第1回
ーー前回までのあらすじーー
光の都エンパイアと闇の都ダークコロニーが千年におよぶ熾烈な覇権争いを続ける世界。
ダークコロニーの元首である冥王デスサタンの強大な力によって、光陣営は少しずつ劣勢に追い込まれつつあった。
舞台は移り現実世界の日本。
何者をも恐れぬ勇気と常人の50倍の性欲をもつごく普通のフリーター・時尾カケルは、コンビニでのバイト中に「オレはおっぱいで窒息したいんだ!」と高らかに叫んで店を飛び出し、道端にたまたま落ちていた豆腐のカドに頭をぶつけて命を落とす。
しかしその壮絶な死にざまを哀れんだ女神の慈悲によって、エンパイアに転生したカケルは、冥王デスサタンを倒す使命を与えられ、「滅魔の炎」を操る能力にめざめる。
かと思われたが、女神の書類手続き上のミスによる手違いによって、手を使わずにダンゴムシを丸める能力に誤ってめざめてしまい、途方にくれるのだった。
一方、カケルの能力に才能を見出した「アークウィザード」の称号をもつ上級魔法少女ルセリアは、彼のいる王都ラーゼンに向かう道中倒した魔物から、顔面におびただしい数のニキビができる死の呪いを受けてしまい、慌ててスキンケアにいそしむ。
しかしケア剤が肌に合わず、逆に肌を荒れさせてしまったルセリアは、怒りにまかせて製造元メーカーのコールセンターに無言電話をかけまくり、迷惑防止条例違反で警察沙汰に発展してしまうのだった。
さらに舞台は移り、アイドルグループ「サキュバスちゃんズ」が社会現象となっている闇の都ダークコロニー。
勇者カケルの覚醒を知った冥王デスサタンは、四天王「アポカリプス」を従えてエンパイアに進軍を計画するが、アポカリプスのひとり・堕天使ルシファーが「四天王のチーム名を『サキュバスちゃんズファンのつどい』に改名したい」と言い出したことで、内部分裂寸前に追い込まれる。
議論は平行線をたどり、最終的な判断を求められたデスサタン。もとの「アポカリプス」を支持したい気持ちはありつつも、自分もサキュバスちゃんズのファンであったデスサタンはルシファーの案を捨てきれず、苦悩のあまり胃痛に苦しめられるのだった。
光と闇、さまざまな思惑が交錯する世界。運命の渦に翻弄されるカケル・ルセリア・デスサタンの行く末やいかに⁉︎