涙が残した一冊のアルバム
私はあなたへの思いを、どれだけ涙にして流したのかな。
嬉しかったとき・・・
悲しかったとき・・・
腹がたってむしゃくしゃしたとき・・・
幸せだと感じたとき・・・
あなたへの『好き』が溢れたとき。
今思うと、その涙の一粒一粒もあなたとの思い出だったよね。
今あなたは幸せですか?
あなたが幸せでいてくれたらなによりです。
~アルバム1ページ目・出会い~
私、春井 華穂(はるい かほ)の初めての恋の始まりは、あまり望ましいものではなかったのかもしれない。
なぜなら、彼との出会いは
アバターゲームだったから・・・
顔も知らない人に恋をした・・・
だけどその出会いは私と彼の運命の出会いだと思った。
いや、そう思いたかったんだ。
そうであってほしかった・・・。
中学3年の春_。
キーンコーンカーンコーン
校内に下校のチャイムが鳴り響く。
「はぁ~、やっと終わった・・・」
ため息をつき、帰る準備を始めた。
授業が終わって嬉しいはずの私だったが
いつものように喜べなかった・・・。
「か~ほ!」
すると後ろから聞きなれた声で私を呼ぶ声がした。
「あ・・・えりな。」
振り返ると、私の親友 原田 枝莉菜(はらた えりな)が
私の顔を覗き込んできた。
「っちょ・・・えりな顔近いから。」
私は冷静に対応した。
「ん?あ~ごめんごめん!それよりさ~、なんだか元気ないね。」
「え?そんなことないよ。」
私はえりなから目をそらした。
「・・・かほ放課後あいてるよね?ちょっとえりなの家によってかない?」
用事はないけど・・・なんだか気が乗らないなぁ。でもまぁ・・・いいっか。
「わかった。」
その後、学校帰りにそのままえりなの家に向かった。
本当は寄り道いけないんだけどね・・・。