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休憩時間は波乱のようです…

「よーし、ここでひとまず休憩を取る!まだ先は長いからしっかり休んでくれ! あとここらへんは魔物がでる森があるから行かないように!」


 その声につられて、入学試験へと向かう子供たちが続々と馬車を降りていく。これから入学試験があるという緊張のせいか少し顔色が悪い子供たちもちらほらいた。


「それにしてもクロア。馬車の揺れと緊張で普通は眠れないのだがなぜ爆睡できるんだ? お前には、緊張とかそこら辺のことがかけてるのではないか?」


 フフフ…よくぞ聞いてくれました!でも後半失礼すぎる!


「どこでも寝れるのが俺の特技だ! それに俺だって流石に女子風呂を覗きに行ったときは緊張したわ! あっ…」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!


 おなじみの赤いオーラをまとったリリアさん降臨である。今度は後ろにアーサー王と般若が見える。ワオ! ダブルパンチ!


(あー俺死んだか? いやまだ覗きに行ったことはバレてないはず! そうだ! きっとそうだ!)


「いや実は覗きに行ったこと一回たりともないから! ことばのあやだから!」


(覗きはバレなきゃセーフ! バレなきゃセーフ!」


「私の裸はどうだった?」


「すべすべな白いお肌が赤い髪をより映えさせておりました。ピンク色に染まった頬もまた魅力的でお胸も大きゅうございま…あっいや! これは違うぞ!」


 つい専門家風にリリアのありのままの姿を語っちまった! くそ! リリアめ! はめやがっ…て…?


 リリアがプルプルと震えだし、右手をガバッと振り上げる。そしてなぜか背後の般若とアーサー王は南無三のポーズをしている。しかも菩薩顔だ!


(あっ…俺死んだわ…)


「この変態クロア! 魔物の餌にでもなってしまえ!」


 べチーン!


 俺の頬を叩いたリリアはどこかへ走り去ってしまった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(変態クロアめ…あいつなんて魔物に食い殺されてしまえばいいんだ…)


 最近リリアは考えごとをしていた。クロアを見ていると何かモヤモヤした気持ちになるのだ。先程も裸を見られたという事を知り、取り乱してしまった。裸なら小さい頃に何度も見られたというのに…


(なんなのだろう…このモヤモヤは…)


「考えるのはやめだ! 今は気持ちを試験に向けなければ!」


 リリアは考え事をやめるとあたりを見回し、ふとある事に気づいた。考えごとををしていてあたりが見えておらずどうやら森の中まで来てしまったらしい。


(ここはどこだ…)


 そう思った矢先のことだった。


「助けて!」


 森の方から叫び声が聞こえた。


(まさか魔獣におそわれてるのか!? でも森の方には近づくなと言われてたはず!?)


 軽い胸騒ぎがしたリリアは、一心不乱になって今声のする方へ向かった。


(頼む…間に合ってくれ…!)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 リリアがどこかへ行ってすぐ、俺 カザリー キシリは各自好きなことをやって休憩時間を過ごしていた。


「…主様…大丈夫…?」


 カザリーはクロアを心配そうに見たあと、ビンタされた頬をさすってあげる。


「カザリーは本当に天使みたいだなあ〜痛みも吹っ飛ぶよ〜それにしてもリリアのやつ! 今度あったら絶対許さん!」


「まあまあクロ。今のは自業自得だよ?」


「そりゃあわかってはいるが…ビンタする必要ないだろ!? なんだよ! 裸を見られたくらいで!」


「女性は普通裸を見られていたと言う事を知ったらそれくらいのことはするとおもうのだけど…」


 キシリの言葉を全く聞かず仕返しの内容を考えるクロア。


「仕返しに、こちょがしまくってやろうかな…それとも…ぶつぶつぶつ…」


「…主様…仕返しのレベルが…ひくいです…」


 色々仕返しの方法を考えてるうちにアッシュさんが、なぜかこちらに向かってきて、俺に声をかける。


「今年は面白いやつがいるな!ははは!なによりだ!」


(まて! どこが面白いやつなのかさっぱりわからん!)


「最近試験に向かう子供は勇気がねえ!それに比べおまえさんは女子風呂を覗きに行くとか勇気しかねえな!」


 そう言うとアッシュさんは俺の背中をベシンベシンと叩いてくる。


「たしかに勇気しかないですね…くすっ…」


「いまニュートンさん笑いましたよね! バレバレですよ! 漏れてましたよ! くすって!」


 どうやらさっきの会話はアッシュさんとニュートンさんにも聞かれていたらしい。


 (クソ恥ずかしい! 穴があったら入りたい!)


 そんな会話をしていると、一人の女の子が息を切らしながらアッシュさんのもとに走ってきた。


 すると彼女は息も絶え絶えにこう言った。


「おねがい…リリアを助けてあげて…彼女…私達を逃して一人でキングコボルトと戦ってる…」


 そう言うと彼女は突然緊張の糸が切れたのかバタリと倒れた。相当無茶をしていたようだ。


 キングコボルトとは、コボルトの上位種で普通のコボルトより遥かに強く指揮能力にも長けている。そのため群れも大きな規模となることが多い。普通は見習い召喚士10人程で対処する魔物だ。


「えっ…今なんていった…は? リリアがキングコボルトと戦ってるだと? くそどういうことだよ! 行くぞカザリー!」


「…ん…」


 アッシュさんの静止を振り切り、俺とカザリーはリリアのもとへ一心不乱に向かう。


「まて! 今のお前だといけばしぬぞ! おい! クソ! しょうがねえ! そこの金髪のイケメン! もし何かあったらのために残れ! 本来は護衛で対処するんだが行っちまったもんはしょうがねえ! 行くぞニュートン! 久しぶりの魔物狩りだ!」


「はい。かしこまりました」


 そう言うと、アッシュとニュートンもクロアの元を追いかけていくのだった。





 















 








 

















 


 


 

今回はかなり短くなってしまい申し訳ございません。次話は長めに作りますのでよろしくお願いします!

また、評価やブックマーク 感想 ありがとうございます。

これからも本作をよろしくお願いします!

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