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第2話 テンプレとクソジジイ

俺は気付くと、白い部屋のような所の中心部分辺りに立っていた。


「・・・テンプレだな」


ポツリ、と思わず呟いてしまう。

一応、考えを整理して見る。

俺は友人をトラックから庇って死亡

神が居そうな場所にいる

コレ、もしかしたら異世界行くんじゃね?

テンプレ過ぎね?←イマココ



「・・・やっぱり異世界転移か転生でもすんのかねぇ。善行積んで死んだ訳だしなぁ〜」


そう考えるのも分かるだろう。

ネット小説でよくありすぎる展開だ。


トラックから他人(もしくは知り合い)庇って死亡→異世界へGO。


(何かから)友人を庇って死亡→異世界へGO。


そんな事を望んじゃいないが、可能性としてはありそうだ。


「この後の展開としては・・・好々爺っぽいジジイか、威厳たっぷりのジジイか、狡賢そうなジジイでも出るんだろうなぁ」


何故ジジイだけだって?

確かに、女神様の可能性もあるが、結局のところ若作りのババアだろ?

んで、ババアの言う事聞いて目的達成して、ババアの心を射止めて、ハーレム作ってその中に入って結婚♡とかなるんだろ?

絶対にヤダネ。よくある小説のエルフみたいな10年で1歳の歳をとるような、種族特性なら認めるが。

神なら年取らないから若作りになんないだろうって?

確かにそうだ。

だが、なんかヤダ。

女神だけは結婚とか無理。

あ、天然のじゃロリは除く。あれは愛でるべき存在だからね。


『閑話休題』



「・・・そろそろ出てきてもいいんじゃないか?」

「バレておったのかの?」


そんな声を発しながら何処からか現れたのは・・・好々爺っぽいジジイだった。


「お主さっきからジジイ、ジジイとうるさいぞい」


ハイ、心を読まれるという、テンプレ来ました〜。


「・・・もうええわい。何故ワシが隠れておったのかが分かったか聞きたいんじゃったが、聞く必要は無いのう・・・」


何故途中で聞くのを止めたのかと言うと、大体予測がつくだろうと思うが、一応解説しよう。

心の中で、


気配読んだ、気配読んだ、気配読んだ、気配読んだ、気配読んだ、気配読んだ、気配読んだ、気配読んだ、


と、こんな感じにやったからである。

ジジイがわざとらしい、咳払いをし始めた。

そうか、そうか。そんなに注目されたいのならしてあげよう。


ジィー(ガン見している)


「・・・いちいち調子が狂うのぉ。まぁええわい。なんか面倒くさくなったから端的に言うぞい。後ガン見すんな」

「おう」

「お主が善行を積んだ事で、剣と魔法が主体の異世界への切符を手に入れたぞい。良かったのぉ」


予想通りの異世界行きになった。


「面倒くさいから、拒否アリ?」

「無しじゃ」

「どうしても?」

「どうしてもじゃ」


ど〜〜〜しても拒否は出来ないようだ。


「んじゃ、チートくれるの?」

「やるぞい」


全く敬意を見せない俺にも、チートをくれるようだ。


「ほれっ!」


ジジイが声を発した直後、


ティロリンッ♪


と、脳に直接響く音がした直後に、


--スキル:異世界言語理解Lv.MAX、鑑定Lv.1、偽装Lv.1、収納アイテムボックスLv.MAX、剣術Lv.1、体術Lv.MAXを獲得しました。収納と体術のスキルレベルが最大になったため、上位スキルへと進化します。

--異空間倉庫ストレージLv.1、身体操作Lv.1を獲得しました。


--称号:異世界人、神をも恐れぬ者、???、???、???、???、???、???、???を獲得しました。


--加護:???、???、???、???、???、???、???を獲得しました。


膨大な量の情報が頭に入ってきた。スキルの使い方や称号の解説などが一気にだ。


「グッ!ウガァァァァァ!!」


頭の処理能力を超えた情報量によって凄まじい痛みを感じ、叫ぶ。


「おいおい、これはヤバいじゃろう・・・。どんだけ強いんじゃこいつは・・・。色々とおかしいぞぃ・・・封印した方がよさそうじゃな・・・」


何かジジイが言っていたが、頭痛のせいでその内容を理解することが出来なかった。


しばらくして痛みが落ち着き、自分がどうなっていたか理解した俺はジジイに対して恨めしげな目つきで睨んだ。


「ワシでも把握出来なかった事態じゃったんじゃ、許してくれぃ」

「・・・把握出来なかったんなら仕方ねぇ。それより、俺の能力値を見たい。どうすれば視覚的に捉えることが出来るようになるんだ?」

「『ステータス』と言うか、念じるんじゃ。それで見れるようになるわい」

「テンプレだな?」

「そうじゃ」



早速ステータスを見てみよう!

こちらになりますっドドンっ!


-------------------------------------------------------------------------------

名前:波多野 奏翔

職業:??? 種族:人間ヒューマン

Lv:1

HP:500/500

MP:150/150

STG:150

VIT:150

AGI:150

DEX:150

INT:150

MND:150

LUK:150


スキル一覧

異世界言語理解Lv.MAX、鑑定Lv.1、偽装Lv.1、異空間(倉庫ストレージ)Lv.1、剣術、身体操作、???、???、???、???、???、???、???


称号一覧

異世界人、神をも恐れぬ者、???、???、???、???、???、???、???


加護一覧

???、???、???、???、???、???、???


