わずに丸めることしかできないカケルは戦闘中もひたすらダンゴムシを丸めることしかできず、逆にエスカルゴンが吐いた「服だけを溶かす粘液」をモロに浴びて、あられもない全裸を衆目にさらしてしまい、子どもたちから「全裸マン」というあだ名をつけられ、要注意人物として近隣の小学校が緊急保護者会を開く事態に発展してしまうのだった。
その頃、ノドに詰まったタピオカの摘出手術に成功し、一命をとりとめたアークウィザードのルセリアは、病院の入院患者たちから陰で「タピリア」と呼ばれていることを知り、怒りをあらわにする。
すべての元凶であるタピオカに復讐を誓うルセリアだったが、帰り道に繁華街で声をかけてきたキャッチの男について行ってしまい、ホストクラブで湯水のごとく豪遊した結果、気がつくと愛用の杖・クイーンズハートが借金の担保として差し押さえられていた。
ホストクラブにも復讐を誓ったルセリアは早朝に店に殴り込みをかけるが、店は17時開店であることを知らず、案の定店は閉まっていた。
一方、霊感のある友人に「背中に血まみれの女がおぶさっている」と指摘され、不眠症におちいった冥王デスサタンは霊能者に除霊を依頼し、指定された口座に50万ゴールド振り込むが、待てど暮らせど霊能者は来ず、それまでかたくなに否定していた詐欺被害をようやく自覚したのだった。
混迷をきわめる状況、果たしてカケルたちは活路を見出せるのか⁉︎