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サファイアガラス  作者: 望月 明依子
プロローグ
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プロローグ「失恋の夏」

「え……」

言葉が出なかった。

まさかの。そんな。信じたくない。


私は真中絵里。今年ようやく大学に入ったばかり。

高校の時はただひたすら大学に入るために勉強してきた。

この春、晴れて第一志望だった地元の大学の、無難と言われている学部に入ることができて、あの地獄のような勉強漬けの日々から解放されることになった。

そして話が順調に流れて、人生初のバイトも決まり、なんとそこで人生初の彼氏もできた。

まさに順風満帆の日々を過ごしていた……はずだったのに。


電話でもない、メールアドレスを使ったメールでもない。

電話番号を使った、たった70文字制限のあるメッセージで、「付き合えなくなった。別れよう、さよなら」とだけ。

今は前期試験期間の真っ最中。同じ大学で、違う学部だけど同じ学年の彼氏も試験期間中なのに。

なんで? が頭の中をぐるぐる回る。

何度電話しても彼は出てくれない。メッセージアプリでメッセージを送っても返事がない。

メールを送ってみても全く反応がない。

「なんで……? 私、あの人に何か悪いことした?」

毎日連絡を取らなかったわけじゃない。テスト期間でも、ちょっとでもメッセージを送っていたりした。

あとテスト期間は3日。私のテストはそんなに量があるわけじゃないけど、必修科目は落とせないし、他の科目もできるなら落としたくはない。

とは言ってももう勉強どころではなくなった。3日後には、どうにかしてでも理由を問いたださなくては。


試験期間が終わってようやく迷惑そうな顔をして会ってくれた彼氏に言われた言葉は、「元カノとヨリ戻したから」という一言。

もしかして……二股……?

ここ数日でヨリを戻したと思っても、少なくとも何日間かは二股かけられてたってこと……。

聞いてしまったのがいけなかったのだが、聞かないときっと前には進めなかっただろう。

奴は私を置いてさっさといなくなってしまった。



それから約1年。

私は必死に大学生活を送っていた。

恋愛とか彼氏を求めるより、ひたすら勉強とバイトに打ち込む日々。

奴はいつの間にかバイトもやめていた。


私には、大学生の間に叶えたいある目標があった。


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