持ち物一覧

学生服、学生鞄、その他もろもろ



-------------------------------------------------------------------------------


己の『ステータス』を見て、思わず呟いてしまう。


「・・・なぁにこれぇ」


それが自分の『ステータス』を見て、出てきた言葉だ。

異世界言語理解、コレは助かるしテンプレだ。

鑑定と偽装、収納、コレらもそうだ。

気になるのは、『???』←このハテナなんだよなぁ・・・。

後、剣術と体術が進化?した身体操作っていうスキルはなんで獲得したんだろうか・・・。

とりあえず、能力値について聞くとする。


「なぁ、ジジイ」

「なんじゃ?」

「この能力値はどこがチートなんだ?」

「む?十分ちーとじゃろ?」

「どこが?なんか普通すぎない?しかもほぼほぼ同じ能力値だし」


ジジイは、やれやれといった感じで説明を始める。


「1回しか言わんからよく聞いとくんじゃよ?」

「おう」

「お主が行く異世界の一般人の能力値は大体の平均じゃが、50くらいなんじゃ。お主をその3倍の能力値にしたんじゃよ?」


そこまで言って黙るジジイ。


「・・・説明終わり?」

「そうじゃ」


説明は終わったらしい。雑すぎない?


「・・・その世界、剣と魔法が主体なんだろ?」

「そうじゃ」

「だったら魔物とか居そう、てか居るよな?」

「そうじゃ」

「じゃ、それを戦う冒険者とか居るよな?」

「そうじゃ」

「その冒険者とかの『ステータス』は?」

「平均200を超えるのぉ」


どこがチートだ!冒険者下回ってんじゃねぇか!

だが、まだ怒っちゃいけないぞ、俺。耐えるんだ。

質問を続ける。


「・・・王国とかあるんだろ?そうだったら騎士団とかもあるよな?」

「そうじゃな」

「その『ステータス』は?」

「平均250〜300辺りじゃな」


喧嘩売ってんのな。よし、その喧嘩買ったァァ!

このクソジジイぶっ飛ばしてやる!


「巫山戯んなこの、クソジジイィィィ!」

「落ち着け」


とジジイが宥めてくる。


「落ち着けるかぁ!」

「魔物を、倒せばステータスアップするから安心せい」


大体そんなもんだろう、テンプレ的に。このジジイ・・・。


「・・・魔物を倒すために必要な能力値は?」

「最弱の魔物で150くらいじゃな」


最弱で同じ能力値の魔物をどうしろと?


「何?俺に死ねと申すのか、このクソジジイ」

「大丈夫じゃ、そのためにスキルがあるんじゃよ?上手く使うことが出来れば、格上の相手とも渡り合えるのじゃ。冒険者もそうやって戦うのじゃ。まぁ、パーティ組んだり戦略練ったりとしなければならんがの」


どうやら、スキルを使うことで格上の相手すら倒せると。

なら何とかなるのかもしれないな。


「他に質問はないか?」


ジジイが聞いてくる。


「この『???』ってなんだ?後、なんで剣術と身体操作っていうスキルを獲得してるんだ?ジジイのサービス?」


ずっと気になっていた事を尋ねる。

その返答は、


「『???』については秘密じゃ。それと、剣術と体術、今は進化して身体操作だったかのぅ?それは現在の奏翔の技術を異世界で当てはめてみるとそうなるんじゃろう。だから獲得したと思うんじゃ。異空間倉庫は収納をレベル最大でやるのが決まってるからのぅ。ワシ、奏翔には他に特別なスキルを上げるつもりはないからのぅ・・・。あ、必要最低限のスキルは除くぞぃ」


「(このクソジジイ・・・)」


まぁいい、剣術・身体操作については理解した。

『???』についての説明をさせようと、ジト目で???についての追求する。


「何かあるんじゃないのか?」


ジジイは平然と答える。


「お主にとって害にはならんはずじゃ。むしろ益になるはずじゃ」

「本当にだな?」

「無論じゃ」

「ホント〜〜にだな?」

「しつこいぞい」


機嫌が悪くなりそうな気がしたので追求をやめる。


「じゃあ、次の質問だ。これから行く世界の名は?」


別にそれなら教えてくれるだろうと踏んだ質問だ。


「『フィレルネルト』と、現地の者達は言っておる」


案の定教えてくれた。てか、普通教えることのはずだ。ネット小説とかそういうもんだったしな。


「異世界に行く決心は決まったのかの?」


笑顔でジジイが聞いてくる。

分かって言っているであろう、殴りたくなるその笑顔。


ため息をついて答える。


「ああ、行くよ」


その言葉を聞いたジジイは、別の質問をしてきた。


「10分程度なら、家族に会わせることも可能じゃが?」

「・・・会うような家族は既に居ないのさ」


デリカシーのないジジイだ、と思いながら答える。


「そうか・・・少々配慮にかけていたの」


ジジイは、悪い事を聞いたといった顔つきになり、謝ってきた。


「気にしてないさ」




ジジイは、いつの間にか持っていた杖を掲げる。


すると、俺の足元に直径3m程の魔法陣と思しき者が描かれた。


魔法陣が光り輝く。


視界が白い光で覆われていくなか、ジジイが言った。


「何事も楽しむのが一番じゃ。汝の行先が幸あれ」


その声が耳に入って俺が思ったのは、


最後の最後で、神らしいこと言ってんじゃねぇよジジイ!


それと、


ジジイの名前聞いてねぇぇぇぇぇぇ!!


だった。


「オイ!ジジイ!テメェの名----」


慌てて聞こうとしたが、出来ずに俺は意識を失った。



-------------------------------------------------------------------------------

今話獲得したスキル・称号・加護

スキル:異世界言語理解

   :鑑定

   :偽装

   :異空間倉庫

   :剣術

   :体術

   :???×7


称号:異世界人

  :神をも恐れぬ者

  :???×7


加護:???×7


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