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幕間 ある兵士の視点(9話後半)

更新ないのに見ていただいて恐縮です。

少しだけ幕間を書きましたので、読んでいただけますと嬉しいです。

私の名前はトトカ。反乱軍の兵士である。


若様、つまりミサゴ様とハイロ様が都から追放された話を聞き、先王の親衛隊であった父とともに馳せ参じた。

しかし始めたことは先王暗殺の証拠集めの為と盗賊まがいの行為。

こんなことに意味があるのか?と皆疑問に思っていた。

そんな不満の声が高まる中、あの方、リク様は現れたのだ。




最初にお会いしたのはミサゴ様が住まいとされていた屋敷の廊下である。

ジェンガ将軍がお連れになり、自らの主と皆に紹介されたほどのお方。

どのような方なのだろう?と思っていたら廊下でばったり出会ってしまった。


ジェンガ将軍の主である。

どれほどの貴人であらせられるのか。

恐縮する私にむかい、リク様は優しく微笑みながら冗談をおっしゃった。

そのときの私には冗談に思えたことを、おっしゃった。


「皆が寝てるとこってどこかな?

 俺もそろそろ寝たいなーって思ってるんだ」


ジェンガ将軍の合流に皆が興奮し徹夜で議論を行う中、誰も寝るものなどいるはずもない。

言葉の意味がわからない私にリク様はさらに優しく説明してくださった。


「いや、睡眠時間って、大事じゃん?

 だからさ、早く寝たほうがいいなーって思うんだよ

 いや、俺だけじゃなくて皆ね?俺だけじゃないよ?」


ここでようやく私はリク様の真意に気づくことができた。

この方は、我々に休息を取れとおっしゃってくださっているのだ。


確かにジェンガ将軍が合流し、ミサゴ様が新たな行動に移してくださるのは僥倖だ。

しかしだからこそ、その興奮を一度抑える必要がある。

冷静になってから話し合う必要がある。

そのことを私に教えてくださっていたのだ。



私は急いで皆のもとに行き、リク様の言葉を伝えた。


「早く寝ろって命令されるなんて、ガキ扱いじゃないか

 ‥さすが先生だ」


ジェンガ将軍が苦笑いされている。

しかし同時に自分の主のことが誇らしくて仕方ない、そんな顔をされている。

皆も、私の父も、そして私も、新しい指導者への期待が高まっていった。




結果を伝えようとリク様のところに戻った。

リク様は元の場所で、まるでどこにも自分の居場所がないような表情をされていた。

そこで私は、この方が孤独であることに気付かされた。


先頭に立つがゆえ常に己で道を切り開かねばならない、そんな孤高な人物ゆえの表情

まるで今夜の寝る場所がなくて困ってる子供のような表情

そんな顔をされていた。


私達が誠心誠意お仕えし、支えることでこの方の負担を、孤独さを、少しでも和らげたい。

この方の力になってあげたい。

この方についていこう。

この方の剣となろう。

この方こそ、私の主なのだ。


このとき、私の心にリク様への忠誠が芽生えたのだ。



皆がちゃんと寝ること、そしてリク様のために客間を準備することをお伝えすると、飛び上がるように喜んでくださった。

部下のためにここまでおおげさに喜んでくださるこの方に、私はより深く忠誠を誓った。

次章は今日の夜から、明日の朝には更新いたします。

なかなか遅れて申し訳ありません…。

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